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Drug Atlas · B20 Bone metabolism drugs / 骨代謝薬 · 必修

アバロパラチド

abaloparatide

分類
Bone metabolism drugs / 骨代謝薬
商品名(日本)
オスタバロ
商品名(EU)
Eladynos
科目
Pharmacology
トピック
B20: Agents affecting bone mineral homeostasis (calcium, vitamin D, parathyroid hormone, calcitonin, etc.)
承認適応
骨粗鬆症
禁忌疾患
骨のパジェット病
監視検査値
カルシウム

🧠 全体像:はと同じ(薬)でありながら、狙う受容体は同じPT(PTH1R)でも、出発点がではなくPTHrP(関連蛋白)であるという違いを持つ「第2世代」の位置づけの薬である。PTHrP由来の配列に改変を加えることでPTの中でも特定の構造(持続的なシグナルを起こしにくい)への親和性を高めており、この設計が「より高Ca血症を起こしにくい」という臨床上の違いにつながっているとされる。骨形成促進という作用の性質自体はと共通するため、位置づけ・適応・投与期間の考え方は基本的にに準じる。

薬効群の中での位置づけ

(薬)はの中でも・・の3剤に限られ、いずれもより優先して使う場面がある(アナボリック・ファーストの考え方。詳細は骨粗鬆症の項を参照)。

薬剤 由来分子 標的 特徴
(1-34) PT 骨形成促進のみ。も遅れて上昇するため純粋なではない
PTHrP(1-34)由来の改変ペプチド PT と同じ受容体を狙うが、より高Ca血症を起こしにくいとされる1

⭐ 同じ受容体を狙う薬でも「どちらのホルモンに由来するか」で細胞応答のパターンが変わりうる。 とはいずれもPTを刺激するが、はPTHrP由来の配列を持つため、受容体の中でも持続的なシグナルを起こしにくい構造への親和性がより高いとされ、これが高Ca血症の起こりにくさに関連すると考えられている。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='abaloparatide'>アバロパラチド</span>(PTHrP由来の改変ペプチド)を<br>1日1回皮下注(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intermittent administration'>間欠投与</span>)"] --> B["骨芽細胞のPT<span class='jp-term jp-term-diagram' title='H1 receptor'>H1受容体</span>を刺激"]
    B --> C["骨芽細胞のアポトーシス抑制+<br>前駆細胞からの分化促進"]
    C --> D["骨形成が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bone resorption'>骨吸収</span>を上回る(正味で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='anabolic'>同化</span>)"]
    B -.->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='teriparatide'>テリパラチド</span>より持続的な<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='cyclic adenosine monophosphate'>cAMP</span>シグナルを起こしにくい"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bone resorption'>骨吸収</span>動員・高Ca血症が<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='teriparatide'>テリパラチド</span>より起こりにくい"]

💡 「で、持続的高値で」という系ホルモンの原則はと共通する(詳しい機序の説明はの項を参照)。に固有なのは、その先の受容体への結合パターンの違いである。

適応

領域 使いどころ
骨粗鬆症 骨折の危険性の高い骨粗鬆症。米国では非常に高い骨折リスクの患者が対象2、日本では「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」として承認されている3

用法・用量

⚠️ 投与期間の上限が国によって異なる。 米国添付文書は「生涯2年(24ヵ月)を超える使用は評価されておらず推奨されない」とする2のに対し、日本の添付文書は1日1回80μgの皮下注射で投与期間を18ヵ月までと定め、18ヵ月の投与終了後に再度18ヵ月の投与を繰り返さないこととしている3。実際の用量・投与期間は各国の添付文書・施設のプロトコルで確認する。終了後はへ切り替えて得られた骨量を維持する。

