Neurology

Neurology · G1-35

髄液採取法と検査

G1-35: Cerebrospinal fluid sampling technique and its laboratory examination

前提:正常
背部・脊柱:脊髄と髄膜中枢神経・神経解剖:脳室と脳脊髄液
疾患
髄膜癌腫症

🧠 全体像は、適応を定め、・出血・の危険を先に確認し、を測り、必要検体を迅速に処理する手技である。髄膜炎を疑うとき、画像や穿刺のために抗菌薬を遅らせない。

適応と延期すべき状況

中枢神経感染、・GBSなどの炎症性疾患、CT陰性後も疑う、頭蓋内圧疾患の評価などが適応となる。

状況 対応
の危険 局在徴候、著しい意識低下、、新規発作、免疫不全などでは穿刺前画像の要否を判断する。画像待ちでも髄膜炎治療は遅らせない。
出血リスク 血小板減少、凝固異常、抗凝固薬を確認し、緊急性と補正可能性を個別判断する。
穿刺部感染・脊椎病変 感染部位を避け、や解剖異常を疑えば画像・専門科相談を優先する。
心肺不安定 まず蘇生・安定化する。

手技

flowchart TD
    A["適応・同意・禁忌・薬剤を確認"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lateral position'>側臥位</span>または座位でL3/4・L4/5を同定"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='aseptic technique'>無菌操作</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='local anesthesia'>局所麻酔</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='stylet'>スタイレット</span>付き非切断針"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='subarachnoid space'>くも膜下腔</span>へ進め、<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lateral position'>側臥位</span>で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='opening pressure'>初圧</span>測定"]
    D --> E["3〜4本へ細胞、化学、微生物、保存検体を採取"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='stylet'>スタイレット</span>を戻して抜針し、検体を直ちに搬送"]

Jacoby線を目安にL3/4またはL4/5を選び、より尾側で穿刺する。は患者をリラックスさせたで測る。針先がへ達したことは髄液流出で確認する。「で髄液腔を確認する」「急な抵抗消失で診断する」という説明は不正確である。非切断針を用い、採取後にを戻して抜くと穿刺後頭痛を減らせる。

髄液検査

項目 基本的解釈
外観・圧 正常は無色透明。は細胞・蛋白増加、は血液分解産物などを示す。は体位・肥満・息こらえでも変動する。
細胞数・分画 成人正常は一般にWBC 0〜5/µL。は細菌性を示唆するが発症時期で変わり、リンパ球優位もウイルス性に限らない。
蛋白・糖・乳酸 蛋白上昇は非特異的。髄液糖は同時血糖との比で解釈し、低下は細菌・真菌・結核・悪性腫瘍など。乳酸は細菌性鑑別の補助。
微生物 Gram染色、培養、病原体別PCR/抗原。抗菌薬前採取が望ましいが、治療を遅らせない。
免疫・腫瘍 髄液特異的、IgG index、細胞診・などを目的に応じ追加する。

検体量と配分は疑う疾患と施設手順に合わせる。細胞数は時間とともに変化するため迅速に搬送する。血性穿刺とは、連続だけでなく、発症時刻、画像、を統合する。

合併症と術後管理

穿刺後頭痛、局所痛、出血、感染、一過性がある。穿刺後頭痛は起立で悪化し臥位で軽快する。「数時間平らに寝かせれば予防できる」という慣行には有効性がなく、通常の活動・飲水を個別に案内する。持続する重症頭痛では血液を検討する。

まとめ

  • 禁忌を確認し、を測定して目的別検体を迅速搬送する。
  • を疑う場合、穿刺や画像のために抗菌薬開始を遅らせない。
  • 非切断針は頭痛を減らすが、術後の長時間は予防にならない。