脳神経内科学

脳神経内科学 · G3-18

橈骨・尺骨・正中神経障害症候群

G3-18: Syndrome of radial, ulnar and median nerve damage

前提:正常
上肢:前腕上肢:手関節と手
症状
Tinel徴候

🧠 全体像:上肢末梢神経障害は、=伸展、=、=を軸に局在する。感覚分布だけでなく、病変で保たれる筋を確認する。

三神経の比較

神経 代表的病変部位 主な運動所見 感覚所見
腋窩、、 手関節・手指伸展低下、。では感覚障害なし 第1など。ほど上腕・前腕後面も
、Guyon管 指外転・内転低下、、 小指と。Guyon管ではが保たれうる
前腕、 ・外転低下、。では・手指屈曲も低下 母指〜掌面。では皮膚が保たれる

原因と診察

  • :骨折、長時間圧迫、橈骨トンネル/障害。
  • :や肘部圧迫、周辺外傷、Guyon管圧迫。
  • :、遠位橈骨骨折、前腕外傷、症候群。

⭐ はが正常でも臨床的に否定できない。 スウェーデンの一般住民調査では臨床診断による3.8%に対し学的異常のは4.9%で、両者が一致したのは2.7%にとどまった1。

flowchart TD
  A["上肢の筋力・感覚障害"] --> B["伸展低下"]
  A --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intrinsic hand muscles'>手内在筋</span>低下"]
  A --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='thumb opposition'>母指対立</span>低下"]
  B --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='radial nerve'>橈骨神経</span>と病変<span class='jp-term jp-term-diagram' title='high'>高位</span>"]
  C --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ulnar nerve'>尺骨神経</span>、<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cubital tunnel'>肘部管</span>かGuyon管"]
  D --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='median nerve'>正中神経</span>、<span class='jp-term jp-term-diagram' title='carpal tunnel'>手根管</span>か近位病変"]
  E --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nerve conduction'>神経伝導</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='electromyography'>筋電図</span>と必要な画像"]
  F --> H
  G --> H

検査と治療

  • やは補助所見であり、単独で確定しない2。
  • ・で局在と重症度を評価し、外傷・腫瘤・には超音波やを加える。
  • 軽症圧迫障害は原因動作の調整、、理学・から開始する。
  • ではが比で1か月時点の症状改善に有意に優れるが、1か月を超える有意な効果は示されていない3。進行性筋力低下、、重症持続例はを検討する。
  • 、骨折・、急速進行、血管障害を伴う場合は早期外科評価を行う。

⚠️ 「の母指・・全体が領域」という表現は広すぎる。指先背側は領域を含み、のは第1が代表的である。

まとめ

出典

  1. 1.Prevalence of carpal tunnel syndrome in a general population(JAMA・1999)スウェーデン南部の一般住民(2,466例が回答)を対象にした調査で、臨床診断による手根管症候群の有病率は3.8%、神経伝導検査での電気生理学的正中神経障害の有病率は4.9%、両者が一致したのは2.7%にとどまり、臨床的に手根管症候群と診断された症例の一部は神経伝導検査が正常だった閲覧 2026-08-27
  2. 2.The rational clinical examination. Does this patient have carpal tunnel syndrome?(JAMA・2000)手根管症候群の診察所見の診断精度を検討した系統的レビュー(12論文)で、電気生理学的診断に対するTinel徴候・Phalen試験・母指球萎縮の尤度比は低く、これら単独では正中神経障害の診断的価値に乏しい閲覧 2026-08-27
  3. 3.Local corticosteroid injection for carpal tunnel syndrome(Cochrane Database of Systematic Reviews・2007)12研究671例を統合したコクランレビューで、局所コルチコステロイド注射はプラセボ注射に比べ1か月以内の臨床的改善が有意に多かった(相対危険度2.58)が、1か月を超える有意な症状改善は示されておらず、経口コルチコステロイドに対しては3か月まで局所注射の方が優れていた閲覧 2026-08-27