Neurology

Neurology · G1-08

意識消失の病因と無反応患者の診察

G1-08: Etiologies of the unconscious state and examination of the unconscious patient

前提:正常
網様体とモノアミン作動系錐体外路系(大脳基底核との関連)
症状
自動症
スコア
グラスゴー昏睡尺度

🧠 全体像患者では診断より先に、気道・呼吸・循環と血糖を同時に立て直す。次に「構造性脳病変」か「びまん性の代謝性・障害」かを、瞳孔、眼球運動、、検査・画像で並行して見分ける。

病因の枠組み

分類 主な原因 手がかり
構造性 、虚血性・出血性脳卒中、腫瘍、閉塞性水頭症 局在徴候、、急な悪化。頭部CTを急ぐ
低酸素・代謝性 心停止・呼吸不全、低血糖、、Na異常、肝性・ 左右対称性の反応低下が多いが、例外はある。血糖・電解質・血液ガスを確認
・離脱 アルコール、オピオイド、ベンゾジアゼピン、その他の鎮静薬、CO・、アルコール等の離脱 呼吸抑制、瞳孔、皮膚・発汗、薬剤歴、毒物検査を組み合わせる
感染・炎症 髄膜炎、脳炎、敗血症関連脳症 発熱、、発疹、免疫不全。抗菌・抗ウイルス治療を検査待ちで遅らせない状況がある
発作性 状態、非けいれん性てんかん重積状態 眼球、細かな、原因不明の持続的反応低下。EEGで評価
・その他 心停止、ショック、失神後、機能性・解離性 低灌流の補正を優先。機能性と判断する前に原因を除外

初期対応

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='non-response'>無反応</span>患者を発見"] --> B["応援要請・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cervical vertebra'>頸椎</span>保護を考慮"]
    B --> C["A:気道確保、必要時に気道介入"]
    C --> D["B:酸素化・換気を評価し補助"]
    D --> E["C:脈拍・血圧・灌流を評価し蘇生"]
    E --> F["同時にベッドサイド血糖・体温・モニター"]
    F --> G["GCSをE・V・M別に記録、瞳孔・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Motor response, M'>運動反応</span>を評価"]
    G --> H["検査・CT・EEG・必要時の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='CSF analysis'>髄液検査</span>で原因検索"]

⚠️ GCSが8以下は強く疑う目安だが、挿管は数値だけでなく気道反射、換気・酸素化、外傷、経過を含めて判断する。初期診療では施設の救急プロトコルに従う。

Glasgow Coma Scale(GCS)

E・V・Mを別々に記録する(例:E2V3M5)。挿管中などで言語評価不能なら総点だけでなく理由を併記する。

項目 反応(点)
E 自発4、呼びかけ3、疼痛2、なし1
言語 V 5、混乱4、3、2、なし1
運動 M 命令に従う6、疼痛部位を5、疼痛から4、異常屈曲3、伸展2、なし1

原資料の「GCS 3〜15」「13〜15軽症、9〜12中等症、8以下重症」は外傷重症度の慣用分類で、すべての状態の病因・気道管理を決める単独基準ではない。

神経学的診察

瞳孔と眼球

所見 示唆すること(単独では診断しない)
オピオイド、中毒、橋病変など。光反射の有無も評価
・固定瞳孔 重度低酸素、薬物、脳幹障害、ヘルニアなどを考える
新規の 圧迫を伴うを疑い緊急画像評価。ただし生理的不同もある
垂直方向の 脳幹・病変を示唆
さまよう共同眼球運動 機能が保たれることを示しうるが、意識状態を単独では決めない

損傷の可能性がない場合のみ、を用いる。反射があればと反対方向へ眼球がする。前庭刺激試験は鼓膜損傷などの禁忌を確認し、適切な環境で行う専門的評価である。

眼球所見 解釈の要点
垂直障害・ 脳幹〜病変を示唆する。
持続上方/下方 びまん性虚血・を含む多様な病態で起こりうるため、単独で断定しない。
しようとした際に眼球が反射的にする。傾眠患者でみられうるが、単独で意識水準や局在を決めない。
消失 損傷を除外したうえで、脳幹の障害を示唆する。
冷水刺激 正常に近い反応ではが刺激側、速い相が反対側へ向かう。反応低下・消失は鎮静や低体温も含め文脈で解釈する。

原資料の冷水刺激の段階は、(1)反対側へ向かうを伴う規則的眼振、(2)刺激側へのと少数の反対側眼振様運動、(3)のない刺激側、(4)眼球運動なし、である。後者ほど重い脳幹障害を示唆するが、薬物、低体温、検査条件を必ず除外する。

運動反応と異常肢位

所見 解釈
上肢屈曲・内転、下肢伸展 大脳半球〜上部脳幹の重篤な障害を示唆
四肢伸展・内転、前腕 脳幹障害を含む重篤な障害を示唆し、緊急評価を要する

けいれん活動、などのを探し、痛み刺激には圧迫などの安全な方法で、反応の目的性を評価する。

バイタルサイン、検査、画像

項目 目的
・体温 低血圧(ショック・薬物)、発熱(感染)、高血圧・徐脈(頭蓋内圧亢進を含む)などを文脈で解釈
血液検査 血糖、電解質、血算、腎肝機能、浸透圧、必要時アンモニア・甲状腺機能
血液ガス 低酸素、低換気による高CO2、酸塩基異常を確認
毒物評価 病歴・所持品・臨床像を優先し、検査結果を過信しない
頭部CT/MRI 出血、梗塞、腫瘍、外傷、水頭症など構造性原因を評価
EEG を除外・確認
髄膜炎・脳炎が疑われる場合。先に画像・凝固・頭蓋内圧亢進リスクを評価する

病歴からの緊急分岐

所見 まず考えること
外傷、急な局在徴候、、急速な悪化 ・脳卒中・ヘルニア。CTと連携を急ぐ
低酸素、心停止、ショック 酸素化・換気・灌流の回復を最優先とし、を評価
発熱、、発疹、免疫不全 髄膜炎・脳炎・敗血症。培養採取とに応じて並行する
低血糖、薬剤・毒物曝露、離脱 ベッドサイド血糖と解毒・支持療法を急ぎ、毒物検査だけを待たない
けいれん後の回復遅延、微細な をEEGで確認する

まとめ

  • 患者ではABC、血糖、体温、モニタリングを診断と同時に実施する。
  • 病因を構造性、代謝性・、感染性、発作性、に整理すると漏れを減らせる。
  • 瞳孔、眼球運動、は局在の手がかりだが、単独所見で断定しない。CT、採血、血液ガス、EEGを臨床像に応じて組み合わせる。