Biochemistry

Biochemistry · 7/1

窒素平衡;タンパク質の消化;プロテアーゼの機能と調節;アミノ酸の吸収とアミノ酸輸送体;アミノ酸の異化;アンモニアの排泄;オルニチン(尿素)回路の反応と調節

Nitrogen balance; digestion of proteins; function and regulation of proteases; absorption of amino acids and amino acid transporters; catabolism of amino acids; elimination of ammonia; reactions and regulation of the ornithine (urea) cycle — L II

応用トピック
膵疾患栄養不良の定義・原因・評価先天代謝異常を疑う状況と初期評価先天代謝異常症
検査値
γ-GTP

🧠 は「入り口(消化・吸収)→本体(の絶え間ない)→出口(アンモニア→尿素)」の一本道として読む。 消化管でタンパク質をアミノ酸に分解・吸収し、体内では合成と分解が同時進行する(proteostasis)。老朽化したタンパク質は複数の分解系で処理され、外れたは最終的に肝ので無毒化される。

窒素平衡とタンパク質必要量

。健常成人は平衡(±0)、成長期・妊娠・術後は正の平衡(優位 anabolic dominance)が必要。

  • 理想的なタンパク質必要量:健常成人で0.8 g/kg体重/日。小児・妊娠・術後はその2〜3倍が必要。
  • から定義): His, Ile, Leu, Val, Lys, Met, Thr, Trp, Phe。
  • : Arg, Tyr, Cys(特定の状況下で必要量が増す)。

⚠️ はタンパク質欠乏の古典像。 体重減少、浮腫(edema;アルブミン低下による)、下痢(の機能低下→)、を特徴とする。

食事タンパク質の質

  • タンパクは動物性より栄養価・が低いことが多い(例:豆類はが、穀物はリジンが不足)。
  • ベジタリアン食は成人では通常問題ないが、小児・妊娠期はのリスクとなりうる。

体内のタンパク質代謝回転

項目 量(g/70 kg体重/日)
食事タンパク質摂取 100
吸収アミノ酸 160(体内由来の再吸収分を含む)
(タンパク質換算) 90
合成 300

💡 合成量(300)が摂取量(100)よりずっと多いのは「回転」のため。 体は常に自身のタンパク質を分解・再合成しており、食事由来のアミノ酸はこの大きなプールへの補充にすぎない。

タンパク質の消化とプロテアーゼの調節

消化管内では、胃()・膵(・キモ)のプロテアーゼが、前駆体として分泌され、標的区画で活性化される(産生組織をから守る、02-05-strategies-for-regulation-of-enzyme-activity-reversible-ligand-binding参照)。

⚠️ セリアック病への 約1%。(小麦の貯蔵タンパク)は完全には消化されず、33残基のペプチドなどの断片が胃・十二指腸・の作用後も残存し、のある人で・上皮での免疫応答を引き起こす。

アミノ酸の吸収と輸送体

でアミノ酸に分解された後、複数の特異的アミノ酸トランスポーターが吸収を担う。

  • : を介し、アミノ酸輸送と共役する代謝経路。
  • 血液脳関門のL1/LNAAトランスポーター: ・分岐鎖)を脳へ運び、セロトニン合成の基質供給などに関わる。

⚠️ グルタミン酸ナトリウム(Na-グルタミン酸)の大量摂取+腸管の活性が低い場合に、頭痛・発汗・悪心を起こすことがある。

タンパク質の老化と分解系

タンパク質は時間とともに変性・修飾を受け(AGEs形成、、切断、、凝集)、分解対象としてマークされる。

分解系 局在・特徴
リソソーム分解 細胞内、
26Sプロテアソーム タンパクを分解。E1(活性化酵素)→E2(結合酵素)→E3()の順にユビキチンを付加
絶食/摂食状態で誘導が変化。で亢進
ミトコンドリア内プロテアーゼ ミトコンドリアタンパクの
細胞外プロテアーゼ (過剰活性は肺気腫の一因)

タンパク質代謝回転のホルモン調節

シグナル 合成 分解
インスリン
甲状腺ホルモン
テストステロン
アドレナリン
TNF-α
IL-6

プロテアーゼ阻害因子

  • : 膵組織内での早期活性化を防ぐ。
  • : ループが標的酵素のに入り込み、アシル-で捕捉して不可逆的に阻害する(02-05-strategies-for-regulation-of-enzyme-activity-reversible-ligand-binding参照)。

まとめ

  • は健常成人で0(0.8 g/kg/日が目安)。9種の+3種のがある。はタンパク質欠乏の古典像。
  • 体内量(約300 g/日)は食事摂取量(約100 g/日)よりずっと多く、絶えざるを反映する。
  • 消化はの区画特異的活性化で制御。セリアック病は断片への自己免疫。
  • 吸収は特異的トランスポーター(、血液脳関門のLNAAなど)が担う。
  • タンパク質は加齢的修飾(・AGEs・凝集など)を受け、リソソーム・プロテアソーム・オートファジー・MMPなど複数系で分解される。ホルモン(インスリン↑合成、↑分解など)がを調節する。