Internal Medicine

Internal Medicine · L-33

Mineralocorticoid過剰症

Mineralocorticoid Overproduction

前提:病態
カリウム保持性利尿薬・ADH拮抗薬
前提:正常
副腎皮質の機能副腎皮質のステロイドホルモン合成

🧠 全体像はアルドステロンによりレニンが抑制される高血圧で、低K血症は一部にしかみられない。アルドステロン–レニン比でスクリーニングし、片側性か両側性かを副で判定して手術またはを選ぶ。

病態と分類

アルドステロンは遠位でNa再吸収とK・H排泄を促す。過剰になると増加、高血圧、低K血症、を来すが、のため著明な浮腫は通常生じにくい。

病型 レニン アルドステロン 主な原因
低値 両側副腎過形成、、片側過形成、家族性、まれに副
二次性アルドステロン増加 高値 高値 、レニン産生腫瘍、利尿薬、心不全、肝硬変
偽性過剰 低値 低値 、Liddle症候群、見かけの過剰症、Cushing症候群

いつ疑うか

  • 高血圧、特に治療抵抗性、若年発症、低K血症、睡眠時無呼吸、脳卒中・高血圧の家族歴。
  • 低K血症がなくても除外できない。現在の指針では高血圧患者を広くスクリーニングする方向にあり、実施可能性と地域基準に合わせる。
  • は血圧の程度を超えて心房細動、脳卒中、冠疾患、CKDリスクを増やす。

診断

flowchart TD
    A["高血圧で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='primary aldosteronism, PA'>原発性アルドステロン症</span>を疑う"] --> B["Kを補正・Na摂取と薬剤を確認"]
    B --> C["アルドステロン+レニン+ARR"]
    C --> D{"レニン抑制+アルドステロン<span class='jp-term jp-term-diagram' title='inappropriately elevated'>不適切高値</span>"}
    D -->|"いいえ"| E["検査条件・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pretest probability'>事前確率</span>を踏まえ再評価"]
    D -->|"はい"| F["必要に応じ抑制試験"]
    F --> G["副腎CT"]
    G --> H{"手術を希望・適応あり"}
    H -->|"はい"| I["原則AVSで片側性/両側性を判定"]
    H -->|"いいえ"| J["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mineralocorticoid receptor antagonist, MRA'>ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬</span>"]
    I --> K["片側性:<span class='jp-term jp-term-diagram' title='laparoscopic'>腹腔鏡下</span>副<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Nephrectomy'>腎摘</span>除"]
    I --> L["両側性:薬物治療"]

スクリーニングの注意

アルドステロンとレニンを同時測定し、アルドステロン–レニン比を解釈する。低K血症はアルドステロンをにするため補正し、極端なNa制限を避ける。MRA、、利尿薬、ACE阻害薬/ARB、β遮断薬などは結果へ影響するため、安全性を優先して・代替の可否と施設プロトコルに従う。ARRの固定だけで診断せず、レニン抑制、アルドステロン絶対値、単位・測定法を合わせて読む。

明らかな自然発症低K血症、レニン抑制、著明なアルドステロン高値など確率が極めて高い場合は抑制試験を省略できることがある。それ以外では、経口食塩負荷、試験などを選択するが、心不全・重症高血圧・腎機能低下ではの安全性に注意する。

サブタイプ診断

副腎CTは大きな腫瘍の除外と解剖確認に有用だが、を区別できない。手術方針を決める際は原則として副(AVS)を行う。若年で自然発症低K血症、著明なアルドステロン過剰、片側の典型的腺腫が完全に一致する選択例では省略を検討できる。

AVSでは左右副と下大静脈のアルドステロン・コルチゾールを測る。まず副コルチゾール/IVCコルチゾールので正しく採血できたかを確認し、次に左右のアルドステロン/コルチゾール比(A/C比)を比較するで片側優位を判定する。数値例として右A/C 2.4、左A/C 15.6なら左/右比は約6.5となり、左側優位を示す。実際のはACTH刺激の有無と施設プロトコルで異なるため、この数値を固定基準として流用しない。

治療

  • 片側性:除。術後はK、腎機能、血圧、アルドステロン・レニンを追跡する。
  • 両側性、手術不能・希望しない場合:またはeplerenone。血圧とKだけでなく、レニン抑制の解除も治療十分性の参考にする。
  • などが問題なら、選択性の高いeplerenoneを考慮する。は代替となり得る。
  • 二次性アルドステロン増加では、心不全、肝疾患など原疾患を治療する。

まとめ

  • はレニン抑制を伴い、正常Kでも否定できない。
  • ARRは検査条件、薬剤、K、アルドステロン絶対値と一体で解釈する。
  • CTだけで左右を決めず、手術候補は原則AVSで片側性を確認する。