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Microbe Atlas · 細菌

Mycobacterium fortuitum

分類
抗酸菌 / Acid-fastMycobacterium
性状
抗酸菌 Acid-fast桿菌 Bacilli
科目
Medical MicrobiologyDermatology
トピック
2/33: Actinomyces and Nocardia genus, atypical and apathogenic mycobacteria1-11: Nontuberculous Mycobacterial Skin Infections
原因となる疾患
非結核性抗酸菌症

🧠 全体像M. fortuitumは同じRunyon IV群()のM. chelonaeとよく並べて語られるが、薬剤感受性は対照的——に感受性が保たれている点が、キノロン系にほぼ耐性のM. chelonaeとの実務上の分かれ目になる。臨床像も外傷・穿(とくに足)を機にの皮下結節として現れることが多く、多発性・播種性病変が目立つM. chelonaeより病原性は穏やかな傾向がある。

微生物学的な特徴

RunyonIV群:培養で7日未満と急速に発育する。分類の枠組みはMACのノートを参照。を含む脂質細胞壁を持ち、グラム染色不可・Ziehl-Neelsen陽性。土壌・水・埃に由来する環境常在菌で、ヒト-ヒト感染はしない。

病原性の仕組み

病原性は他のと比べて弱く、皮膚のからの直接接種が主な侵入経路になる。免疫正常者でもは成立するが、多くはにとどまり、M. chelonaeのような多発性の播種性皮下結節は比較的まれである1。免疫不全者・異物留置患者では重症化・播種することがある。

感染経路と疫学

  • 穿の外傷(とくに足の穿)、入れ墨、注射、汚染された医療材料の使用を介した直接接種が主体2
  • 手術・後の創部感染としても報告される
  • 土壌・水・埃に広く分布する環境常在菌

起こす疾患

病型 臨床像
皮膚軟部組織感染 の皮下結節・膿瘍として出現することが多い1。眼(穿眼外傷後)・足(穿後)の感染で代表的2
術後・カテーテル関連感染 留置部位・注射部位の遷延性創部感染
免疫不全者でまれに多発病変・多臓器感染

診断

  • 表面ではなく膿・組織など深部検体からの抗酸菌培養が確定診断の基本
  • 発育が速いため7日以内に培養陽性となることが多い
  • まで行ってM. chelonaeM. abscessusと鑑別し、治療薬を選択する

治療と予防

  • など)に比較的感受性が保たれる——基準株を用いた比較試験ではM. fortuitumの基準株がを含む4種のフルオロキノロン全てに感受性だった一方、同じ試験でM. chelonaeの基準株は全て耐性であり、両種の対比点になる3
  • 感受性のある2剤以上を基盤に長期治療し、異物留置例ではデバイス除去・を併用する
  • 単剤固定の運用(単剤など)は行わず、菌株ごとのに基づいて薬剤を選ぶ

まとめ

  • Runyon IV群()ので、穿外傷(とくに足)・入れ墨・注射を機にの皮下結節を起こすことが多い。
  • に比較的感受性が保たれる点が治療の軸になる。
  • 同じIV群のM. chelonaeはキノロン系にほぼ耐性という対照的な感受性パターンを示し、両種はで実務的に区別する。
  • 病原性は比較的弱くにとどまることが多いが、免疫不全者・異物留置患者では重症化・播種しうる。
  • 治療は感受性のある2剤以上の長期併用が基本で、単剤固定運用は避ける。

出典

  1. 1.In vitro drug susceptibility of 40 international reference rapidly growing mycobacteria to 20 antimicrobial agents(International Journal of Clinical and Experimental Medicine・2015)M. fortuitumの基準株はシプロフロキサシン・モキシフロキサシンを含む4種のフルオロキノロン全てに感受性だった一方、M. chelonaeの基準株はいずれにも耐性だった閲覧 2026-08-10
  2. 2.Nontuberculous Mycobacterial Infections(MSD Manual Professional Edition・2026)M. fortuitum complexは眼・皮膚(とくに足)の穿通創、入れ墨、汚染された材料を介した感染で重症化することがある閲覧 2026-08-10
  3. 3.Atypical Mycobacterial Disease(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2023)M. fortuitumは多くの場合、単発性の皮下結節として現れ、低い病原性のため限局した感染にとどまることが多い閲覧 2026-08-10