Gynecology

Gynecology · 21

子宮体癌の病因と前癌病変(子宮内膜増殖症)

Etiology and precancerous states of corporal cancer (hyperplasias)

前提:病態
子宮内膜・筋層の腫瘍遺伝性腫瘍症候群(遺伝性がん症候群)
前提:正常
女性生殖:卵管と子宮
疾患
子宮体癌

🧠 全体像の主要なは、持続的なエストロゲン刺激を背景とする(endometrial intraepithelial neoplasia:EIN)/である。現在は「異型なし」と「EIN/異型あり」の2群で捉え、後者では併存癌を除外して治療する。

子宮体癌の背景

は先進国で最も多いで、主に閉経後に発症する。corporal cancerは子宮体部の癌を意味する旧来の英語表現である。

病因とリスク因子

拮抗されないエストロゲン

プロゲステロンによる変化を伴わない持続的エストロゲン刺激は、のリスクを高める。

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='unopposed estrogen stimulation'>拮抗されないエストロゲン刺激</span>"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='endometrial gland'>子宮内膜腺</span>の持続増殖"]
    B --> C["異型を伴わない増殖症"]
    B --> D["EIN/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='atypical endometrial hyperplasia, AEH'>異型子宮内膜増殖症</span>"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='endometrioid carcinoma'>類内膜癌</span>"]
リスク因子 機序・ポイント
肥満 脂肪組織で
・PMOS(従来PCOS) プロゲステロンが不足
月経・ 生涯の排卵周期・エストロゲン曝露増加
エストロゲン単独補充 子宮を有する人では内膜保護のが必要
子宮内膜では部分的エストロゲン作用
エストロゲン産生 など
MMR遺伝子の
糖尿病・高血圧 肥満・代謝因子と重なりリスク上昇と関連

配合経口避妊薬、妊娠・経産はリスク低下と関連する。喫煙にも疫学上の逆相関があるが、重大な健康害があるため予防手段にはならない。

子宮内膜増殖症の分類

現行WHO分類

分類 病理 癌リスクと対応
異型を伴わない 腺増殖はあるが、の細胞異型を欠く 原因是正と治療。
EIN/ 密な腺構築と周囲と異なる細胞異型 。併存癌・進展リスクが高い

歴史的4分類

と異型の有無を組み合わせるWHO 1994分類は歴史的で、現在は分類へ移行している。

旧分類 現在の読み替え
、異型なし 異型を伴わない増殖症へ統合
、異型あり EIN/AEHとして扱う

固定された進展率は研究期間・治療の有無で異なる。重要なのは、異型なしよりEIN/AEHで癌併存・進展リスクが明らかに高いことである。

症状と診断

  • 最多はで、月経間出血、過多・を含む。
  • は少量でも評価する。
  • 診断はで行う。細胞診は子宮内膜病変の信頼できる検診法ではない。
  • 病変が局在する、採取量が不十分、出血が持続する場合は下の標的生検が有用である。
  • EIN/AEHを診断したら、保存治療前に併存を可能な限り除外する。

治療

異型を伴わない増殖症

EIN/AEH

  • である。
  • 妊孕性温存または手術不能で保存治療を選ぶ場合は、併存癌を除外したうえでを投与し、厳密にを行う。
  • は経口単独より高い退縮率を示すデータがあり、を併用することもある。
  • 反応不良、進行、再発、妊娠希望終了時にはを再検討する。

分子病理への接続

従来の「I型=エストロゲン依存・類内膜、II型=非依存・漿液性」というは病態理解には役立つが、現在の分類を十分に表せない。ではPOLE、MMR欠損型、(NSMP)、p53の4分子群が予後・治療判断に用いられる。

まとめ

  • が、異型を伴わない増殖症とEIN/AEHの背景となる。
  • 旧4分類ではなく、現行WHOの「異型なし」と「EIN/AEH」の分類で整理する。
  • EIN/AEHでは併存癌を除外し、根治は、保存治療では+厳密なが必要である。