禁忌・注意

  • 禁忌(日本の添付文書):の患者、・原因不明の上昇・未閉鎖の小児・骨への放射線治療歴といったリスクが高い患者、原発性の悪性骨腫瘍またはのある患者、骨粗鬆症以外の原因による代謝性骨疾患(等)のある患者、妊婦または妊娠可能性のある女性、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者3
  • ⚠️ 重大な副作用としてアナフィラキシー(頻度不明)が日本の添付文書に記載されている3
  • 米国添付文書にはは無く、は「および使用上の注意」の項で高リスク患者を避けるという形で扱われている2
  • 終了後は必ずに切り替える。で得た骨量は後続薬なしでは徐々に失われる(と共通の注意点)

副作用

頻度 内容
注意 (より起こりにくいとされる)1
重篤・まれ アナフィラキシー(頻度不明)3、(ヒトでのリスク増加は市販後データで否定的、の項を参照)

まとめ

  • はPTHrP(1-34)由来の改変ペプチド。と同じPTを狙う(薬)。
  • 受容体への結合パターンの違いにより、よりを起こしにくいとされる。
  • 骨折の危険性の高い骨粗鬆症が適応。用法は1日1回80μgの皮下注射。
  • ⚠️ 投与期間の上限が国で異なる:米国は生涯2年まで、日本は18ヵ月まで(18ヵ月終了後の再投与も不可)。
  • 日本の添付文書には重大な副作用としてアナフィラキシーが記載されている。
  • ・原因不明の上昇・リスクの高い患者には禁忌。終了後はへ切り替える。

出典

  1. 1.Profile of Abaloparatide and Its Potential in the Treatment of Postmenopausal Osteoporosis(Cureus・2017)アバロパラチドの薬理レビュー。アバロパラチドはPTH1受容体(PTHR1)を選択的に活性化する合成34アミノ酸ペプチドで、抄録で確認した。テリパラチドと比較して低い程度の高カルシウム血症で、良好な安全性・忍容性プロファイルを持つとされる。推奨用量は1日1回80μgの皮下注射で、臨床試験では椎体骨折を約86%、非椎体骨折を約43%減少させたと報告されている。閲覧 2026-09-16
  2. 2.TYMLOS (abaloparatide) injection, for subcutaneous use - Prescribing Information(DailyMed (U.S. National Library of Medicine) / Radius Health, Inc.・2026)現行の米国添付文書(Revised 8/2026)を確認した。枠組み警告は置かれておらず、骨肉腫はテリパラチドと同じ形式で「警告および使用上の注意 5.2」に移されている。用法・用量の「2.3 Treatment Duration」は "The safety and efficacy of TYMLOS have not been evaluated beyond 2 years of treatment. Use of the drug for more than 2 years during a patient's lifetime is not recommended." と記載し、テリパラチドのような「高リスクが持続・再燃していれば2年超も考慮しうる」という条件付きの表現にはなっていない。⚠️ 枠組み警告が2021年に解除されたという時期については、この添付文書からは確認していない。閲覧 2026-09-05
  3. 3.オスタバロ皮下注カートリッジ1.5mg 添付文書(医薬品医療機器総合機構(PMDA)/ 帝人ファーマ株式会社・2026)現行の日本の添付文書(2026年7月改訂・第6版)を確認した。効能・効果は「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」。用法・用量は「通常、成人には1日1回アバロパラチドとして80μgを皮下に注射する。なお、本剤の投与は18ヵ月間までとすること」で、18ヵ月の投与終了後に再度18ヵ月の投与を繰り返さないこととされている。米国の「生涯2年(24ヵ月)まで」という上限とは投与期間の年限が異なる。禁忌は6項目——(1)高カルシウム血症の患者、(2)骨肉腫リスクが高い患者(骨ページェット病・原因不明のアルカリホスファターゼ高値・骨端線未閉鎖の小児・過去の骨への放射線治療歴)、(3)原発性の悪性骨腫瘍または転移性骨腫瘍のある患者、(4)骨粗鬆症以外の原因による代謝性骨疾患(原発性副甲状腺機能亢進症等)のある患者、(5)妊婦または妊娠可能性のある女性、(6)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。重大な副作用として頻度不明のアナフィラキシーが記載されている。閲覧 2026-09-16