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FACEDスコア

FACED score

臓器系
呼吸器
科目
Pulmonology
トピック
呼吸器内科 24:気管支炎と気管支拡張症
構成:症状
呼吸困難
構成:検査値
スパイロメトリー

🧠 全体像は、(非CF)の重症度・予後をFEV1予測値%・Age(年齢)・Colonization(緑膿菌定着)・Extension(放射線学的な罹患数)・Dyspnoea(呼吸困難)の5項目、合計0〜7点というシンプルな加算で評価するである。頭文字がそのまま構成要素を示すため覚えやすい。9項目・0〜26点のBronchiectasis Severity Index(と並んで語られることが多く、両者はしばしば「どちらを使うべきか」という比較の文脈で登場する——は一律ではなく、予測したい転帰によってどちらが優れるかが変わる

目的と適用場面

内容
目的 の重症度を簡便な5項目で層別化し、主に死亡率を予測する
対象 HRCTで診断が確定したの成人患者
使う場面 診断確定後の重症度層別化、ベッドサイドや外来での簡便な評価、より項目数が少ないため多施設研究・診療でのスクリーニングにも使われる
評価しないもの そのものの診断(HRCTで確定済みであることが前提)、原因検索、そのものの重症度

原著は819例(HRCTで診断が確定した患者)を対象とした多施設観察研究で、無作為に選んだ397例でスコアを構築し、残り422例で検証した。評価対象としたのは放射線学的診断後の5年である1

構成要素と配点

⭐ 5項目はいずれも二値(該当する/しない)で判定し、合計0〜7点で評価する。の9項目・0〜26点と比べ、項目数・点数の刻みとも小さく、暗算で採点しやすい12

0点 2点
50%以上 50%未満

年齢

0点 2点
70歳未満 70歳以上

緑膿菌の定着

0点 1点
なし あり

罹患数(放射線学的拡がり)

0点 1点
2葉以下 2葉超(3葉以上)

呼吸困難(

0点 1点
グレード0〜2 グレード3〜4

⚠️ ここでいう呼吸困難は0〜4の5段階である。が使う(古典版)1〜5の5段階(Fletcher分類系)であり、刻み方もも異なる。同じの重症度スコアでも、構成要素が同じ「呼吸困難」でも使っている尺度自体が違う点に注意する12

解釈とカットオフ

合計点 分類
0〜2点 軽症
3〜4点 中等症
5〜7点 重症

このは原著の論文以降の検証研究でも踏襲されている2

💡 項目数が少ない分、予測できる転帰の幅もより狭い。 スペインの182例・1年間の前向きコホートでは、増悪予測のAUCが 0.808に対しED 0.734、増悪による入院予測のAUCが 0.893に対しED 0.809と、いずれもEDを上回った2。一方で、別の比較研究では15年という長期の死亡率予測ではEDがを上回ったとする報告もある3

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 一律に互換というわけではない。 は9項目・0〜26点とより多くの臨床情報を組み込み、入院・増悪頻度・QOL・・肺機能低下の予測ではEDより優れるとされる。しかし研究の蓄積では、ある比較研究で15年という長期死亡率の予測はEDが上回った。「どちらが優れるか」は予測したい転帰次第で変わり、項目数が少なく簡便であることが常に予測精度の低さを意味するわけではない3

⚠️ 嚢胞性線維症(CF)によるには使わない。 原著の導出・検証コホートはHRCTで診断が確定したを対象としており、EDは専用のスコアである1

⚠️ 短期の増悪・入院リスクの評価には不向き。 スペインのでは、増悪予測・入院予測のAUCともにEDはより低く、短期的な臨床経過の予測にはの方が優れるという結果が示されている2

⚠️ の刻みを(古典版)と混同しない。 EDの呼吸困難項目は0〜4のは1〜5の古典的MRCであり、同じグレード番号でも意味する重症度が異なる。両スコアを併記・比較するときに取り違えやすい12

まとめ

  • ・年齢・緑膿菌定着・罹患数・呼吸困難()の5項目を加算する、である。
  • 各項目は二値判定で、合計0〜7点。0〜2点=軽症、3〜4点=中等症、5〜7点=重症と分類する。
  • 9項目・0〜26点のと比べて項目数が少なく簡便だが、増悪・入院予測ではに劣るという報告がある一方、長期(15年)死亡率予測ではEDが優れたとする報告もあり、一律に互換ではない。
  • 対象はに限られる。
  • 呼吸困難の評価尺度がの古典的MRC(1〜5)とは異なる0〜4のである点に注意する。

出典

  1. 1.Multidimensional approach to non-cystic fibrosis bronchiectasis: the FACED score(European Respiratory Journal(Martínez-García MA, et al.)・2014)FACEDスコアがFEV1予測値%(F)・年齢(A)・緑膿菌定着(C)・放射線学的肺葉数(E)・呼吸困難(D)の5項目からなること、819例(HRCTで確定した非CF気管支拡張症患者)を導出用397例・検証用422例に分けて構築したこと、評価対象を放射線学的診断後の5年全死亡率としたことを確認した。閲覧 2026-08-10
  2. 2.Comparison of two prognostic scores (BSI and FACED) in a Spanish cohort of adult patients with bronchiectasis and improvement of the FACED predictive capacity for exacerbations(PLoS ONE(Rosales-Mayor E, et al.)・2017)FACEDの各項目の正確な配点基準(FEV1予測値50%未満で2点・年齢70歳以上で2点・緑膿菌定着ありで1点・罹患肺葉数2葉超で1点・mMRC呼吸困難グレード3〜4で1点、合計0〜7点)、軽症0〜2点・中等症3〜4点・重症5〜7点という重症度分類を確認した。182例(平均年齢68歳、男性40%)・1年間の前向きコホートで、増悪予測のAUCがBSI 0.808・FACED 0.734、気管支拡張症増悪による入院予測のAUCがBSI 0.893・FACED 0.809と、いずれもBSIがFACEDを上回ったことも確認した。閲覧 2026-08-10
  3. 3.The Bronchiectasis Severity Index and FACED score for assessment of the severity of bronchiectasis(Pulmonology(Sociedade Portuguesa de Pneumologia; Costa JC, et al.)・2018)BSIの合計点範囲が0〜26点であること、比較対象のFACEDスコアの構成、BSIが入院・増悪頻度・QOL・呼吸器症状・運動耐容能・肺機能低下の予測でFACEDより優れるとされる一方、ある比較研究では15年死亡率の予測はFACEDが優れたことを確認した(この優劣の比較は本論文自身の結果ではなく、考察で引用されている先行研究の知見)。両スコアとも非CF気管支拡張症を対象とすることも確認した。閲覧 2026-08-10