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FAB分類

FAB classification

臓器系
血液
科目
PathologyInternal Medicine
トピック
病理学 C/9:急性骨髄性白血病/リンパ形質細胞性リンパ腫内科学 H-29:急性リンパ性白血病
適用疾患
急性リンパ性白血病急性骨髄性白血病急性前骨髄球性白血病白血病

🧠 全体像:()は、の芽球をでの形態・所見だけで細分類する1970〜80年代の歴史的分類体系である。()をM0〜M7に、()をL1〜L3に分ける。現在の診断は第5版分類(2022年)が主体で、・を軸に再構成されているが、M3()の形態認識だけは今も臨床的に重要——の結果を待たずに緊急治療を始める根拠になる。FABは(RA・RARS・RAEBなど)にも別の分類体系を持つが、これはが異なる別のスコープであり本ノートでは扱わない。

目的と適用場面

内容
目的 の芽球を形態・細胞化学所見で系列・分化段階ごとに分類する
対象 骨髄または末梢血に芽球増加を認め、が疑われる患者
使う場面 ・の初見時。遺伝学的検査の結果が出るまでの暫定的な系列推定、特に(M3)の緊急認識
現在の位置づけ 第5版分類(遺伝学的異常・が主軸)に置き換えられ、確定診断・治療選択の正本ではない

構成要素

⭐ 骨髄・末梢血の芽球形態(核小体・クロマチン・顆粒・の有無)と(など)で系列・分化段階を判定する。配点して合計する「スコア」ではなく、形態的特徴によるカテゴリー分類である。

AML(M0〜M7)

型 名称 特徴
M0 最 光顕的に陰性、でと確認
M1 顆粒に乏しい主体、成熟像に乏しい
M2 分化型 から以降への成熟を伴う。t(8;21)と関連
M3 () 過顆粒性の、細胞質に多数の、t(15;17) ::RARA、高リスク
M4 骨髄単球性 ・の両方向への分化(好酸球増多を伴うはinv(16)と関連)
M5 単球性 ・主体
M6 が優位
M7 性 主体、乳児ので特徴的

ALL(L1〜L3)

型 特徴
L1 小型で均一な芽球。小児で典型的とされた
L2 大型で不均一な芽球。成人でより多い
L3 大型で深い好塩基性の状細胞質を持つ芽球。成熟B細胞性バーキット白血病/リンパ腫に対応し、とは治療プロトコルが異なる

解釈と現在の使われ方

M3()の形態的認識は、や上昇など所見と組み合わせて、(::RARA)の確定を待たずに()を開始する緊急判断の根拠になる。旧L3形態は成熟B細胞性の腫瘍であるため、通常のプロトコルではなく型の短期集中レジメンで治療する。それ以外の型(M0〜M2、M4〜M7、L1〜L2)は、現在はの根拠として単独で使われず、分類の遺伝学的病型・が優先される。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ は形態のみに基づき、遺伝学的異常を反映しない。 同じM2でもt(8;21)の有無で予後が大きく異なるなど、形態だけでは予後・を決められない。第5版分類(2022年)はがあれば芽球20%未満でもと診断できるなど、FABの「芽球30%以上」という前提そのものが揺らいでいる(は2001年の第3版改訂で診断閾値をFABの30%から20%へ引き下げており、第5版はそこからさらに遺伝子異常があれば閾値そのものを撤廃する方向へ進んだ)。

⚠️ FABは率が高くなく、・遺伝学的検査を代替しない。M3疑いの形態所見は緊急対応の引き金にはなるが、確定診断は::RARAなどので行う。

まとめ

  • はの芽球を形態・細胞化学所見だけで(M0〜M7)・(L1〜L3)に分ける歴史的分類で、現在は第5版分類(遺伝学的異常・主体)に置き換えられている。
  • M3()の形態認識は今も臨床的に重要で、リスク評価と早期開始の引き金になる。
  • L3(旧FAB)はバーキット型の成熟B細胞性腫瘍に対応し、とは異なる治療を要する。
  • 形態のみに基づくため評価者間差があり、遺伝学的検査を代替しない。単独で予後・を決めない。