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Disease Atlas · 腎・泌尿器 · 先天性疾患

尿管瘤

Ureterocele

別名
ureteral cyst
臓器系
腎・泌尿器小児
科目
UrologyMicroscopic Anatomy and Embryology (Embryology)
トピック
泌尿器科学 U-02:腎臓・尿管・膀胱の発生異常泌尿生殖器系:臨床
合併症
尿路感染症膀胱尿管逆流
症状
側腹部痛排尿時痛
画像所見
水腎症
元疾患
重複腎盂尿管

🧠 全体像:は、尿管遠位端(膀胱内に開口する部分)のである。単一系腎にも生じるが(膀胱内型に多い)、⭐ 全症例の80%はの尿管に合併する——のページで扱ったWeigert-Meyer則のとおり、尿管の口はより尾側・内側の異常な位置に落ち着くため、そこに膜状の閉塞()と異所開口が生じやすい。「上は詰まる」の具体的な現れがである1。

分類

⭐ 膀胱内型か異所性型か、単一系か重複系かの2軸で整理する1。

型 開口位置 好発する腎系 特徴
膀胱内型 膀胱内に留まる 単一系腎に多い ・非閉塞型に細分される
異所性型 ・尿道など膀胱外へ及ぶ 重複系の尿管に多い 括約筋型・括約筋・型・盲嚢様に細分される

重複系のに生じるの約60%が異所性型である1。

重複腎盂尿管との関連

が2本別々に出芽する完全重複では、共通のアポトーシスに伴うの再配置(Weigert-Meyer則)により、頭側で早く出芽した尿管の口がより尾側・内側の異常なに落ち着く23。この異常な位置と、の走行異常が部の膜状狭窄・=の土台になる。⚠️ 逆方向の尿管は逆の帰結をたどる——口がより頭側・外側に留まり膀胱壁を貫く距離が短くなるため、ではなくを来しやすい。重複系でが生じた場合、同側のには約50%でを合併する——の閉塞との逆流は独立した現象ではなく、同じ発生学的機序(の再配置)の表と裏である1。

疫学

  • は約1/500〜4,000人1。
  • 女性が男性の4〜6倍多い1。
  • 左側優位。両側性は全の約10%1。

臨床像

⚠️ 年齢層で症状の出方が違う。 新生児・小児では・反復性または早期の尿路感染症・尿敗血症・水腎症・を来しやすい一方、成人では無症状のことも、側腹部痛・尿石症・反復性尿路感染症・慢性腹痛を来すこともある1。乳児の・尿路敗血症として偶発的に発見されることも多い。

診断

検査 役割
超音波 第一選択。膀胱内の嚢胞性で限局した円形腫瘤として描出され、膀胱が部分的に充満した時に最も見やすい1
(VCUG) 生後4〜6週に実施し、との形状を評価する。特徴的な「コブラ頭」を呈する1
レノグラム 生後3か月に実施し、(とくにの)腎機能と閉塞の程度を評価する1
(MRU) 複雑な重複パターンやに伴う尿失禁の評価に有用1

治療

⭐ 無症状・非閉塞であれば治療は不要なことが多い1。

  • 内視鏡的穿刺:症候性やに適応される第一選択で、膀胱内型では90%超の根治率が得られる。⚠️ ただし異所性型では25〜30%にとどまる——重複系に伴うの多くが異所性型であることを踏まえると、内視鏡的穿刺だけで根治する保証は低い1。
  • 術:尿管の高度逆流や、機能が保たれている場合に推奨される1。
  • 部分:機能が10%以下まで低下している場合に適応される1。

まとめ

  • は尿管遠位端の膜状・で、80%がのに合併し、そのうち約60%が異所性型。
  • 発生学的には、Weigert-Meyer則によるの異常な再配置(より尾側・内側)が形成の土台になる。同側には約50%でを合併する。
  • 新生児・小児では・反復・尿敗血症・水腎症、成人では無症状〜側腹部痛・尿石症・反復を来す。
  • 診断は超音波(第一選択)→VCUG(コブラ頭)→レノグラム→必要に応じMRU。
  • 治療は無症状・非閉塞なら経過観察。内視鏡的穿刺は膀胱内型で90%超根治するが異所性型では25〜30%。逆流・機能温存例には術、機能10%以下なら部分。

出典

  1. 1.Ureterocele(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2023)既存id・claimを再利用(diseases/duplicated-collecting-system.mdの出典と同一)。尿管瘤が尿管遠位膜内部分の嚢胞状拡張を特徴とする先天異常で症例の80%が重複腎盂尿管系の上極に影響を及ぼすこと、重複システムの上極に影響する尿管瘤の約60%が異所性型であること、重複システムでは同側の下極に膀胱尿管逆流を合併するのが約50%であること、全体の発生率が約1/500〜4,000人で女性が男性の4〜6倍多く左側優位で両側性は全尿管瘤の約10%であること、分類が膀胱内型(狭窄型・非閉塞型、単一系腎に多い)と異所性型(括約筋型・括約筋狭窄型・盲端型・盲嚢様、重複システムでより多い)であること、新生児・小児では発育不良・反復性または早期の尿路感染症・尿敗血症・水腎症・排尿障害を来し成人では無症状のことも側腹部痛・尿石症・反復性UTI・慢性腹痛を来すこともあること、診断は超音波(膀胱内の嚢胞性で限局した円形腫瘤、膀胱が部分的に充満した時に最良)・排尿時膀胱尿道造影(生後4〜6週に実施し膀胱尿管逆流と尿管瘤の形状を評価し「コブラ頭サイン」を呈する)・MAG3レノグラム(生後3か月に実施し腎機能と閉塞を評価)・MRU(複雑な重複パターンと異所性尿管関連の尿失禁の評価に有用)で行うこと、無症状・非閉塞例は治療不要のことが多く内視鏡的穿刺は症候性尿管瘤・膀胱頸部閉塞に適応され膀胱内型で90%超の根治率だが異所性型では25〜30%にとどまること、下極の重度逆流や上極機能が保たれる場合は尿管再植術が推奨され上極機能が10%以下なら部分腎摘除術が適応となることを確認した(2023年10月12日最終更新)。閲覧 2026-09-07
  2. 2.Duplex kidney formation: developmental mechanisms and genetic predisposition(F1000Research・2020)既存id・claimを再利用(diseases/duplicated-collecting-system.mdの出典と同一)。共通中腎管のアポトーシスに伴う尿管口の再配置により、当初前方に位置していた上極尿管の口がより遠位(尾側)の挿入部位に落ち着くこと(Weigert-Meyer則の機序)を確認した。閲覧 2026-09-07
  3. 3.Pathophysiology of Congenital Anomalies of the Kidney and Urinary Tract: A Comprehensive Review(Cells・2024)既存id・claimを再利用(diseases/duplicated-collecting-system.mdの出典と同一)。Europe PMC(PMC11593116)で全文を確認した。重複腎盂尿管について「Multiple ureters are thought to arise after duplication of the ureteric bud」「In the event that two ureteral buds develop, a duplicate collection system forms」と記されることを確認した。閲覧 2026-09-07