Internal Medicine

Internal Medicine · H-20

リンパ節腫脹の評価

Evaluation of Lymphadenopathy

前提:病態
骨髄・リンパ系の非腫瘍性疾患
前提:正常
免疫・リンパ系:リンパ節
疾患
リンパ腫多中心性Castleman病
症状
リンパ節腫脹
検査値
赤沈

🧠 全体像:リンパ節腫脹は感染、炎症・自己免疫、薬剤、悪性腫瘍などで生じる。評価の要点は、局在性か全身性か、急性か持続性か、所属領域に原因があるか、悪性を示唆する所見や緊急病態があるかを順に判断することである。

分布による分類

分布 定義・考え方 主な原因
局在性リンパ節腫脹 1つのに限局 所属領域の感染、局所腫瘍の転移、初期リンパ腫
全身性リンパ節腫脹 連続しない2領域以上 ウイルス感染、HIV、結核、自己免疫疾患、薬剤、リンパ腫・白血病

部位と所属領域

部位 よく評価する領域・原因
前頸部・ 口腔、歯、咽頭、甲状腺、
後頸部 頭皮、感染、風疹、結核
胸腔・腹腔内悪性腫瘍、リンパ腫。左として特に重要
腋窩 上肢・乳房・胸壁の感染や腫瘍、ワクチン反応
上肢感染、梅毒、など。触知自体が警戒所見になり得る
鼠径 下肢・感染、性感染症。でも小さなリンパ節を触れ得る
下腿・足部病変。触知時は局所原因と全身性疾患を評価

良性と悪性を見分ける手掛かり

所見 悪性を疑う方向 反応性を示唆する方向
経過 4〜6週以上持続、進行性増大 2週以内の急性経過、縮小傾向
大きさ 2 cm超や増大傾向 小さく安定。ただし部位・年齢で解釈する
硬さ 硬い、弾性硬、ゴム様 軟らかい
可動性 固定、周囲組織や他の節と癒合 可動性良好
疼痛 無痛性が多い 圧痛を伴うことが多い
部位 、全身性 感染領域に対応した頸部・など
随伴所見 B症状、肝脾腫、血球異常 局所の感染徴候

これらは確率を変える所見であり、痛いから良性、硬いから悪性と断定はできない。鼠径では2 cm程度、では1 cm程度まで反応性に触れることがある一方、リンパ節は小さくても注意する。臍周囲の硬い結節()はリンパ節ではなく皮膚・臍転移だが、腹腔内悪性腫瘍の重要な徴候である。

診断の流れ

flowchart TD
    A["リンパ節腫脹を確認"] --> B{"緊急な圧迫症状があるか"}
    B -->|"はい"| C["気道・血管・脊髄を直ちに評価"]
    B -->|"いいえ"| D{"局在性か全身性か"}
    D -->|"局在性"| E["所属領域の感染・腫瘍を検索"]
    D -->|"全身性"| F["感染・免疫・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='blood dyscrasias'>血液疾患</span>を系統的に評価"]
    E --> G{"悪性警戒所見または持続があるか"}
    F --> G
    G -->|"はい"| H["画像評価と組織生検"]
    G -->|"いいえ"| I["原因治療または期限を定めた再診"]

病歴・診察

  • 発症時期、増大速度、疼痛、感染症状、B症状を確認する。
  • 薬剤、ワクチン、旅行・動物・結核曝露、性行動、免疫抑制を確認する。
  • 、口腔・皮膚・乳房、肝脾、関節を診察する。

検査

検査 目的
血算・ 白血病、リンパ球増加、
CRP/、肝腎機能、LDH、尿酸 炎症、臓器障害、の手掛かり
感染検査 EBV、CMV、HIV、結核、などを病歴に合わせて選択
自己免疫検査 SLEなどが疑われる場合に選択
超音波 表在節の大きさ、形、内部構造、血流、穿刺経路の評価
CT 深部リンパ節、胸腹部病変、臓器圧迫の評価
PET/CT 診断済みリンパ腫の病期・治療反応評価、生検部位の選択

生検

リンパ腫では細胞像だけでなくリンパ節の構築が診断に重要であるため、可能ならを行う。切除が困難な深部病変ではが選択肢となる。のみでは、リンパ腫の除外や亜型分類に不十分なことがある。

まとめ

  • 最初に局在性か全身性かを分け、局在性では所属領域を丁寧に調べる。
  • 持続・増大、硬さ・固定、、B症状、肝脾腫、血球異常は悪性を疑う手掛かりである。
  • 単一の大きさや疼痛だけで良悪性を決めず、臨床背景を統合する。
  • リンパ腫が疑われる場合は、を評価できるを優先する。