解剖学

解剖学 · 4.2

骨盤・会陰:筋と筋膜

Pelvis & perineum — Muscles & fascia

応用トピック
腟・子宮の正常位置と異常位置(性器脱)および治療

🧠 骨盤底は「内臓を下から支えるハンモック」であり、会陰はその下にある出口領域である。 骨盤・会陰の筋と筋膜では、、閉鎖筋・、、、を立体的に結びつける。

骨盤壁の筋

骨盤壁には、骨盤内面から下肢・へ向かう筋がある。これらはのすぐ近くを通り、やを経由する神経血管と関係する。

筋 主な付着・走行 作用
内面・内面からを通りへ 股関節
からを通りへ 股関節、との位置関係が重要
腸骨窩からへ 股関節屈曲
からへ 股関節屈曲、体幹屈曲

はを上下に分ける目印になる。多くの神経血管はを通り、・血管はを通る。

骨盤隔膜

は、とからなる筋性の床である。を支持し、排便・排尿・分娩・腹圧上昇に関与する。

筋 構成・特徴
、、を含む
から・へ走り、骨盤底後部を補う

のうち、はを保ち、便に重要である。

flowchart TD
  A["骨盤底"]
  A --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pelvic diaphragm'>骨盤隔膜</span>"]
  B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='levator ani'>肛門挙筋</span>"]
  C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='puborectalis'>恥骨直腸筋</span>"]
  C --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pubococcygeus'>恥骨尾骨筋</span>"]
  C --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='iliococcygeus'>腸骨尾骨筋</span>"]
  B --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='coccygeus'>尾骨筋</span>"]

骨盤筋膜

は、骨盤壁・骨盤底・を包み、支持する結合組織である。

分類 内容
骨盤壁筋や骨盤壁を覆う
膀胱、直腸、生殖器などを包む
やの付着線になる肥厚部

は、単なる膜ではなく、内臓の位置を保つである。女性では子宮頸部周囲の、男性では前立腺周囲の筋膜が臨床的に重要になる。

会陰筋

は、とに分けて整理すると理解しやすい。

尿生殖三角の浅層筋

筋 主な役割
を固定する
を圧迫し、勃起維持を助ける
男性では尿道球・、女性ではに関与

尿生殖三角の深層筋

筋 主な役割
古典的な名称。明瞭な独立横紋筋としての存在、とくに女性での存在には議論がある
な排尿制御

は結合組織を主体に平滑筋・横紋筋線維が混在し、従来「」とされた構造を独立した横紋筋として一様に同定できるとは限らない。1

会陰膜

はに広がる支持性結合組織で、単純な平板ではなく、周囲の筋膜・筋・へ連続する立体的構造である。2とを区切り、や外性器の支持に関わる。

構造 ポイント
外性器のとを含む
複合体と、平滑筋・結合組織を主体とするを含む
骨盤底・の中心的な腱性結合部

💡 は小さいが重要。 、、、や周囲筋膜などが交差・連続する支持点で、分娩時損傷やに関係する。を一様な独立筋として付着筋に数えるとは限らない。

まとめ

  • はとからなる。
  • は支持、排便・排尿制御、分娩に重要である。
  • とは骨盤壁筋で、の神経血管走行と関係する。
  • はの支持と区画形成に関わる。
  • はの立体的な支持性結合組織で、浅/を分ける。

出典

  1. 1.Macroscopical and histological characterization of the perineal membrane and deep perineal pouch(Journal of Anatomy・2026)深会陰隙は結合組織が主体で、男女とも明瞭に独立した横紋性深会陰横筋を確認できなかったこと閲覧 2026-08-24
  2. 2.The Female Pelvic Floor Fascia Anatomy: A Systematic Search and Review(Life・2021)会陰膜・骨盤筋膜・会陰体の微小および肉眼解剖には不確実性があり、複合的な連続構造として理解すべきこと閲覧 2026-08-24