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Neurology · G1-07

意識障害の分類と鑑別診断

G1-07: Classification and differential diagnosis of disorders of consciousness

前提:正常
網様体とモノアミン作動系脳波(EEG);睡眠現象。学習と記憶。
疾患
緊張病
症状
意識障害昏睡
スコア
グラスゴー昏睡尺度

🧠 全体像:意識は覚醒と自己・環境への気づき(awareness)で評価する。眼が開くかだけで意識ありとはいえず、目的のある反応、睡眠・覚醒周期、、自発呼吸を組み合わせて、昏睡、を区別する。

覚醒障害

状態 覚醒・反応
傾眠 軽い覚醒障害。言語刺激で覚醒するが、刺激がなければ眠る
言語では不十分で、痛み刺激でしうる。反応は遅く不適切
昏睡 覚醒も気づきもなく、刺激で覚醒しない。睡眠・覚醒周期とがなく、反射運動だけが残ることがある

昏睡の原因には重症脳卒中、腫瘍、脳炎、低酸素、薬物過量、代謝異常がある。

気づきの障害と比較

状態 気づき 睡眠・覚醒周期 /意思疎通 ・自発呼吸
(unresponsive wakefulness syndrome: UWS、旧PVS) なし あり なし。反射的・偶発的運動はありうる 多くは保たれる
不安定だが再現可能な徴候あり ありうる 命令に従う、物体を、時に発声・ジェスチャー 保たれうる
保たれる あり だが垂直眼球運動・瞬きで意思伝達 保たれる
昏睡 なし なし なし 可変
なし なし なし(はありうる) ・自発呼吸なし

UWSは皮質機能障害に対し脳幹機能が保たれた「覚醒はあるが気づきなし」の状態である。原資料の「1か月超」「12か月/非3か月後」の表現は歴史的なPVS分類であり、現在は経過・病因を含め専門的に予後評価する。MCSでは目的的反応が反射と違い、繰り返しても確認できることが重要である。は橋病変(脳卒中、外傷、など)によるが、認知と記憶は保たれる。

無反応覚醒症候群

  • 虚血性脳障害、脳卒中、重症感染などで広範な皮質・機能が障害される一方、脳幹覚醒系が保たれる。
  • と睡眠・覚醒周期はあるが、、命令遵守、目的的な発声・運動など自己・環境への気づきを示す反応は確認できない。
  • 呼吸・循環などの自律機能、嚥下・の一部、や四肢の反射運動は保たれうる。
  • 反射的運動を目的的反応と誤認しないよう、時間帯を変えて標準化された評価を反復する。

最小意識状態

  • 外傷、脳卒中、低酸素、、重症感染などの後に生じる。
  • 単純命令への、対象への到達運動、状況に合う発声・ジェスチャーなどが断続的にみられる。
  • 反応は一定しないが、単なる反射とは異なり再現性または明らかな目的性がある。
  • 鎮静、、視聴覚障害、が反応を隠すため、それらを補正して判定する。

閉じ込め症候群

  • 多くは腹側橋病変により皮質脊髄路・が両側性に障害される。、外傷、脱髄などが原因となる。
  • を示すが、覚醒、意識、認知、記憶は保たれる。
  • 垂直眼球運動とが保たれることが多く、これを用いて意思疎通できる。
  • に見える患者では「上を見て」「2回瞬き」などの命令を試し、昏睡やUWSとしない。

脳死の安全な判定

は、人工的な心肺補助下でも残り得る循環とは別に、脳幹を含む全脳機能の不可逆的停止を判定する医学的・法的手続きである。地域の法令・施設プロトコルに従い、単一の所見やEEGだけで自己判断しない。

flowchart TD
 A["不可逆的昏睡の既知の原因を確認"] --> B["低体温・低血圧・薬物/筋弛緩・重い代謝異常を除外"]
 B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='non-response'>無反応</span>、全<span class='jp-term jp-term-diagram' title='brainstem reflexes'>脳幹反射</span>消失を規定手順で確認"]
 C --> D["前提条件を満たして<span class='jp-term jp-term-diagram' title='apnea test'>無呼吸試験</span>を実施"]
 D --> E["必要時に補助検査を用い、法令・施設基準で判定"]

判定の前提として、原因が既知で不可逆的であること、十分な観察時間、体温・血圧の確保が必要である。鎮静薬・麻酔薬・、中毒、重い電解質・酸塩基・内分泌異常など、診察を偽る可逆的要因を除外する。

確認領域 要点
反応性 で、十分な刺激にも目的的反応がない
瞳孔、角膜、、咽頭・などが規定手順で消失
自発呼吸 前提条件を満たしたを認めない
補助検査 診察・できない場合など、法令・施設基準に従って検査等を用いる

⚠️ 原資料にある「EEGが電気的に無活動」は補助所見の一つであり、を単独で確定する条件ではない。が残る場合もある。

似て見える状態

状態 見分ける鍵
せん妄 数時間〜数日で急性発症し、・興奮・を伴い変動する。感染、代謝異常、薬、離脱、脱水、臓器不全を是正すると可逆的なことがある
覚醒・眼球運動は保たれうるが自発運動・を開始しない。両側病変、水頭症、腫瘍、脳卒中が原因
意識は通常保たれ、不動・、奇異な姿勢、興奮、を示す。精神疾患だけでなく脳炎・代謝疾患も検索する

せん妄・無動性無言・緊張病の詳細

  • せん妄:数時間〜数日で急性に始まり、注意と覚醒水準が一日の中でも変動する。、まとまりのない思考、興奮またはを伴いうる。感染、低酸素、代謝異常、薬剤・離脱、脱水、肝腎不全など原因検索と是正が中心である。
  • :覚醒ししていても、自発運動との開始が著しく乏しい。両側・前部病変、重症水頭症、腫瘍、脳卒中などで生じる。眼球運動や反射は保たれうる。
  • :不動、、拒絶、、奇異な姿勢、などが組み合わさる。精神疾患だけでなく、、感染、代謝性疾患、薬剤を除外する。は発熱・を伴う救急疾患である。

診断の順序

  1. 発症、持続、外傷、低酸素、薬物、感染、既往を聴取する。
  2. 、命令への反応、、瞳孔・角膜などを反復評価する。
  3. CT/MRIで脳卒中、出血、腫瘍、外傷を探し、EEGで非けいれん発作を含む電気活動を評価する。
  4. 血糖、電解質、肝腎機能、毒物を確認し、感染が疑わしければ安全性を評価してを行う。
  5. 必要時には)を、昏睡・の補助的評価に用いる。
評価 具体的に確認すること
病歴・ 発症時刻、持続・変動、外傷、低酸素、薬物、感染、既往、
神経診察 覚醒水準、瞳孔、、眼位・眼球運動、、目的性
画像 CT/MRIで脳卒中、出血、腫瘍、外傷、水頭症など構造性病変を検索
EEG 非けいれん性てんかん重積状態を含む電気活動を評価
検体検査 血糖、電解質、肝腎機能、血液ガス、毒物、感染評価。必要時に安全を確認して
予後・補助評価 原因とを踏まえ、必要時になどを用いる

まとめ

  • 目的的反応と再現性がMCSとUWSを分け、垂直眼球運動・瞬きがの意思伝達を支える。
  • 判定は可逆因子を除外し、と無呼吸を厳格な手続きで確認する。