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Drug Atlas · A17 Hypnotics / 睡眠薬 · 必修

タシメルテオン

tasimelteon

分類
Hypnotics / 睡眠薬
商品名(EU)
Hetlioz
科目
Pharmacology
トピック
A17: Non-benzodiazepine anxiolytics and non-benzodiazepine hypnotics
承認適応
非24時間睡眠覚醒障害
副作用
頭痛日中傾眠

🧠 全体像:は・と同じMT1/MT2受容体作動薬でありながら、狙う患者集団がまったく違う。「を光で合わせる手段(網膜→の経路)そのものを持たない」という、他のでは原理的に対応できないに特化した薬である。適応の狭さが弱点ではなく、この薬の存在理由そのものになっている。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 由来・性質 主な適応 位置づけ
内因性ホルモンそのもの 55歳以上の不眠、 汎用的な補正
合成() (成人一般) 汎用的なへの対応
合成(MT2にやや選択的) (特に) 光によるが構造的に不可能な患者専用

⭐ のが「非24時間」にずれていく理由を理解すると適応が腑に落ちる。 光を感知する(含有)が機能しないと、は外界のとできず、ヒト固有の(約24.2時間)のまま自走してしまう。その結果、睡眠・覚醒のタイミングが日々少しずつ後ろへずれる「」が生じる。は光の代わりに受容体を毎日同じ時刻に刺激することでを24時間周期に引き戻す。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='total blindness'>全盲</span>:網膜からの光情報が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='suprachiasmatic nucleus'>視交叉上核</span>(SCN)に届かない"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='circadian clock (internal body clock)'>体内時計</span>が外界の24時間周期と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='entrainment'>同調</span>できない"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='endogenous circadian period'>内因性周期</span>(約24.2時間)のまま自走→睡眠時間帯が毎日<span class='jp-term jp-term-diagram' title='retraction'>後退</span>"]
    D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tasimelteon'>タシメルテオン</span>を毎日同時刻に服用"] --> E["MT1/MT2受容体(Gi共役型)を刺激"]
    E --> F["光の代わりにSCNへ「今が夜」の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='entrainment'>同調</span>シグナルを与える"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='circadian clock (internal body clock)'>体内時計</span>を24時間周期へ再<span class='jp-term jp-term-diagram' title='entrainment'>同調</span>"]

💡 「毎日同じ時刻」に服用する意味は薬理学的必然。 シグナルとして使う以上、投与タイミングがずれると効果そのものが崩れる。効果判定にも数週間単位の時間がかかる(はゆっくりとしか動かないため)。

薬物動態

項目 値・特徴
食事の影響 で吸収が遅延・変化するため、食事の近くでの服用は避ける
代謝 主にCYP1A2とCYP3A4で1
半減期 約1.3時間1(短い)

適応

(特に)。に伴う夜間睡眠障害にも適応があり、米国では16歳以上(は3〜15歳)が対象である1(同症候群では分泌の日内パターンが本来と逆転している)。

用法・用量

PO(就寝1時間前の毎日同じ時刻に服用し、食事の近くでの服用は避ける)。⭐ この薬では用量より投与時刻が治療の本体である。 目安:1日1回20 mg1。実際の用量・タイミングは施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:本剤への過敏症
  • など強力な阻害薬との併用で血中濃度が上昇しうる
  • 肝障害では代謝が遅延するため慎重投与
  • 効果判定には数週間を要するため、短期間で中止判断をしない

副作用

頻度 内容
高頻度 頭痛、
注意 異常な夢、
重篤・まれ 過敏症反応。乱用性・依存性はほぼ報告されていない

まとめ

  • MT1/MT2受容体作動薬。他の系薬と異なり、光によるのが構造的に不可能なに特化する。
  • では網膜からSCNへの光情報が届かず、のままが自走し「」を来す。
  • 光の代わりに毎日同時刻のMT1/MT2刺激でを再させる、という作用機序が投与法(毎日同時刻)に直結する。
  • 主にで代謝され、など強力な阻害薬との併用に注意する。
  • 一部の国ではの夜間睡眠障害にも適応がある。
  • 効果判定に数週間かかるため、短期間で中止しない。

出典

  1. 1.HETLIOZ (tasimelteon) capsules / HETLIOZ LQ oral suspension — Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration / Vanda Pharmaceuticals・2026)適応が成人の非24時間睡眠覚醒障害と16歳以上のSmith-Magenis症候群に伴う夜間睡眠障害(経口懸濁液は3〜15歳の小児)であること、成人の推奨用量が就寝1時間前に毎日同じ時刻へ20 mgであること、消失半減期の平均が1.3±0.4時間であること、代謝の主要酵素がCYP1A2とCYP3A4であることを、openFDAが返す最新版(effective_time 2026-08-04)の添付文書本文で確認した閲覧 2026-09-03