Pathology

Pathology · B/12

エピジェネティック変化(DNAメチル化・マイクロRNA)と発癌

Epigenetic changes (DNA methylation, MicroRNAs) and role in carcinogenesis

タグ
Mechanism / 機序High-yield / ポイント

🧠 全体像な変化は「DNA配列を変えずに遺伝子発現を書き換える」という一点での変異と一線を画す。可逆的であるがゆえに、DNMT阻害薬・HDAC阻害薬という「読み書きを巻き戻す」治療戦略が成り立つ。

概念

DNA配列を変えずに遺伝子発現が遺伝的かつ可逆的に変化すること。主な機序:DNAメチル化、マイクロRNA、。可逆性ゆえに薬剤の標的となる。

DNAメチル化

  • プロモーターののシトシンにが付加される(DNAメチルトランスフェラーゼによる)→ 転写のサイレンシング
  • プロモーターのをサイレンシング:
  • 全体的なの活性化。

マイクロRNA(miRNA)

  • 転写後に遺伝子発現を負に制御する、小さな非コードRNA
  • プロセシング:pre-miRNAが核から輸出 → Dicerで切断 → 成熟miRNA → RISCに取り込まれる → 標的mRNAと形成 → 切断または翻訳抑制。
  • 癌において:
    • 腫瘍抑制性miRNAの喪失 → 標的(例:miRNA欠失 → 白血病リンパ腫でBCL2増加)。
    • したoncomiR(例:miR-21)→ を抑制。

ヒストン修飾

  • ヒストンのがクロマチンの充填を制御。調節不全になると発癌性となりうる。
  • アセチル化(HATがクロマチンを開き、HDACが閉じる)、メチル化(リジン、SETドメインタンパク)、リン酸化

💡 ポイント: = 遺伝的・可逆的、配列変化なし。をサイレンシング(BRCA1、MLH1、p16)、全体的 → 不安定性。miRNA:腫瘍抑制性miRNAの喪失 → 増加、oncomiR(miR-21)→ 抑制遺伝子減少。ヒストン:HAT/HDACによるアセチル化。可逆性 → DNMT/HDAC阻害薬。

まとめ

  • 変化はDNA配列を変えずに遺伝子発現を遺伝的・可逆的に変化させ、主な機序はDNAメチル化、マイクロRNA、の3つ。
  • プロモーターの(RB、BRCA1、CDKN2A/p16、MLH1)をサイレンシングし、全体的な活性化を招く。
  • マイクロRNAは腫瘍抑制性miRNAの喪失()と、oncomiR(例:miR-21)のの抑制)の両方向で発癌に関わる。
  • (HAT/HDACによるアセチル化、メチル化、リン酸化)はクロマチンのを制御する。
  • 変化が可逆的であるため、DNMT阻害薬・HDAC阻害薬が治療標的になる。