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Drug Atlas · B29 Immunosuppressants / 免疫抑制薬 · 必修

ピメクロリムス

pimecrolimus

分類
Immunosuppressants / 免疫抑制薬
科目
Pharmacology
トピック
B29: Immunopharmacology II (Inhibitors of cytokine gene expression, 5-ASA derivatives)
承認適応
アトピー性皮膚炎脂漏性皮膚炎酒皶・口囲皮膚炎
副作用
灼熱痛

🧠 全体像と同じ「」というクラスに属し、機序はと完全に共通(FKBP-12結合→阻害→IL-2遺伝子転写の抑制→T細胞活性化のブロック)だが、臨床での使い分けは剤形と重症度で決まる。剤・軽症〜中等症向け剤・中等症〜重症にも使えるという非対称なペアであり、両薬ともに伴うを来さないため、顔面・眼瞼周囲・などステロイドを長期に使いにくい部位でのステロイド節約という共通の存在意義を持つ。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 剤形 適応重症度
軽症〜中等症 なし
中等症〜重症にも使用可 なし
重症度に応じて力価を選択 長期使用で

同じでも、は「どちらが強いか」ではなく「どの重症度・部位に向くか」で使い分ける。 基剤で製剤設計上の皮膚透過性が控えめなため軽症〜中等症の病変に適し、基剤でより厚みのある病変にも浸透しやすく中等症〜重症でも使われる。顔面・眼瞼周囲・などステロイドの副作用()を避けたい部位では、重症度に応じてどちらかを選ぶ。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pimecrolimus'>ピメクロリムス</span>がT細胞内に取り込まれる"] --> B["マクロフィリン-12(FKBP-12)に結合"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='calcineurin'>カルシニューリン</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='phosphatase'>脱リン酸化酵素</span>)の<br>活性を阻害"]
    C --> D["NFATの<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dephosphorylation'>脱リン酸化</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nuclear translocation'>核内移行</span>が止まる"]
    D --> E["IL-2などのサイトカイン遺伝子の<br>転写が抑制される"]
    E --> F["T細胞の活性化・増殖が抑えられる"]
    F --> G["皮膚の炎症反応が鎮まる<br>(副腎皮質ステロイドとは異なる経路)"]

💡 副腎皮質ステロイドが幅広い抗炎症遺伝子群を介して働くのに対し、はT細胞の活性化シグナルだけを狙い撃ちする。 この標的の違いが、線維芽細胞・血管内皮へのの原因)を避けられる理由であり、顔面など皮膚が薄く萎縮しやすい部位で好まれる根拠になっている。

適応

領域 使いどころ
(第一適応) 軽症〜中等症ので効果不十分、または顔面・眼瞼周囲などステロイドが使いにくい部位での第二選択1
を含む) の反復部位で、ステロイド節約目的に検討される

用法・用量

罹患部位に1日2回、薄く塗布する。症状消失後は速やかに中止し、継続的な長期連用は避ける(短期・非持続的な使用が原則)1。2歳未満の小児には適応がない1。実際の用法・用量は年齢・病変部位・重症度で調整するため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • ⚠️ (ブラックは確立していないが、)投与例でリンパ腫・の報告があり、添付文書は継続的な長期使用を避け、病変部位に限定して塗布するよう求めている1でのシグナルはヒト最大推奨用量の47倍(マウス経皮)・258〜340倍(マウス経口)・31倍(サル経口)という高用量によるもので、の外用での全身吸収はごく低い1
  • 免疫抑制状態の患者では使用を避ける
  • 急性のウイルス性皮膚感染(など)を合併した病変には注意し、感染の悪化がないか観察する
  • 日光曝露を避け、紫外線療法との併用は避ける

副作用

頻度 内容
高頻度 塗布部位の・刺激感(多くは開始後数日で軽快する)
注意 皮膚感染(など)の顕在化・増悪
重篤・まれ リンパ腫・の対象。は未確立で、長期小児コホートでは対照群と同程度のという報告もある)

まとめ

  • と機序を共有する(FKBP-12結合→阻害→IL-2転写抑制)。
  • 剤・軽症〜中等症向けという位置づけが・中等症〜重症にも使用可)との使い分けの軸。
  • 副腎皮質ステロイドと異なりを来さないため、顔面・眼瞼周囲・でのステロイド節約目的に選ばれる。
  • 適応は2歳以上の軽症〜中等症(第二選択)。の反復部位にも適応外で使われる。
  • としてリンパ腫・のリスクが記載されるが、根拠は高用量によるもので、でのは確立していない。継続的な長期連用は避け、病変部位に限定して使う。

出典

  1. 1.ELIDEL (pimecrolimus) Cream, 1% — Prescribing Information (Boxed Warning, Indications and Usage, Mechanism of Action)(U.S. Food and Drug Administration (DailyMed)・2014)ピメクロリムスクリームの適応(2歳以上・非免疫不全・軽症〜中等症アトピー性皮膚炎・第二選択・短期/非持続的長期使用、2歳未満には未承認)と、悪性腫瘍リスクに関する枠組み警告(ブラックボックス警告)の内容(因果関係は未確立、継続的な長期使用を避け病変部位に限定して塗布する)、および動物実験の用量(マウス経皮でヒト最大推奨用量の47倍でリンパ増殖性変化、27倍では腫瘍増加なし、マウス経口で258〜340倍でリンパ腫増加、サルで31倍にてリンパ増殖性疾患)を確認した。閲覧 2026-08-10