Cardiology

Cardiology · B-01

大動脈弁狭窄症と大動脈弁閉鎖不全症の治療

Treatment of aortic valve stenosis and aortic valve insufficiency

前提:病態
変性性弁膜症弁膜症とその結果
前提:正常
心臓・心膜心周期と心音
疾患
心臓弁膜症大動脈弁狭窄症大動脈弁閉鎖不全症

🧠 全体像は「狭い出口を交換する」、は「逆流で拡大する左室を不可逆的に傷む前に介入する」と捉える。

大動脈弁狭窄症の治療

大動脈弁置換術

は重症ASのである。症候性重症AS、または無症候でも低下、運動負荷での症状・異常血圧反応、超などがあれば介入を検討する。中等度ASは、通常、別の心臓手術を同時に行う場合などを除き単独AVRの適応ではない。を生じ得るが、高齢者ではに対する耐久性と長期抗凝固を避けられる利点から選ばれやすい。

経カテーテル的大動脈弁留置術

は、に載せたを狭窄した内へ展開し、石灰化したを外側へ押し広げて固定する低侵襲治療である。には、から大動脈弁へ逆行する、左室からするから直接入るがある。現在は解剖学的に可能ならアクセスが中心で、アクセスは一般的な第一選択ではない。

TAVIはもはや高リスク・手術不能リスクだけに限定されない。年齢・、外科リスク、アクセスの可否、すべきCABGや他弁手術、将来の再介入をで統合してSAVRと選択する。1

外科手術を支持 TAVIを支持
TAVIに不適な解剖 LIMAがある
左室・大動脈内腫瘤
胸部放射線治療歴
外科リスクが低い 外科リスクが高い

このの各項目は絶対適応ではない。たとえば開存したLIMAは再リスクを高めてTAVIを支持し得る一要素だが、単独で治療法を決めず、CTでアクセス・走行を評価する。

バルーン大動脈弁形成術と薬物療法

は、カテーテル先端の収縮させたバルーンを狭窄弁口へ置き、拡張して癒合・石灰化したを押し広げる。画像の「拡張前→→拡張後」は弁口が一時的に拡大することを示すが、を留置するTAVIとは異なり弁を置換しないためが多い。現在は主に不安定例のSAVR/TAVIまでの橋渡し、またはができない選択例の一時的症状緩和として用いる。ASそのものを治す薬剤はなく、手術中の利尿薬も慎重な症状軽減にとどまる。1

大動脈弁閉鎖不全症の治療

慢性ARでは心エコーで重症度、、左室径とそのを追跡する。高血圧はACE阻害薬/ARBやなどで治療し、うっ血にはを用いる。ただし、これらは逆流そのものを根治せず、手術適応例のAVRを代替しない。ジゴキシンもARに一律に用いる薬剤ではなく、併存する不整脈・心不全・虚血など別の適応で判断する。

症候性重症ARはLVEFにかかわらずAVRの適応となる。 無症候性重症ARでは、LVEF低下(ACC/AHAではLVEF ≤55%、ESCではLVEF ≤50%が代表的な介入基準)または高度(LVESD >50 mmまたはLVESD index >25 mm/m²)を基にAVRを検討し、な悪化も重視する。急性重症ARは緊急手術を要する。2 1

flowchart TD
  A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='aortic valve disease'>大動脈弁疾患</span>"] --> B["AS:前方への流出障害"]
  A --> C["AR:左室への逆流"]
  B --> D["適応を満たす → AVR/高リスクならTAVI"]
  C --> E["症状・LV機能不全・LV拡大を評価"]
  E --> F["慢性重症 → AVR"]
  E --> G["急性重症 → 緊急手術"]

まとめ

  • ASの根治はAVRで、年齢・・外科リスク・アクセス・弁やの解剖をで統合してSAVRとTAVIを選ぶ。
  • と薬物療法は主に橋渡し・症状緩和である。
  • ARは心エコーで左室を追跡し、急性重症例は緊急手術、慢性重症例は症状・EF・を基にAVRを行う。

出典

  1. 1.2021 ESC/EACTS Guidelines for the management of valvular heart disease(European Society of Cardiology / European Association for Cardio-Thoracic Surgery・2022)重症大動脈弁疾患の介入適応、TAVIとSAVRの個別選択、バルーン形成術の橋渡しとしての位置づけ閲覧 2026-08-09
  2. 2.2020 ACC/AHA Guideline for the Management of Patients With Valvular Heart Disease(American College of Cardiology / American Heart Association・2021)慢性重症大動脈弁閉鎖不全症の症状・左室機能・左室径に基づく介入基準閲覧 2026-08-09