内科学

内科学 · R-09

結節性多発動脈炎

Polyarteritis Nodosa

前提:病態
動脈炎・静脈炎(血管炎)
疾患
結節性多発動脈炎

🧠 全体像:は、中小型の壊死性炎症により、腎・腸管・皮膚・末梢神経へ虚血とを生じる。糸球体腎炎とを通常起こさない点が関連血管炎との大きな違いである。1

病態と原因

病変は血管壁全層のを呈し、新旧病変が混在する。狭窄・血栓による梗塞と、壁による動脈瘤・出血を同時に起こし得る。多くは特発性だが、B型肝炎ウイルスなどに関連する。

flowchart TD
  A["中小型<span class='jp-term jp-term-diagram' title='muscular artery'>筋性動脈</span>の壊死性炎症"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='luminal narrowing'>内腔狭窄</span>・血栓"]
  B --> C["腎・腸管・神経・皮膚虚血"]
  A --> D["血管壁の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='detrusor weakness'>脆弱化</span>"]
  D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='microaneurysm'>微小動脈瘤</span>・破裂・出血"]

臨床像

系統 主な所見
全身 発熱、体重減少、倦怠感、筋痛・関節痛
皮膚 、皮下結節、潰瘍、虚血
神経 、左右非対称の感覚・運動障害
腎 虚血による高血圧・腎機能低下;糸球体腎炎ではない
消化管 食後腹痛、・梗塞、穿孔、出血
生殖器 精巣痛・圧痛
肺 通常は保たれ、肺胞出血があれば別の血管炎を考える

診断

  • は通常陰性で、HBsAg・ など原因検索を行う。
  • 腎・腸間膜動脈造影で多発、狭窄、途絶を捉える。
  • 皮膚、筋、末梢神経など症候性組織の生検で、のを確認する。
  • 生検は病変のある皮膚、筋、末梢神経など、診断収率と安全性を考えて標的を選ぶ。生検が困難または陰性でも疑いが強ければ、画像を組み合わせる。1

1990 ACRの10項目中3項目という基準は歴史的分類基準であり、ではない。体重減少、、精巣痛、筋痛、単、高血圧、腎機能異常、、異常、生検所見が含まれる。

治療

病型
非重症PAN glucocorticoidを基本とし、、依存性、毒性に応じてやなどの併用を個別に検討
臓器・生命を脅かすPAN 高用量glucocorticoid+で寛解導入2
長期継続を避け、必要な症例ではやなどを選択肢とする
関連PAN 抗ウイルス薬を中心に、短期glucocorticoidとを専門的に組み合わせる

⚠️ は全PAN患者へ一律に投与する薬ではない。重症度、感染関連、妊孕性、悪性腫瘍・感染リスクを評価して選ぶ。

PANはまれで比較試験が少なく、2021年ACR/血管炎財団の推奨の多くも条件付きである。薬剤の追加・間は臓器障害、、毒性を踏まえて決める。2

まとめ

  • PANはので、腎・腸管・末梢神経・皮膚を侵す。
  • と糸球体腎炎を通常欠き、は陰性である。
  • または生検で確認し、重症度と関連性に応じて治療する。

出典

  1. 1.Diagnosis and classification of polyarteritis nodosa(Journal of Autoimmunity・2014)PANが中型動脈主体で糸球体腎炎を伴わずANCA陰性であり、安全性と診断収率から症候性の皮膚・筋・神経生検または血管造影を選ぶことを支持する閲覧 2026-08-13
  2. 2.2021 American College of Rheumatology/Vasculitis Foundation Guideline for the Management of Polyarteritis Nodosa(American College of Rheumatology / Vasculitis Foundation・2021)PANの診断に症候性組織の生検と血管画像を用い、重症例ではグルココルチコイドとシクロホスファミドで早期治療し長期毒性を抑えることを支持する閲覧 2026-08-13