Dermatology

Dermatology · 2-03

性器ヘルペスウイルス感染症

Genital Herpes Virus Infections

前提:病態
単純ヘルペスウイルス1・2型抗ヘルペス・抗水痘帯状疱疹ウイルス薬
疾患
単純ヘルペスウイルス感染症
症状
外陰部潰瘍
検査値
ウイルス培養シェルバイアル法抗ウイルス薬感受性試験

🧠 全体像はHSV-1またはHSV-2がへ潜伏し、と再発を繰り返す感染症である。からNAATで確定し、では軽症でも早期に全身性抗ウイルス薬を開始する。12

感染と病態

皮膚・粘膜接触で伝播し、明らかな水疱がない時期にも無症候性排出により感染し得る。HSV-1性器感染は口腔性交に関連し、一般にHSV-2より再発・性器排出が少ない。1

flowchart TD
  A["皮膚・粘膜からHSV侵入"] --> B["局所で小水疱・びらん・潰瘍"]
  B --> C["知覚神経を逆行"]
  C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sacral'>仙髄</span>神経節へ潜伏"]
  D --> E["再活性化"]
  E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='recurrent lesion'>再発病変</span>または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='asymptomatic viral shedding'>無症候性ウイルス排出</span>"]

臨床像

病型 主な所見
小水疱が破れて疼痛性びらん・潰瘍となる。発熱、筋痛、鼠径リンパ節腫脹、、尿閉を伴い得る
再発 前駆する灼熱感・・疼痛の後、限局した小水疱・・びらん。初回より短く軽いことが多い
無症候感染 病変がなくてもがあり、感染源となり得る

診断

  • 活動性水疱・潰瘍から型別NAAT/PCRを第一選択として行う。利用できない場合はを用いるが、治癒過程の病変では感度が低い。3
  • 病変がない場合やパートナーがHSV-2陽性の場合は、適応を選んで型特異的血清抗体検査を用いる。3
  • は感度・特異度が低く、HSV型も区別できないため診断の根拠にしない。
  • 性器潰瘍では梅毒検査とHIV検査も行う。

治療

状況 経口治療例
アシクロビル400 mg 1日3回、1 g 1日2回、または250 mg 1日3回を7〜10日
または発疹出現1日以内に短期レジメンを開始
頻回再発、生活への影響、伝播低減の希望に応じ、毎日のアシクロビル・を選ぶ。によるはHSV-2の排出とパートナーへの伝播を減らす。4

外用抗ウイルス薬は臨床的利益が小さく推奨されない。重症播種、中枢、経口不能では静注アシクロビルを用いる。

感染予防と妊娠

  • 病変・のある期間は性行為を避ける。はリスクを下げるが、覆われない皮膚からの感染を完全には防げない。
  • と無症候性排出についてパートナーへ説明する。4
  • の初感染や分娩時病変はの高リスクであり、産科と連携する。12

まとめ

  • HSVは神経節に潜伏し、再発と無症候性排出を繰り返す。
  • 小水疱が疼痛性びらん・潰瘍へ変化する形態が典型である。
  • 診断は病変NAATが第一選択で、には依存しない。
  • 初回発症は全例経口治療し、頻回再発ではを検討する。

出典

  1. 1.Genital Herpes Infection: Progress and Problems(2023)HSV-1・HSV-2による性器ヘルペスが仙髄神経節へ潜伏し、再活性化により再発潰瘍または無症候性排出を来して伝播し得ること、抗ウイルス薬が症状・再発・排出を抑えることを確認した。閲覧 2026-08-13
  2. 2.Diagnosis of genital herpes simplex virus infection in the clinical laboratory(2014)活動性粘膜皮膚病変では型別PCRが培養より高感度で、型特異的血清検査は無症候者の選択的評価に用いることを確認した。閲覧 2026-08-13
  3. 3.2024 European guidelines for the management of genital herpes(2025)性器ヘルペスの診断、早期治療、再発時管理、伝播低減、妊娠時管理を含む欧州ガイドラインであることを確認した。閲覧 2026-08-13
  4. 4.Once-daily valacyclovir to reduce the risk of transmission of genital herpes(2004)HSV-2不一致カップルで、バラシクロビルによる毎日の抑制療法がウイルス排出とパートナーへの伝播を減らすことを確認した。閲覧 2026-08-13