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Obstetrics · 35

妊娠中の胎児機能不全の検出

Detection of fetal jeopardy during pregnancy

前提:正常
心血管系:胎児循環胎児期と胎盤:胎盤と胎膜
画像所見
胎児中大脳動脈ドプラ

🧠 全体像:妊娠中のは、を組み合わせ、胎盤機能不全による低酸素リスクを評価する。単一検査の点数だけで帝王切開を決めず、妊娠週数、基礎疾患、を統合する。

目的と適応

は、検査異常後に分娩することで利益が期待できる高リスク妊娠に行う。開始時期・頻度は、異常なら分娩を考慮できる妊娠週数と病態の進行速度で個別化する。

主な適応 評価上の焦点
減少 急性低酸素、胎児睡眠、薬剤、羊水・発育
、羊水、NST/BPP
糖尿病 胎盤機能、発育、母体
、臍帯圧迫、胎盤機能
ドプラ
、既往など 原因と膜性に応じた個別監視

胎動評価

は妊婦本人がに認識できる重要な情報である。正常な回数にはがあり、すべての妊婦へ普遍的な「1時間10回」を強制する根拠はない。

  • 胎児ごとの通常パターンから明らかに減った、または感じないことを重視する。
  • 静かな姿勢で集中して数える方法には「2時間で10回」など複数の方式があり、施設の説明に従う。
  • の減少・消失をしたら翌日まで待たず、産科へ連絡して評価を受ける。
  • 家庭用ドプラで心拍を聞けても胎児健康は保証されない。

受診後は胎児心拍確認、NST、超音波による発育・を病歴と妊娠週数に応じて行う。

ノンストレステスト

子宮収縮をに起こさず、に伴う胎児心拍数(fetal heart rate:FHR)の加速をで記録する。仰臥位低血圧を避け、半座位またはで行う。

基本用語

項目 定義
10分区間で一過性変化を除いた平均。正常110〜160 bpm
1分あたりの振幅。消失、最小(≤5 bpm)、中等度(6〜25 bpm)、増加(>25 bpm)
加速 32週以降はより≥15 bpm上昇し≥15秒持続。2分未満
32週未満の加速 ≥10 bpm上昇し≥10秒持続

は10分区間で評価する。最小・消失の原因には胎児睡眠、鎮静薬・オピオイド、早産、低酸素・酸血症などがあり、単独で原因を断定しない。

判定

  • :通常20分以内に、基準を満たす加速が2回以上ある。
  • :40分まで延長しても基準を満たさない。胎児睡眠周期を考慮し、音響刺激を用いることがある。
  • は直ちに低酸素を意味せず、BPPなど追加評価を行う。

で中等度細変動があれば、その時点の重い酸血症の可能性は低い。一方、反復する、持続性徐脈、があれば反応性の有無にかかわらず緊急評価する。

羊水量

指標
<2 cm ≥8 cm
≤5 cm ≥24 cm

は比較的な胎盤・胎児を反映する。単独の測定値を、破水、、腎尿路異常、薬剤、糖尿病などの原因評価と結びつける。

生物物理学的プロフィール

NSTと超音波4項目を各0点または2点で評価し、合計10点とする。

項目 2点の代表基準
NST
胎児 30分内に30秒以上続くが1回以上
運動 30分内に体幹・四肢運動が3回以上
筋緊張 四肢・体幹の伸展から屈曲への復帰が1回以上、または手の
DVPが2 cm以上あることを一般的目安とする

解釈

点数 一般的解釈 対応の考え方
8〜10 羊水正常なら 良好 基礎疾患に応じ監視継続
6 妊娠週数により12〜24時間内再検または分娩
4以下 異常 妊娠週数、原因、母児状態を踏まえ分娩を強く検討

があれば合計点が良くても胎盤機能不全・破水などを評価する。0〜2点だけを理由に必ず「緊急帝王切開」とせず、急性イベント、妊娠週数、経腟分娩可能性を統合する。

修正版BPP(modified BPP)はNSTとを組み合わせる。NSTが急性状態、がより状態を反映するという考え方である。

ドプラ血流評価

臍帯動脈

主に抵抗を評価する。妊娠が進むと正常では拡張期血流が増える。

所見 意味・対応
PI/S-D比上昇 胎盤抵抗増加。発育・NST/BPPと合わせて監視頻度を上げる
重度胎盤機能不全。入院、頻回監視、妊娠週数別分娩を検討
さらに重篤。ステロイド、入院監視、早期分娩を検討

AEDV/REDVがあっても一律にその場で帝王切開とはせず、妊娠週数、、CTG、BPP、分娩方法を専門施設で統合する。

中大脳動脈など

子宮収縮負荷試験

自然収縮、乳頭刺激、またはオキシトシンで収縮を起こし、の有無をみる。現在はNST/BPPが広く用いられ、CSTの使用は限定的である。

判定 所見
陰性 十分な収縮があるが遅発・重大ななし
陽性 収縮の50%以上に
収縮不足または波形の質が不十分

早産、高リスクなど、収縮を起こすことが危険な場合は行わない。

まとめ

  • な普遍回数より、胎児ごとの通常パターンからの減少を重視し、減少時は速やかに評価する。
  • NSTは32週以降で15×15加速2回、32週未満では10×10を用い、は40分まで評価して追加検査へ進む。
  • BPPはNST、呼吸、運動、筋緊張、羊水の5項目で、点数だけでなく羊水、妊娠週数、基礎疾患を統合する。
  • は主にに用い、AEDV/REDVでは専門施設で監視と分娩時期を個別化する。