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ベセスダシステム

Bethesda system

別名
ベセスダ
臓器系
腫瘍
科目
Internal MedicineSurgery
トピック
内科学 S-11:甲状腺結節・結節性甲状腺腫の評価と治療内科学 L-79:甲状腺腫瘍外科学 S-02:甲状腺の良性疾患と治療
適用疾患
甲状腺癌甲状腺濾胞腺腫非浸潤性甲状腺濾胞腫瘍・乳頭癌様核所見を伴うもの非中毒性甲状腺腫・甲状腺結節濾胞結節性疾患

🧠 全体像:は、の()の判定をI〜VIの6段階に標準化し、カテゴリーごとの悪性リスクと次の対応(再穿刺・経過観察・分子検査・手術)を一意に対応させる報告システムである。同じ「Bethesda」を冠する医療用語は他に2つある——()の報告様式である子宮頸部用Bethesdaシステムと、血友病のを測る(アッセイ)——が、いずれも・判定内容がの別ツールであり、本ノートの対象ではない。名称の一致だけで混同しないこと。

目的と適用場面

内容
目的 の検体を標準化されたカテゴリーへ分類し、悪性リスクと次に取るべき対応を一意に対応させる
対象 (等)とサイズ基準で適応と判断された
使う場面 施行後の細胞診レポート、そのまま経過観察・再穿刺・手術適応の判断に直結する
評価しないもの 適応そのものの判定(の領域)、との鑑別(の評価が必要で細胞診単独では確定できない)

構成要素とカテゴリー

⭐ 細胞診所見のみで判定するカテゴリー分類であり、点数を足し上げる採点式スコアではない。以下は2023年改訂第3版()による悪性リスク(ROM)の平均値・範囲1。

カテゴリー 意味 悪性リスク(平均/範囲) 代表的対応
I 不適正 検体不十分(のみの検体を含む) 13%(5〜20%) で再
II 良性 良性所見 4%(2〜7%) 超音波リスクに応じた経過観察
III () 良悪性を確定できない軽微な異型 22%(13〜30%) 再・分子検査・経過観察/を個別化
IV 濾胞増殖が優位での評価が必要。第3版で「疑い」の併記が外れ単一名称になった。好酸性(旧)型のときは「好酸性(OFN)」と明記する 30%(23〜34%) 分子検査または
V 悪性を強く疑うが確定に至らない 74%(67〜83%) 外科的切除を中心に検討
VI 悪性 悪性 97%(97〜100%) のへ

解釈とカットオフ

カテゴリーI・IIは保存的方向(再穿刺または経過観察)、III・IVは分子検査や診断的手術を交えた個別化、V・VIは外科的介入方向という段階構造を持つ。2023年第3版では、III()を想定ROMとに基づく2群(核異型/その他の異型)へ細分化し、6つのカテゴリーそれぞれに単一の名称を割り当ててI・III・IVの別称を廃し、用語を2022年分類に整合させたが、I〜VIの6段階構造自体は維持されている2。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 上記のパーセンテージは施設・NIFTP(様核所見を伴うの。第5版の「」で癌ではない)の扱い・分子検査の普及度によって変動する目安であり、暗記すべき固定値として扱わない。個々の患者では超音波所見・分子検査結果と統合して解釈する。

⚠️ カテゴリーIVは細胞診上の分類名であって確定診断ではない(第2版までの「疑い」という併記は第3版で外れ、名称は「」に一本化された2)。とはの有無で区別され、細胞診単独では鑑別できないため、すべての結節に無条件で手術するわけではない。

⚠️ はで採取された検体の細胞診判定であり、を行うかどうかの判断(超音波でのとサイズ基準)はこのシステムの対象外——両者を混同すると、低リスク結節への過剰なにつながる。

💡 カテゴリーI(不適正)は診断ではなく「」を意味し、嚢胞性病変で内容液のみ吸引された場合を除き再が原則となる。

まとめ

  • はの細胞診をI〜VIの6段階に分類し、カテゴリーごとの悪性リスクと対応(再穿刺・経過観察・分子検査・手術)を一意に対応させる。
  • 悪性リスクはI 13%(5〜20%)、II 4%(2〜7%)、III 22%(13〜30%)、IV 30%(23〜34%)、V 74%(67〜83%)、VI 97%(97〜100%)が2023年第3版の目安値で、施設・分子検査の普及度で変動する。
  • 「Bethesda」を冠するの報告様式、血友病のインヒビター力価測定法()とは対象・判定内容が異なる別ツールであり、混同しない。
  • 適応の判断()と、後の細胞診判定()は別の段階であり、混同しない。

出典

  1. 1.Management of Thyroid Nodules(Sisli Etfal Hastanesi Tip Bulteni(Uludag M, Unlu MT, Kostek M ほか)・2023)Table 3「The 2023 Bethesda System for Reporting Thyroid Cytopathology」で、第3版の成人におけるカテゴリー別悪性リスク(I 13%(5〜20%)、II 4%(2〜7%)、III 22%(13〜30%)、IV 30%(23〜34%)、V 74%(67〜83%)、VI 97%(97〜100%))が再掲されていることを確認した。本論文は第3版の値を再掲した二次資料であり、NIFTPを悪性に数えるか否かの前提は同表には示されていない。閲覧 2026-08-20
  2. 2.The 2023 Bethesda System for Reporting Thyroid Cytopathology(Thyroid(Ali SZ, Baloch ZW, Cochand-Priollet B, Schmitt FC, Vielh P, VanderLaan PA)・2023)抄録で確認した内容。第3版が6つの診断カテゴリー(不適正・良性・意義不明な異型・濾胞性腫瘍・悪性疑い・悪性)それぞれに単一の名称を割り当てたこと、各カテゴリーに想定される悪性リスク(ROM)が第2版以降のデータで更新され平均値に加えて予想される範囲が示されるようになったこと、意義不明な異型(AUS)の細分類が想定ROMと分子プロファイルに基づく2群へ簡素化されたこと、小児甲状腺疾患の記述と小児のROM・管理アルゴリズムが追加されたこと、用語が2022年WHO甲状腺腫瘍分類に整合させられたこと、分子・補助検査の章と臨床的観点・画像所見の章が新設されたことを確認した。本文は購読制のため未取得で抄録のみ確認しており、カテゴリー別の数値そのものは抄録に含まれない。閲覧 2026-08-20