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Microbe Atlas · 細菌

Mycobacterium ulcerans

分類
抗酸菌 / Acid-fastMycobacterium
性状
抗酸菌 Acid-fast桿菌 Bacilli
科目
Medical Microbiology
トピック
2/34: Causative agents of human tuberculosis, Mycobacterium leprae2/33: Actinomyces and Nocardia genus, atypical and apathogenic mycobacteria5/1: Bacteria causing skin and wound infections (list) and their diagnosis

🧠 全体像M. ulceransは水系環境から皮膚の小さな傷を通じて感染し、免疫を回避しながら壊死を広げる外毒素(によって特徴的な無痛性の潰瘍————を作る。同じ環境由来のだが、MACのように免疫不全者を選んで侵すのではなく、免疫正常な小児・若年者が主な患者層である点が対照的である。

微生物学的な特徴

RunyonIII群(緩徐発育・)に分類される。分類の枠組みはMACのノートを参照。他の抗酸菌と同じくグラム染色不可・Ziehl-Neelsen陽性で、発育は極めて緩徐(培養に数か月を要することもある)。至適発育温度が29〜33℃とやや低く、これも皮膚に病変が限局する一因となる。

病原性の仕組み

最大の特徴はという脂質性の外毒素を産生することである。

  • ・線維芽細胞・を壊死させ、皮下組織を広範に破壊する
  • :局所のの遊走・活性化を抑え込む
  • :末梢神経を障害し痛覚を消失させる——広範な組織破壊があるにもかかわらず病変はほぼ無痛という臨床上の特徴を生む

💡 無痛性の広範な潰瘍という組み合わせが診断のヒントになる。 通常、これほどの組織破壊は激痛を伴うはずだが、が局所の知覚神経を障害するため患者は痛みを訴えにくく、受診が遅れて病変がさらに拡大するという悪循環が生じる。

感染経路と疫学

  • 水系環境(停滞した・湿地帯)。水生昆虫が媒介する可能性が示唆されている
  • 感染経路は正確には未確定だが、外傷・など皮膚の微小な破綻を介して環境中の菌が侵入すると考えられている
  • 西アフリカ・中央アフリカの熱帯地域に集中し、水辺での生活・農作業を行う小児・若年者に多い。結核・に次いで頻度の高い抗酸菌感染症とされる

起こす疾患:Buruli潰瘍

  • は無痛性の皮下結節・として始まり、進行すると中心がする
  • 潰瘍は皮下を広範に侵食するポケット状の弱毛化した辺縁を持つのが特徴で、放置すると筋膜・骨にまで達し、などの重い機能障害を残す

診断

病変部からの・生検検体でのPCR(IS2404標的)が最も感度が高く、WHO推奨の標準検査。・培養・(壊死とによる特徴的な像)を併用する。

治療

  • リファンピシンの8週間がWHO推奨の第一選択(かつての注射薬併用から移行済み)
  • ・変形合併例ではを要することがある
  • リハビリテーションによるの予防が機能予後を左右する

まとめ

  • Runyon III群ので、西アフリカ・中央アフリカの水辺に集中する。
  • 外毒素と免疫抑制に加え神経障害による無痛化を引き起こし、「広範な破壊なのに痛みが乏しい」という臨床像を作る。
  • 診断はPCR(IS2404)が標準。治療はリファンピシン+の8週間
  • 免疫不全者を選ぶMACとは対照的に、免疫正常な小児・若年者が主な患者層。