Internal Medicine

Internal Medicine · L-71

敗血症

Septicemia

前提:病態
敗血症性ショックにおける炎症・凝固障害・内皮機能障害
前提:正常
微小循環の機能的構成とその調節
疾患
ストレス潰瘍

🧠 全体像敗血症は「感染に対するの破綻による生命を脅かす臓器障害」である。現在はSIRS陽性を診断条件とせず、感染疑い+SOFA上昇を軸に捉える。認識後は抗菌薬、循環蘇生、を並行する。

定義と病態

  • 敗血症:感染に伴いが基礎値から2点以上上昇する臓器障害。
  • :十分な輸液後もMAP ≥65 mmHg維持にを要し、血清乳酸 >2 mmol/Lである状態。
  • (呼吸数 ≥22/分、 ≤100 mmHg、意識変容)は重症化に使えるが、単独のスクリーニング/除外法ではない。
  • SIRSと「」は歴史的概念で、現在の診断には用いない。

感染により炎症・免疫抑制、、血管拡張、、凝固活性化、微小循環障害が併存し、ARDS、AKI、DIC、肝障害、意識障害を起こす。感染源は肺、腹腔、尿路、皮膚軟部、血管内デバイスなどが多い。

SOFAスコアの6臓器

各臓器を0〜4点で評価し、点数が高いほど臓器障害が重い。

臓器 指標 0点 → 4点の代表的範囲
呼吸 ≥400 → <100かつ呼吸補助あり
凝固 血小板(×10³/μL) ≥150 → <20
ビリルビン(mg/dL) <1.2 → >12.0
循環 MAP・ MAP ≥70 → 高用量を要する
中枢神経 Glasgow Coma Scale 15 → <6
クレアチニンまたは尿量 <1.2 mg/dL → >5.0 mg/dLまたは尿量 <200 mL/日

初期評価と治療

flowchart TD
    A["感染疑い+臓器障害"] --> B["ABCDE、乳酸、血算・臓器機能"]
    B --> C["抗菌薬を遅らせない範囲で血液培養2セット"]
    C --> D["感染源に応じた経験的抗菌薬"]
    B --> E["低灌流なら晶質液を投与し動的に再評価"]
    E --> F{"MAP <65 mmHgが持続"}
    F -->|"はい"| G["ノルアドレナリン開始"]
    C --> H["膿瘍排膿・感染デバイス除去など<span class='jp-term jp-term-diagram' title='source control'>ソースコントロール</span>(source control)"]
項目 実践
抗菌薬 ショックまたは敗血症の可能性が高ければ直ちに、理想的には1時間以内。ショックなしで感染が不確実なら迅速評価し、懸念が残れば3時間以内。地域耐性・感染源・MRSA/MDRリスクで選び、に応じて(de-escalation)
培養 血液培養2セットと感染源検体を、治療を大きく遅らせない範囲で抗菌薬前に採取
輸液 低灌流・ショックでは晶質液を開始。初期30 mL/kgを目安としつつ、心腎機能、、乳酸推移で個別化。無制限に4〜6 L投与しない
ノルアドレナリン第一選択、初期MAP目標65 mmHg。必要なら、さらにアドレナリンを追加
コントロール 排膿、壊死組織処置、穿孔修復、感染カテーテル/除去を可能な限り早く

乳酸上昇は低灌流以外でも起こるため、絶対値だけで輸液を継続しない。尿量、皮膚灌流、意識、酸塩基、超音波を含め再評価する。ARDSでは6 mL/kg前後の低 ≤30 cmH2Oを用いる。依存ショックが続く場合は 200 mg/日を検討する。VTE・予防、は適応に応じて行い、でAKIを治癒させようとしない。

まとめ

  • SIRSではなく、感染に伴う臓器障害が敗血症の本体である。
  • 抗菌薬、循環蘇生、コントロールを同時進行する。
  • 輸液は反応性を反復評価し、ノルアドレナリンを遅らせない。