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Imaging findings · Published

ポイントオブケア超音波

Point-of-care ultrasound

別名
POCUSベッドサイド超音波
臓器系
全身循環器呼吸器
科目
Intensive Therapy and AnesthesiologyPulmonology and Thoracic Surgery
トピック
麻酔・集中治療 B-12:麻酔・集中治療における超音波の役割呼吸器内科 06:胸痛呼吸器内科 07:呼吸困難
関連疾患
循環性ショック(心原性・循環血液量減少性・閉塞性・血液分布異常性)

🧠 全体像:()は、包括的なを縮めたものではない。主治医が「があるか」「はあるか」という二値の臨床疑問をひとつ決めてから当て、その場の処置を変えるために使う検査である。が返すのは診断名ではなく次の行動——減圧するか、輸液を止めるか、正式な画像検査へ送るか——であり、包括的心エコーや造影CTを置き換えるものではない。

所見の定義

と呼べるのは、次の4条件を満たす使い方である。

条件 意味
が主治医 撮る人と治療を決める人が同じ。レポートを待たない
目的が限定 検査前に臨床疑問を1つ決める。網羅的にして「異常探し」をしない
ベッドサイド 患者を検査室へ動かさない。蘇生と並行できる
反復可能 輸液・減圧・ドレナージのあとに当て直し、変化で効果を判定する

⚠️ 「陰性だから正常」ではない。 決めた臨床疑問に答えただけであって、していない領域については何も言っていない。

部位ごとに何を見るか

領域 主な所見 変えられる行動
心臓 との拡張期虚脱、、 、輸液の可否、血栓溶解の判断
肺・胸膜 、Aライン、、、胸水、 胸腔減圧、利尿薬か輸液か、ドレナージ
腹腔 肝腎境界・脾腎境界・の遊離液(eFAST) 緊急開腹、へ送るか
血管 と、、大腿・の圧迫法 の推定、の検出

急性呼吸不全での読み方

はの所見の組み合わせで病態を分ける。でに入室した患者を対象としたBLUEプロトコルの成績は次のとおり1。

のプロファイル 示唆する病態 感度/特異度
Aライン+あり 喘息・増悪 89%/97%
びまん性+あり 肺水腫 97%/95%
正常+下肢に深部静脈血栓 肺塞栓症 81%/99%
消失+Aライン+ 気胸 81%/100%
の、非対称な間質パターン、後方の・胸水 肺炎 89%/94%

⭐ 気胸のプロファイルは「の消失」単独ではない。 Aラインと(正常肺との境界)まで揃えて初めて特異度100%になる。は片肺挿管・・胸膜癒着でも消えるため、消失そのものは気胸に特異的な所見ではない。

米国内科学会は、急性呼吸困難で診断が不確実な場合にを標準診断経路へ追加することを条件付きで推奨している(エビデンスの確実性は低い)2。置き換えではなく追加であることが推奨の形そのものに現れている。

ショックでの読み方

RUSH()は心臓・体腔と循環血液量・血管を系統的に見る枠組みだが、ではが8.25()〜40.54(閉塞性)、が0.13(閉塞性)〜0.32()であり、除外より確定に強い3。だけはが低く、比較的よく除外できる。

flowchart TD
  A["不安定な患者"] --> B["臨床疑問を1つ決める"]
  B --> C["該当部位だけを<span class='jp-term jp-term-diagram' title='scanning'>走査</span>"]
  C --> D{"所見はいまの処置を変えるか"}
  D -->|"変える"| E["減圧・穿刺・輸液調整などを直ちに行う"]
  D -->|"変えない"| F["確定検査へ:包括的心エコー・造影CT"]
  E --> G["介入後に同じ部位を当て直す"]
  G --> D

紛らわしいもの

  • とは胸膜を見えなくする。「が見えない」と「が無い」は別で、前者はとして扱う。
  • は肺水腫に特異的ではない。 ・・肺でも出る。左右差と分布、心臓の所見と合わせて読む。
  • 心停止中の心臓は胸骨圧迫の中断を延ばしうる。 画像取得の準備は圧迫中に済ませ、リズム確認の短い中断内で終える。
  • が残る。国際的な標準化の努力として2012年にのコンセンサス勧告(73項目中65項目が強い推奨)が出されているが、実技の質は施設とで揃わない4。

まとめ

  • は臨床疑問を1つ決めて当て、その場の処置を変えるためのベッドサイド検査であり、包括的な画像検査を置き換えない。
  • 肺のプロファイル(Aライン///)での主要な病態が分かれる。
  • 気胸の判定は消失だけでは足りず、Aラインとまで揃える。
  • ショックではRUSHが確定側に強く、除外側は弱い。だけは比較的よく除外できる。
  • 陰性は「した疑問に対する陰性」であって、全身の除外ではない。介入後に必ず当て直す。

出典

  1. 1.Relevance of lung ultrasound in the diagnosis of acute respiratory failure: the BLUE protocol(Chest・2008)急性呼吸不全でICUへ入室した患者の観察研究で、前胸部のAライン+肺スライディングは喘息・COPDを感度89%・特異度97%で、前胸部びまん性Bライン+肺スライディングは肺水腫を97%・95%で、前胸部が正常で深部静脈血栓症を伴うものは肺塞栓症を81%・99%で、前胸部の肺スライディング消失+Aライン+肺点は気胸を81%・100%で、前胸部の肺胞性硬化像や後方の硬化像・胸水などは肺炎を89%・94%で示した。これらのプロファイルを用いると90.5%で正しい診断が得られた閲覧 2026-09-08
  2. 2.Appropriate Use of Point-of-Care Ultrasonography in Patients With Acute Dyspnea in Emergency Department or Inpatient Settings(Annals of Internal Medicine・2021)急性呼吸困難で診断が不確実な場合、POCUSは標準診断経路に追加する補助検査として条件付きで推奨されることを確認した。閲覧 2026-08-09
  3. 3.The diagnostic accuracy of a point-of-care ultrasound protocol for shock etiology: A systematic review and meta-analysis(CJEM・2019)RUSHを含むPOCUSプロトコルはショック原因の初期鑑別を補助するが、単独で病型を確定・除外する検査ではない閲覧 2026-08-20
  4. 4.International evidence-based recommendations for point-of-care lung ultrasound(Intensive Care Medicine・2012)8か国28人の専門家が1966年から2011年6月までの文献をGRADE法で評価し、修正Delphi法で73項目を検討した肺超音波の国際コンセンサス勧告である。6項目は合意に至らず、2項目が弱い推奨、残る65項目が強い推奨とされた閲覧 2026-09-08