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Drug Atlas · B27 Uterotonics & tocolytics / 子宮作用薬 · 必修

オキシトシン

oxytocin

分類
Uterotonics & tocolytics / 子宮作用薬Pituitary & hypothalamic hormones / 下垂体・視床下部ホルモン
商品名(日本)
アトニン-O
商品名(EU)
Syntocinon
科目
Pharmacology
トピック
B27: Drugs acting on smooth muscles. Drugs influencing uterus contractionsB17: Thyroid and antithyroid drugs. Pituitary hormones. Hypothalamic hormones, hormonanalogs and antagonists
禁忌疾患
前置胎盤
副作用
低血圧
対象疾患
子宮内胎児死亡・過期妊娠常位胎盤早期剥離難産(陣痛異常・児頭骨盤不均衡)分娩後出血
原因となる疾患
子宮破裂

🧠 全体像:オキシトシンはホルモンでありながら、の枠組みではの原型として位置づけられる。オキシトシン受容体をさせてを収縮させるという単純明快な機序が、・促進からの予防・治療まで産科診療の随所で使われる理由になっている。この受容体を逆に塞ぐのがで、「オキシトシン↔」は作動薬・拮抗薬のペアとして必ずセットで問われる。

薬効群の中での位置づけ

は「子宮を収縮させるか、弛緩させるか」で大きく二分される。

分類 代表薬 機序 位置づけ
(受容体作動) オキシトシン ・促進、第一選択予防薬
(PG系) PGE2/PGE1誘導体→子宮収縮+ オキシトシンが無効・使用不能な
5-HT/α/DA部分作動→血管収縮+子宮収縮 歴史的な治療薬。現在は片頭痛薬として主に使用
(受容体拮抗) →子宮収縮↓ 早産の。オキシトシンの直接の対抗薬

オキシトシンとは同じ受容体を挟んで正反対に働く。 オキシトシンは「陣痛を起こす・強める」場面(誘発・促進・予防)で使い、は「陣痛を止める」場面(早産の)で使う——適応が完全に逆であることがこのペアの出題ポイントになる。

機序

flowchart TD
    A["オキシトシンが<span class='jp-term jp-term-diagram' title='uterine smooth muscle'>子宮平滑筋</span>の<br>オキシトシン受容体(Gq共役型)に結合"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='phospholipase C'>ホスホリパーゼC</span>活性化"]
    B --> C["IP3↑→<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sarcoplasmic reticulum'>筋小胞体</span>からCa²⁺放出"]
    C --> D["細胞内Ca²⁺↑"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='myosin light chain kinase (MLCK)'>ミオシン軽鎖キナーゼ</span>活性化"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='uterine smooth muscle'>子宮平滑筋</span>の収縮"]
    A --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='myoepithelial cell'>乳腺筋上皮細胞</span>の受容体も刺激"]
    G --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='milk ejection reflex'>射乳反射</span>(授乳時の乳汁放出)"]
    F --> I["妊娠末期は受容体密度が著増しており<br>少量でも強い収縮が起こる"]

💡 妊娠経過とともにオキシトシン受容体の発現が増えるため、同じ用量でも妊娠初期と分娩間近で反応がまったく違う。 ・促進で少量から漸増するのはこのため——受容体感受性が高い状態で急に高用量を投与するとを起こしやすい。

薬物動態

項目 値・特徴
IV(誘発・促進)、IM/IV(予防・治療)
数分と非常に短い(血中からの消失が速い)
代謝 等により速やかに分解される

半減期が数分と短いため、で用量を調整すれば効果の・消失が速く、が起きても中止すればすぐ収まるという管理のしやすさがある。

適応

用法・用量

IVで低用量から開始し、陣痛の強さ・頻度と胎児心拍を監視しながら漸増する。予防では分娩直後にIM/IVで投与する。の徴候があれば直ちに減量・中止する。 実際の用量・漸増レジメンは施設のプロトコルで細かく規定されているため、それに従う。

禁忌・注意

  • 禁忌、経腟分娩が不可能・不適な状況(など。・大量出血のリスク)
  • ⚠️ のリスク。 投与中は子宮収縮の頻度・強さと胎児心拍数を継続的に監視する
  • 大量・では作用(様作用との構造類似性)によるのリスクがある
  • 既往帝王切開・子宮がある患者への誘発・促進はリスクが上がるため慎重に判断する

副作用

頻度 内容
高頻度 子宮収縮の増強(だが過剰になりうる)
注意 低血圧(急速静注時)、
重篤・まれ による(大量・長時間投与時)

まとめ

  • オキシトシン受容体をさせを収縮させる、の原型。
  • ・促進、の予防・第一選択治療という産科診療の中核を担う。
  • は同じ受容体の拮抗薬で、適応(誘発 vs )が正反対のペアとして覚える。
  • 妊娠経過で受容体密度が増えるため、分娩間近ほど少量で強く効く。半減期が数分と短くしやすい。
  • や経腟分娩不適例は禁忌。・胎児心拍への継続監視が必須。
  • 大量投与では作用によるに注意する。