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Imaging findings · Published

コークスクリュー食道

Corkscrew esophagus

別名
らせん状食道数珠状食道rosary bead esophagus
臓器系
消化器
科目
Internal MedicineSurgery
トピック
内科学 L-44:胃食道逆流症・嚥下障害の鑑別外科学 B/06:食道憩室とアカラシア
関連疾患
アカラシア

🧠 全体像は、が同期しない同時収縮を起こし、内腔が多数の分節に区切られてに見える所見である。この像自体は運動異常の間接所見であって確定診断ではない。造影という一時点のスナップショットが「で同時収縮が起きている」ことを示すにとどまり、それがか、III型か、かは造影だけでは区別できない。確定診断はが担うという「所見→精密検査」の順序を軸に理解する。

定義

で、の広い範囲にわたりが起こり、内腔が多数の輪状分節に区切られて、・コイル状・様に描出される所見を指す。強く協調を欠いた収縮が食道壁をし、内腔をねじれ・くびれさせることで生じる1

分節化やらせんの巻き数を精密に測定してとして使う運用はなく、軽度の分節化から強いまで、いずれも「で同時収縮が起きている」という同じ現象を表す所見として扱う。造影は検査時点の一断面にすぎず、症状が強くても撮影のタイミングで同時収縮が起きていなければ写らない。

対応する病態

この所見は複数のに共通して現れうる。造影像だけではどの病態かを鑑別できず、確定診断には高内圧検査によるが必要である。

病態 HRM上の特徴
(DES) の弛緩は正常な背景で、嚥下の20%以上に早期収縮(4.5秒未満、かつDCI 450 mmHg・s・cm超)を認める。DCIの条件を落とすと、収縮の弱いまで早期収縮に数えてしまう2
III型 の上昇に加え、嚥下の20%以上で早期収縮を認め、蠕動が完全に消失している2
個々の収縮そのものが過大(DCI高値)である点がDESと異なるが、造影上はに重なって見えることがある

⚠️ らせんの明瞭さや分節の数から病型を読み分けようとしない。 「所見→HRM→」という順序を飛ばして造影だけでを決めてはならない。

モダリティと写り方

役割・写り方
様の分節化を描出する。間欠的な所見で、撮影時にたまたま同時収縮が起きていないと写らない
所見ではなく圧そのものを測る確定診断の検査。早期収縮の有無・(DL)・(DCI)での病型へ分類する2
内視鏡 造影所見の解釈より先に行う。・悪性腫瘍・など粘膜病変を除外する役割で、運動異常そのものは評価できない1
CT 役割は限定的。食道壁肥厚や周囲臓器との関係を見る補助にとどまり、運動異常の一次評価には用いない

⚠️ の検出において感度0.69・特異度0.50にとどまり、単独のとしては不十分とされる。造影とHRMは代替関係ではなく補完関係にあり、確定診断はHRM側に委ねる3

評価の進め方

が評価の入り口になる。

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dysphagia'>嚥下困難</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='noncardiac chest pain'>非心臓性胸痛</span>"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='upper gastrointestinal endoscopy'>上部消化管内視鏡</span>で<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='organic (structural, as opposed to functional)'>器質的</span>疾患を除外"]
    B --> C{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='organic (structural, as opposed to functional)'>器質的</span>病変があるか"}
    C -->|"あり"| D["原因病変の治療へ"]
    C -->|"なし"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='barium esophagography'>バリウム食道造影</span>"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='HRM'>高解像度食道内圧検査</span>"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Chicago Classification version 4.0'>シカゴ分類v4.0</span>で病型を確定"]
    G --> H["病型に応じた治療へ"]

⚠️ 所見が明瞭でないことは、運動異常の否定にはならない。 症状があっても撮像のタイミング次第で同時収縮を捉え損ねることがあり、臨床的疑いが強ければ造影が陰性でもHRMへ進む。逆に無症候の高齢者でも非特異的な同時収縮が写ることがあり、症状を伴わない所見だけで治療を急がない。内視鏡による疾患の除外は、造影所見の解釈より必ず先に行う。

紛らわしいもの

類似所見 見分けるポイント
加齢に伴う非特異的な 無症候の高齢者でも軽度の収縮が写ることがあり、この所見単独で病的とは判断しない
でみられる輪状構造 でみられるの固定したで、収縮の瞬間を捉えた動的ならせん像とは性質が異なる。内視鏡での生検が鑑別の決め手になる
同じ「コークスクリュー」という語を使うが、対象は十二指腸〜で、緊急手術を要するの所見である(好発は乳児だが年長児・成人にも起こる)。臓器・上の意味がまったく異なる別概念であり、混同しない
検査手技による 造影剤量不足や体位不良でも分節化して見えることがあり、単回の造影所見だけで運動異常と即断しない

まとめ

  • は、の同期しない同時収縮により上でに見える所見で、検査時点のスナップショットにすぎない。
  • 単独では確定診断にならない間接所見で、のいずれも同じような像を示しうる。
  • 確定診断はが担う。造影の感度・特異度は高くなく、単独のスクリーニングには不十分。
  • 評価の入り口は内視鏡による疾患の除外であり、造影所見の解釈より先に行う。
  • 所見が陰性でも運動異常を否定できず、逆に無症候の高齢者にも非特異的な所見が写りうる。
  • とは、臓器・年齢層・が異なるまったく別の所見である。

出典

  1. 1.Diffuse Esophageal Spasm(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2023)コークスクリュー食道・rosary bead esophagusが異常な食道収縮による区画化・ねじれを反映するバリウム造影上の典型像であり単独では確定診断にならないこと、内視鏡と造影が炎症性・腫瘍性変化の除外に用いられること、びまん性食道痙攣の診断基準が同時収縮の頻度基準から高解像度内圧検査による早期収縮・遠位潜時4.5秒未満へ変わったことを確認した閲覧 2026-08-04
  2. 2.Esophageal motility disorders on high-resolution manometry: Chicago classification version 4.0(Neurogastroenterology & Motility・2021)びまん性食道痙攣の診断基準(早期収縮20%以上かつ遠位収縮積分DCI 450 mmHg・s・cm以上、遠位潜時4.5秒未満)、アカラシアIII型が統合弛緩圧異常に加え早期収縮を20%以上の嚥下で認め蠕動が完全に消失している状態と定義されること、バリウム食道造影(TBE)が高解像度内圧検査で確定診断が得られない場合の補助的な支持検査として位置づけられることを確認した閲覧 2026-08-04
  3. 3.ACG Clinical Guidelines: Clinical Use of Esophageal Physiologic Testing(American College of Gastroenterology・2020)バリウム食道造影が食道運動障害の検出において感度0.69・特異度0.50にとどまりスクリーニング検査としては不十分であること、高解像度食道内圧検査(HRM)を従来法より優先して推奨し両検査は代替ではなく補完関係にあることを確認した閲覧 2026-08-04