薬剤ノート一覧へ

Drug Atlas · C6 Antivirals / 抗ウイルス薬

フォステムサビル

fostemsavir

分類
Antivirals / 抗ウイルス薬
商品名(EU)
Rukobia
科目
Pharmacology
トピック
C6: Antiretroviral agents
標的微生物
HIV-1
副作用
下痢

🧠 全体像の中でも最も上流、gp120がCD4に結合する最初の一歩を止めるである。血中で速やかに活性体テムサビルへ変換されるであり、gp120のCD4結合部位と重ならない独自の部位に結合するため、他のクラス(NRTI・NNRTI・INSTI・PI・他の)に耐性を持つウイルスにもなお活性を保つことが多い。この「他クラスとのがほぼない」という性質が、多剤耐性HIVで選択肢が尽きかけた患者に対する最後の砦としての価値を作っている。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fostemsavir'>フォステムサビル</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='prodrugs'>プロドラッグ</span>)"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='plasma esterase'>血漿エステラーゼ</span>により加水分解"]
    B --> C["活性体テムサビルに変換"]
    C --> D["gp120に結合し<br>CD4結合に必要な<span class='jp-term jp-term-diagram' title='conformational change'>構造変化</span>を固定"]
    D --> E["gp120がCD4へ結合できない"]
    E --> F["侵入カスケードの最初の一歩<br>(付着)が起こらない"]

💡 が効くのは「の選択肢が尽きたとき」に限られない。 gp120の中でも他クラスや広域が標的にする部位と異なる面を狙うため、多剤耐性HIVでもなお活性を保つ確率が高く、それが「最終手段」としての価値の根拠になっている。

薬物動態

項目 値・特徴
剤形 経口錠。割る・砕くと放出パターンが崩れるため不可
変換 による加水分解が速く律速にならない
代謝 一部CYP3A4を介する(ほど強力ではないが相互作用に注意)
排泄 腎・肝の両方の経路が関与

適応

多剤耐性HIV-1感染で、治療歴が非常に多く、安全かつ有効なレジメンを組むのが困難な成人(heavily treatment-experienced)に、他の活性なと併用する。単独で機能的モノセラピーとして使うと急速に耐性が生じるため、必ず他に少なくとも1剤は活性が期待できる薬と組み合わせる。

用法・用量

1回600mgを1日2回、としてする。割る・砕く・噛み砕くことはしない。実際の用量・併用レジメンは施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • ⚠️ 単独では機能的モノセラピーになり得る。 レジメン全体で他に活性な薬剤を確保したうえで併用する
  • ⚠️ QT延長の報告があり、QT延長のリスクを持つ患者・併用薬がある場合は注意する
  • CYP3A4を介した相互作用があり、強い・阻害薬との併用は血中濃度に影響する
  • 💡 治療反応の指標としてCD4数が、ウイルス量の抑制に先行して大きく回復することがで観察されている

副作用

頻度 内容
高頻度 悪心、下痢、頭痛
注意 QT延長、
重篤・まれ 、重度の肝毒性

まとめ

  • の中で最も上流、gp120-CD4結合そのものを止める唯一の
  • 活性体テムサビルへ変換される。他クラスとのが乏しく、多剤耐性HIVでも活性を保ちやすい。
  • のため割らずに服用し、必ず他に活性な薬剤と併用する(単独では耐性が急速に生じる)。
  • 対象は治療歴が非常に多い成人の多剤耐性HIV感染に限られる、狭いが重要なの選択肢。
  • 全体の中では(CCR5結合)・)よりさらに上流を狙う。