Surgery

Surgery · S-03

甲状腺悪性疾患と治療

Malignant diseases of the thyroid gland and treatment

前提:病態
甲状腺腫瘍多発性内分泌腫瘍症(MEN)/カルチノイド症候群
疾患
甲状腺癌甲状腺髄様癌
検査値
CEAカルシトニン刺激試験

🧠 全体像は、乳頭・ではリスクに応じて手術範囲、放射性ヨウ素、TSH管理を縮小・追加し、ではRETとカルシトニン、では気道と分子標的を重視する。同じ「」でも治療原理が異なる。

組織型の比較

組織型 由来・進展 マーカー
、しばしば多発 リスクに応じて有効
、血行性に肺・骨など リスクに応じて有効
、MEN2/RET関連あり カルシトニン、CEA 無効
高齢者、急速局所浸潤 組織・分子検査 無効

診断

超音波でと頸部リンパ節を評価し、細胞診を行う。進行例では造影CT/MRIで気管・食道・縦隔・と遠隔転移を評価する。は細胞診で被膜・血管侵襲を判定できないため、確定にはが必要である。

flowchart TD
    A["甲状腺悪性腫瘍を疑う"] --> B["超音波+細胞診+リンパ節評価"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='differentiated carcinoma'>分化癌</span>"]
    C --> D["腫瘍径・腺外進展・リンパ節・遠隔転移でリスク評価"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lobectomy'>葉切除</span>・全摘・リンパ節郭清を個別化"]
    E --> F["術後リスクと治療反応を再評価"]
    F --> G["必要例のみ<span class='jp-term jp-term-diagram' title='radioactive iodine, RAI'>放射性ヨウ素</span>・TSH抑制"]

乳頭癌・濾胞癌

2025年ATA指針では、明らかな腺外進展・頸部リンパ節転移がなくに限局する2 cm以下のが推奨される。2 cm超4 cm以下では、腫瘍所見、対側結節、患者選好によりまたは全摘を選ぶ。4 cm超、肉眼的腺外進展、臨床的リンパ節・遠隔転移では全摘を基本にする。

極低リスクの微小では、直ちに手術せず超音波でする選択肢もある。郭清は画像・術中所見で転移が確認された領域に行い、低リスクcN0例の予防的中央郭清を一律に行わない。

は残存組織がある全例に用いる治療ではなく、再発リスク、術後、画像所見に基づき選ぶ。TSH抑制も一律ではなく、持続病変・高リスクでは強め、治療反応良好な低リスクでは正常域を目指し、心房細動との均衡を取る。

髄様癌

術前にカルシトニン、CEA、頸部超音波、RET生殖細胞系列検査を行う。MEN2が疑われる場合は、甲状腺手術より先にを除外・治療する。基本術式はで、中央・外郭清はカルシトニン値と画像上のリンパ節転移範囲に合わせる。術後はカルシトニンとCEAの値・で再発を追う。

未分化癌

急速な頸部腫大、嗄声、、呼吸困難を来す。迅速な断、気道評価、病期評価と同時にBRAF V600Eなど治療可能な変異を検査する。、放射線、分子標的・を多職種で直ちに決める。

⚠️ 気道確保は重要だが、予防的を反射的に行うとのため有害になり得る。症状、解剖、治療計画を専門チームで評価する。

術後フォロー

主な追跡
頸部超音波、、病態に応じた画像
カルシトニン、CEA、、画像
局所気道・嚥下、治療反応、遠隔進展、支持療法

まとめ

  • の手術範囲はリスクに応じて個別化し、の役割が拡大している。
  • とTSH抑制は全例一律ではない。
  • ではRET検査と除外が安全上重要である。
  • では気道、迅速な分子検査、多職種治療を同時に進める。