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Lab values · Published

24時間尿中遊離コルチゾール

Urinary free cortisol

別名
尿中遊離コルチゾールUFCurinary free cortisol
臓器系
内分泌・代謝
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 E-06:糖質コルチコイド欠乏と過剰内科学 L-32:Cushing症候群
関連疾患
クッシング症候群

🧠 全体像(UFC)は、一日を通じた産生の総量を積算して測る、の3つの一次の一つである。が夜間最低値を、が負のフィードバックの応答性を見るのに対し、UFCは一日の総産生量を反映する点が異なる。感度は高いが、の正確さそのものが検査の精度を決め、腎機能低下では偽性に低値となって使えず、低値だけで副腎不全を診断する検査ではない。

何を測っているか

血中コルチゾールの大半は(CBG)とアルブミンに結合しており、だけが糸球体で濾過されて尿中へ出る。コルチゾール産生が増えてCBGの結合能が飽和すると、は総産生量の増加以上に不釣り合いに増える。この結果、量はコルチゾール過剰をに増幅して映し出す——UFCが高感度スクリーニングとして使われる根拠である。

flowchart TD
    A["副腎からコルチゾール産生"] --> B["大半はCBG・アルブミンへ結合"]
    A --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='free fraction'>遊離分画</span>のみ糸球体で濾過"]
    B -->|"産生増加でCBGが飽和"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='free fraction'>遊離分画</span>が不釣り合いに増加"]
    D --> C
    C --> E["尿中へ排泄"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='24-hour urine collection'>24時間蓄尿</span>でUFCとして測定"]

UFCが見ているのは「一日の総産生量の積分」であり、同じ一次スクリーニングでも検査ごとに見ている軸がまったく違う。

検査 見ている軸 何を反映するか
一日の総産生量の積分 CBG飽和による増加を尿排泄として積算する
の最低値 夜間に最低値まで下がるべきリズムが保たれているか
負のフィードバックの応答性 でACTH-コルチゾール系を抑え込めるか

基準値と単位

単位はµg/日(nmol/日)で報告される。⚠️ は測定法で大きく異なり、換算・流用できない。 )や高速液体など構造を直接分析する方法のは、抗体を用いる免疫測定より大幅に低く、同じ検体でもの値が免疫測定値の40%程度にとどまることがある1。免疫測定は構造の似たステロイドや代謝物とするため、異なる測定法のを混同しない。

高値の意味

意味 目安 注意点
の数倍という明確な高値 軽度高値は特異度が低く、これだけで確定に近づけない
生理的な軽度上昇(偽陽性、 前後〜軽度高値 、コントロール不良の糖尿病、妊娠、、極端な身体的ストレスで生じる
・過剰な水分摂取 軽度〜中等度高値 1日5 L以上の水分摂取で有意に上昇する1

低値の意味

この検査は副腎不全の診断には使わない。 低値側の識別能が乏しく、正常な生理的変動・測定上の誤差と真の産生低下を切り分けられない。

状況 解釈
。尿中クレアチニンでを確認する
腎機能低下 率が下がるほど尿中への排泄そのものが減る
による 真のを反映し得るが、副腎不全の重症度評価には用いない
の谷の時期 正常〜低値が出ても内因性過剰を否定しない

測定上の注意

⚠️ の正確さがこの検査の精度そのものを決める。

  • の過不足が最大の誤差源である。 開始・終了時刻の管理、途中の廃棄、容器の取り違えで容易に不正確になる。同時に尿中クレアチニンを測定し、体格・性別に見合った排泄量からを検証する実務が欠かせない。
  • 複数回(通常2回以上)測定する。 コルチゾール分泌は日々変動するため、単回の値だけでは判定しない1
  • 腎機能低下では偽性に低下する。 が60 mL/分を下回るとが生じ始め、腎不全が重いほど直線的に低下する1。重度腎不全ではUFCではなくを選ぶ1
  • ・大量の水分摂取はを作る。 1日5 L以上の水分摂取を確認する1
  • 偽陽性(生理的な軽度高値、、コントロール不良の糖尿病、妊娠、、極端な身体的ストレスで生じる。
  • を全で確認する。 吸入・外用・関節注射・経鼻を含めすべて申告させる。の一部はを抑制するため、免疫測定へしにくい薬剤ではその抑制の分だけ低値になる。一方でなど構造の近いやその代謝物は免疫測定へし、逆に高値へ振れることがある1。どちらへ振れるかは薬剤と測定法次第であり、機械的に一方向へ解釈しない。
  • では正常値が出る時期がある。 単回の正常値だけで否定しない。

経時変化とモニタリング

治療後の寛解評価と再発モニタリングに用いる。手術後は同じ測定法・手順をそろえて経過を追い、単回値の絶対値よりも治療前後の推移を重視する。が疑われる場合は、症状の強い時期に合わせて反復する。

結果から次へ進む

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='exogenous steroid'>外因性ステロイド</span>を全経路で除外"] --> B["3つの一次スクリーニングから患者に合うものを選ぶ"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='late-night salivary cortisol'>深夜唾液コルチゾール</span>"]
    B --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='24-hour urinary free cortisol'>24時間尿中遊離コルチゾール</span>"]
    B --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='low-dose dexamethasone suppression test'>低用量デキサメタゾン抑制試験</span>"]
    C --> F{"2つ以上・複数回で異常が一致するか"}
    D --> F
    E --> F
    F -->|"いいえ"| G["偽陽性・偽陰性要因を確認し再評価"]
    F -->|"はい"| H["生化学的過剰を確定"]
    H --> I["ACTHを測定し依存性/非依存性を分ける"]
    I --> J["画像・局在診断へ進む"]

⚠️ 画像から始めない。 UFCを含む一次スクリーニングで生化学的過剰を確定してから、ACTHで原因を分類し、そのあとに副腎・下垂体の画像検査へ進む。

まとめ

  • UFCは一日の総コルチゾール産生量を積算する検査で、夜間最低値を見る、負のフィードバック応答性を見るとは見ている軸が異なる。
  • は免疫測定と)で大きく異なり、換算できない。
  • の過不足が最大の誤差源であり、尿中クレアチニンでを確認し、通常2回以上測定する。
  • 腎機能低下ではとなるため使わず、を選ぶ。を作る。
  • 低値側の識別能は乏しく、副腎不全の診断には使わない。

出典

  1. 1.The Diagnosis of Cushing's Syndrome: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline(Endocrine Society・2008)一次スクリーニングとしてUFC・深夜唾液コルチゾール・低用量デキサメタゾン抑制試験のいずれかを患者背景に合わせて選び、UFCと唾液コルチゾールは少なくとも2回測定することを確認した。基準値が測定法(免疫測定とHPLC・LC-MS/MSなど構造分析法)で大きく異なりHPLC値が免疫測定値の40%程度にとどまり得ること、クレアチニンクリアランスが60 mL/分を下回ると偽性低値が生じ重度腎不全ほど直線的に低下すること・その場合1 mgオーバーナイトデキサメタゾン抑制試験を推奨すること、1日5L以上の水分摂取でUFCが有意に上昇すること、抗体を用いる免疫測定は代謝物や一部の合成グルココルチコイドと交差反応し得るが構造分析法ではこの問題が起きにくいことを確認した。閲覧 2026-08-03