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Symptoms · Published

疝痛

Colicky abdominal pain

別名
疝痛様腹痛
臓器系
消化器免疫・膠原病
科目
Surgery
トピック
外科学 A/09:イレウス(腸閉塞)の診断と治療
関連疾患
IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)遺伝性血管性浮腫鉛中毒大腸癌腸間膜虚血(急性・慢性、虚血性大腸炎を含む)腸重積症潰瘍性大腸炎

🧠 全体像:疝痛は「管腔臓器が閉塞・攣縮した部位を越えようと蠕動が波状に強く働く」ことで生まれる痛みで、蠕動の山で激痛、谷で軽快するという周期性が本質である。腹膜炎との対比(動き回るか、じっとしているか)は腹痛に譲り、ここでは閉塞の原因が機械的とは限らないという軸で機序を整理する——固形物による閉塞だけでなく、や血管炎によるの急激な腫脹、あるいはの初期段階でも同じ波状パターンが生じる。

疝痛とは何か

  • 疝痛は持続痛ではなく、数分〜数十分の周期で増悪と軽快を繰り返す痛みである。
  • 波の間欠期に痛みがほぼ消える点が、持続する炎症性の痛みと区別する手掛かりになる。
  • 蠕動を持つ管腔臓器(腸管、尿管、胆道)に共通する現象で、部位によって放散パターンが変わる。

機序で分ける

機序 代表的な原因 特徴
大腸癌による狭窄、癒着 閉塞部位よりの腸管が拡張し蠕動が亢進、嘔吐・便秘を伴う
壁の浮腫・攣縮 の腸管発作 が急速に浮腫化し、に酷似する
血管炎による壁病変 IgA血管炎( の浮腫・出血が疝痛を起こし、を誘発することがある
虚血の初期 攣縮性の疝痛で始まり、虚血が進行すると持続痛へ移行する

💡 の腹部発作は、紅斑・浮腫の既往や誘因(外傷・ストレス・エストロゲン)を聞かなければ、画像上「腸管浮腫」以外の手掛かりに乏しく、として不要な開腹術に至った報告がある。

見逃してはいけない変化

⚠️ 疝痛が持続痛に変わったら、可逆的な攣縮から不可逆的な虚血・壊死への進行を疑う。 波の消失は「よくなった」のではなく、蠕動そのものが止まった可能性がある。

⭐ IgA血管炎の小児で疝痛が急に増強・持続化した場合は、紫斑や状だけでなくの合併を考える。

鑑別の進め方

flowchart TD
    A["波状に増悪・軽快する腹痛"] --> B{"紫斑・浮腫の既往はあるか"}
    B -->|"紫斑を伴う"| C["IgA血管炎を疑う"]
    B -->|"浮腫発作の既往・家族歴"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hereditary angioedema (HAE)'>遺伝性血管性浮腫</span>を疑う"]
    B -->|"なし"| E{"排便停止・嘔吐・膨満はあるか"}
    E -->|"あり"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mechanical obstruction'>機械的閉塞</span>を画像で評価"]
    E -->|"なし・血管リスクあり"| G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mesenteric ischemia'>腸間膜虚血</span>を考慮し乳酸・造影CTへ"]

まとめ

  • 疝痛は管腔臓器の閉塞・攣縮に対する蠕動亢進が周期性を作る現象で、間欠期に痛みがほぼ消える。
  • 原因はに限らず、や血管炎による壁病変でも同じ波状パターンが起こる。
  • 疝痛が持続痛へ変化したら、可逆的な攣縮から虚血・壊死への進行を疑う。
  • IgA血管炎の疝痛の合併を考える。