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Microbe Atlas · 節足動物

Pthirus pubis

ケジラミ

分類
シラミ / LicePthirus
科目
DermatologyGynecology
トピック
2-15: Pediculosis14: Sexually transmitted diseases in female
原因となる疾患
シラミ症

🧠 全体像:ケジラミはPediculus属とは別属の吸血性で、幅広い蟹のような体型がなど粗く縮れた体毛への寄生に適応している。性的接触が主要な感染経路であり、性感染症として扱われる——診断時には他の性感染症の評価と、直近1か月のの検査・治療が求められる。もう一つの臨床上の重みは、まつ毛への寄生(phthiriasis palpebrarum)が小児で見つかった場合にの可能性を慎重に評価する契機になるという点である。

微生物学的な特徴

  • 体長1.5〜2 mm程度で、Pediculus humanusより小型かつ幅広く、蟹に似た体型を持つ
  • 太く鉤爪の発達した脚を持ち、のように太く間隔の広い体毛をしっかりつかむよう適応している——頭髪や体毛の細い毛に適応したPediculus humanusとは、この爪の間隔の違いが寄生部位の違いを生む
  • 主な寄生部位はだが、・胸毛・まれに睫毛・毛にも寄生する

病原性の仕組み

  • 吸血時の唾液に対する過敏反応でを生じる。慢性の吸血刺激により、寄生部位の皮膚にという特徴的なを残すことがある
  • Pediculus humanusと異なり、既知の病原体媒介能力は確立していない——ケジラミの臨床上の重みは感染症媒介ではなく、性感染症としての位置づけそのものにある

感染経路と疫学

  • 主に性的接触で伝播する。寝具・衣類・タオルを介した間接伝播も理論上考えられるが、頻度は低く議論がある
  • 睫毛へのは、成人では性的接触由来が多いが、小児では養育者との非性的な濃厚接触に由来することが多いとされる一方、状況によってはの可能性を慎重に除外すべきとされる1

起こす疾患

(陰部)、およびその亜型であるphthiriasis palpebrarum(睫毛の・充血)を起こす。

診断

  • などに生きた虫体・卵(nit)を確認する。を検出した場合は他の性感染症の評価を行う2
  • 睫毛病変はで、睫毛の生え際に付着する半透明の卵を確認する1

治療と予防

  • などの体幹部病変:1%またはを用いる
  • ⚠️ 直近1か月以内のを検査・治療する——は性感染症治療ガイドラインに位置づけられ、両者の治療完了まで性行為を避ける3
  • 睫毛病変には殺虫薬を使用しない。 眼周囲への刺激性を避けるため、下でのピンセットによる虫体・卵の摘出と、1日2〜4回・10日間のワセリン塗布による窒息法が治療の中心となる1
  • 小児の睫毛病変・陰部病変では、養育者からの非性的伝播の可能性とあわせての可能性を評価する——年齢・状況に応じて虐待評価のプロトコルに沿って対応する1

まとめ

  • ケジラミ(Pthirus pubis)はPediculus属とは別属で、蟹のような体型がなど粗い体毛への寄生に適応している。
  • 性的接触が主な感染経路であり、性感染症として扱われる。診断時は他の性感染症の評価と直近1か月のの検査・治療を行う。
  • は殺虫薬を使わずピンセット摘出とワセリン塗布で治療する。
  • 小児例の睫毛・陰部病変では、養育者からの非性的伝播もありうる一方、の可能性を慎重に評価する必要がある。

出典

  1. 1.Ectoparasitic Infections — Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021(Centers for Disease Control and Prevention・2021)ケジラミ症が性感染症治療ガイドラインの一部として扱われ、直近1か月以内の性的パートナーの検査・治療、双方の治療完了までの性行為の回避が推奨されることを確認した閲覧 2026-08-10
  2. 2.Phthiriasis Palpebrarum(StatPearls / NCBI Bookshelf (Gurnani B, Badri T, Hafsi W)・2024)睫毛への寄生(phthiriasis palpebrarum)が小児では性的接触以外に養育者との濃厚接触でも起こりうる一方、性的虐待の可能性を慎重に除外すべきであること、治療の中心が細隙灯下でのピンセットによる虫体・卵の摘出と1日2〜4回・10日間のワセリン塗布による窒息法であることを確認した閲覧 2026-08-10
  3. 3.Pediculosis(StatPearls / NCBI Bookshelf (Syed HA, Wills C)・2026)陰毛にシラミを検出した場合は他の性感染症の評価を促すべきであることを確認した閲覧 2026-08-10