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Symptoms · Published

血行動態不安定

Hemodynamic instability

臓器系
循環器
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 L-55:消化管出血
関連疾患
異常子宮出血(機能性子宮出血)血液・腫瘍救急(発熱性好中球減少症・腫瘍崩壊症候群・上大静脈症候群)消化管出血(上部・下部)新生児敗血症大動脈瘤腸回転異常・中腸軸捻転

🧠 全体像とは、心拍出量との組み合わせで維持されている血圧を、が支えきれなくなった状態を指す。原因は出血(消化管出血・)、感染性の血管拡張()、に伴う)、静脈還流や代謝の破綻()など疾患ごとにまったく異なるが、評価の骨格はどの原因でも共通する——血圧が下がるより先に脈拍が上がる、という代償の順序を知っていれば、血圧が正常なうちに悪化を捉えられる。

何が破綻しているか

代償から非代償への進行

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hypovolemia'>循環血液量減少</span>・血管拡張・心拍出量低下"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sympathetic nervous system'>交感神経系</span>の代償<br>頻脈・末梢血管収縮"]
    B --> C{"代償が保たれているか"}
    C -->|"はい"| D["血圧は正常範囲<br>頻脈・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='delayed capillary refill'>毛細血管再充満遅延</span>・軽度乳酸上昇のみ"]
    C -->|"いいえ"| E["代償が破綻<br>血圧低下(遅い徴候)"]
    D --> F["原因を放置すると<span class='jp-term jp-term-diagram' title='decompensated stage'>非代償期</span>へ進行する"]
    E --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tissue perfusion'>組織灌流</span>不全が進行し、臓器障害・乳酸上昇が悪化する"]

⚠️ 血圧が正常だからといって循環が保たれているとは限らない。 頻脈、の延長(目安2秒以上)、乳酸値の上昇、意識状態の変化、は、血圧低下より先に現れるであり、これらを追うことで血圧が下がるのを待たずに介入できる。

原因が異なっても評価は共通する

原因疾患 主な機序 特徴的な経過
消化管出血 (出血) 初期のヘモグロビン値が正常でもを否定できない
血液分布異常( 発熱がなくても、体温不安定・活気低下だけで進行しうる
に伴うと敗血症様の進行 全身状態の急速な悪化は広範な腸管壊死を示唆する
血液・ 感染性()、)など複数の機序が併存しうる などの重症度評価もがあれば覆される

⭐ 出血源やの特定を急ぐより先に、気道・呼吸・循環の安定化、輸液、必要なら)を優先するという原則は、原因を問わず共通する。

見逃してはいけないサイン

⚠️ 乳酸値の上昇はを反映する。血圧が保たれていても持続する上昇や高値は重症度を示すため、単回値より推移を追う。

⚠️ 頻脈のみで「だから安全」と判断しない。頻脈は発熱・疼痛・不安でも生じる非特異的所見だが、・意識変容・を伴う頻脈は軽視できない。

まとめ

  • は、(頻脈・末梢血管収縮)が血圧を維持できなくなった状態であり、低血圧は代償が破綻した後に現れる遅い徴候である。
  • 原因(出血、感染性血管拡張、)は疾患ごとに異なるが、頻脈・・乳酸値・意識状態・尿量という共通の評価軸で捉えられる。
  • 小児・新生児は血管収縮で血圧を維持する能力が高く、正常血圧のまま急激に破綻しうるため、血圧だけに頼った評価は危険である。
  • 原因の特定より先に気道・呼吸・循環の安定化を優先するという順序は、すべての原因疾患に共通する。