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Drug Atlas · A3 Anticholinergics / 抗コリン薬 · 必修

トロピカミド

tropicamide

分類
Anticholinergics / 抗コリン薬
商品名(日本)
ミドリンM
商品名(EU)
Mydriacyl
科目
Pharmacology
トピック
A3: Muscarinic receptor blocking drugs
禁忌疾患
閉塞隅角緑内障
副作用
羞明口腔乾燥頻脈
影響検査値
眼圧

🧠 全体像は点眼用の中で最も短時間(数時間)で切れる薬で、この速さゆえに日常ので最も頻用されるになっている。の長いとは「検査後すぐに見え方が戻ってほしいか、しっかり調節を止めたいか」という目的の違いで使い分ける。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 作用発現 作用持続 主な使いどころ
速い(20〜30分) 短時間(4〜8時間) 日常の
やや遅い 中時間(約24時間) 小児のをしっかりかけたい場合)
(点眼) 遅い 長時間(数日〜1週間以上) ぶどう膜炎のには使わない

成人のでほぼ第一選択になるのは、検査後数時間で視力・が回復し日常生活への影響が少ないから。 の確実性を重視する小児科的な場面ではに譲る。

機序

点眼後に角膜を透過し、を拮抗する。副交感神経支配が外れることでは弛緩し()、も弛緩したまま固定される()——と機序は完全に同じで、分子の脂溶性・受容体からの解離速度だけがの違いを生む。

薬物動態

項目 値・特徴
経路 点眼
濃度 0.5%(快適性重視、若年者向け)・1%(が得にくい症例、の色素が濃い眼など)。国内のミドリンM点眼液は0.4%の単剤12
作用発現 20〜30分(とも)1
作用持続 は4〜8時間で消退し、完全な回復に24時間を要することがある。は4〜10時間持続する1
特徴 の中でもが最短の部類

適応

眼科検査のための前のなど)。💡(α1作動薬による)との配合点眼薬もよく使われ、の弛緩)と交感神経刺激(の収縮)を組み合わせてより確実なを得る。

用法・用量

点眼で検査前に1〜2滴、効果不十分なら5分後に追加する。実際の滴数・追加投与のタイミングは施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌(狭隅角・が浅いなどの素因がある眼を含む)、過敏症2
  • 隅角が狭い患者ではにより上昇のリスクがあるため、事前の隅角評価が望ましい
  • ⚠️ 禁忌の実体は「緑内障」という診断名そのものではなく、を起こしうる狭隅角・という解剖学的リスクである。 は禁忌に当たらず、診断的なを避ける理由にはならない1
  • ⭐ 診断目的の1回の投与で急性閉塞隅角発作が実際に誘発される頻度は推定0.03%とまれで、高リスク患者(高齢・アジア系など狭隅角の素因がある例)に限りでの事前評価や、僚眼への予防的を検討する3
  • 小児・新生児での注意スクリーニングなど新生児でのでは、成人より・発熱・便秘・頻脈などの全身性が出やすく、配合点眼を併用する場合は・不整脈のリスクも加わる。心肺停止に至った重篤例の報告もあり、や心血管リスクのある高齢者では特に注意する1

副作用

頻度 内容
高頻度 点眼時の一過性刺激感、
注意
重篤・まれ の誘発(狭隅角眼)

まとめ

  • 点眼用の中で最もが短い(4〜8時間)
  • 機序は点眼と同じ拮抗で、の違いは分子の性質による。
  • 作用が速く回復も早いため、成人ので最も頻用される。
  • との配合で、抗コリン+交感神経刺激の二重作用によるもよく使われる。
  • の確実性が必要な小児のではに譲る。
  • 禁忌は(狭隅角・)に限られ、は禁忌ではない。 診断的で実際に発作が誘発される頻度は推定0.03%とまれである一方、高リスク眼では事前の隅角評価が望ましい。
  • 新生児・小児でのは全身性(口渇・頻脈など)が成人より出やすく、ROPスクリーニングなどでは注意を要する。

出典

  1. 1.Tropicamide(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2023)散瞳の作用発現20〜30分・持続4〜8時間(完全回復に24時間を要することがある)、調節麻痺は4〜10時間持続すること、0.5%は快適性重視・1%は散瞳が得にくい症例(虹彩色素が濃い眼など)向けであること、小児・高齢者は全身性抗コリン作用(口渇・発熱・便秘・頻脈・頭痛)が出やすいこと、開放隅角緑内障患者への散瞳を懸念する声は多いが高リスク群の複数研究で実際の閉塞隅角発症は低頻度であることを確認した閲覧 2026-08-03
  2. 2.Medication-Induced Acute Angle-Closure Glaucoma(American Academy of Ophthalmology (EyeNet Magazine)・2020)診断目的の散瞳投与で急性閉塞隅角発作が起こる頻度は推定0.03%とまれであること、高リスク患者(高齢・アジア系など狭隅角の素因)にはゴニオスコピーでの隅角評価や予防的レーザー虹彩切開術を検討すべきことを確認した閲覧 2026-08-03
  3. 3.ミドリンM点眼液0.4% 添付文書(参天製薬(添付文書。KEGG MEDICUS 収載版を参照)・2022)禁忌が「緑内障及び狭隅角や前房が浅いなどの眼圧上昇の素因のある患者(急性閉塞隅角緑内障の発作を起こすおそれがある)」と規定され、効能・効果は「診断又は治療を目的とする散瞳と調節麻痺」、用法は散瞳が1日1回1〜2滴・調節麻痺が3〜5分おき2〜3回1滴であることを確認した閲覧 2026-08-03