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Lab values · Published

血清鉄

Serum iron

臓器系
血液
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 H-02:鉄欠乏性貧血
関連疾患
急性鉄中毒鉄欠乏性貧血慢性疾患に伴う貧血

🧠 全体像:血清鉄は「今この瞬間、血液中を移動している鉄」のスナップショットにすぎない。体内の()とも、運搬能力(・)とも別の情報で、しかもが大きく単独ではが低い。単独で診断に使うのはだけ——もも、()やと組み合わせて初めて解釈できる。

何を測っているか

血清鉄は、に結合して血漿中を輸送されている鉄(Fe³⁺)の濃度である1。健常ではが通常25〜35%にとどまり、の大部分は鉄を結合していない「」として存在する1。骨髄での、消化管からの鉄吸収、(・)からの動員という複数の入力が、この一時的なプールに反映される。

基準値と単位

代表的なは男性55〜160 µg/dL、女性40〜155 µg/dLだが、⚠️ 施設差が大きく、後述の・個体内変動のため単回値の解釈は幅を持たせる必要がある。

高値の意味・低値の意味

⚠️ 血清鉄だけではとを区別できない。 どちらも血清鉄は低下し、鑑別には・()・を組み合わせる必要がある1。を中心とした診断アプローチは側の記載を正本とする2。

⭐ だけは血清鉄単独で重症度を判定してよい例外である。 摂取後4〜6時間の血清鉄濃度が350 µg/dL未満なら軽度、350〜500 µg/dLで中等度、500 µg/dL超で重症に対応し、の適応判断にも用いる3。詳細な採血タイミングと治療フローはを参照。

測定上の注意

⚠️ が最大30%に達する。 午前中に高く、午後・深夜にかけて低下するため、早朝空腹時(8〜10時頃)の採血が推奨される1。個体内の日差変動も25〜30%あり、単回値での状態を判断しない。

⚠️ 検体・薬剤の干渉。 採血後2時間以内に血清分離を行う必要があり、直近の輸血歴、溶血検体、、経口避妊薬、が結果に影響しうる1。

経時変化とモニタリング

では単回値そのものが治療判断の起点になるため、摂取からのを明記したうえで測定・再検する(徐放製剤・は吸収が遅れ、初回低値でも6〜8時間後に再検する)3。一方、・のモニタリングでは血清鉄の推移そのものより、・の推移を追う。

まとめ

出典

  1. 1.Iron-Binding Capacity(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2024)血清鉄は[[lab-values/transferrin|トランスフェリン]]に結合した鉄の血中濃度であり、健常では[[lab-values/transferrin-saturation|トランスフェリン飽和度]]が通常25〜35%にとどまること、鉄過剰(原発性・続発性ヘモクロマトーシス、輸血依存状態、サラセミア、経口避妊薬)で上昇し、鉄欠乏性貧血・出血・低栄養・慢性炎症状態で低下すること、日内変動が最大30%に達するため早朝空腹時採血が推奨されること、個体内日差変動も25〜30%あること、採血後2時間以内の血清分離が必要なこと、輸血歴・溶血検体・フッ化物・経口避妊薬・クロラムフェニコールが結果に干渉しうることを確認した。閲覧 2026-09-07
  2. 2.AGA Clinical Practice Guidelines on the Gastrointestinal Evaluation of Iron Deficiency Anemia(American Gastroenterological Association・2020)既存idを再利用した(src/content/diseases/iron-deficiency-anemia.mdで確認済み)。鉄欠乏の診断はフェリチンを中心に行い、血清鉄単独では鉄欠乏性貧血を確定・除外できないことを確認した。閲覧 2026-09-07
  3. 3.Iron Overload and Toxicity(StatPearls Publishing (NCBI Bookshelf)・2025)既存idを再利用した(src/content/diseases/acute-iron-toxicity.mdで確認済み)。急性鉄中毒では血清鉄濃度を摂取後4〜6時間で測定するのが理想だが、徐放・腸溶性製剤は吸収が遅れるため6〜8時間で再検すること、350 µg/dL未満は軽度・350〜500 µg/dLは中等度・500 µg/dL超は重症に対応することを確認した。閲覧 2026-09-07