Surgery

Surgery · S-23

腹膜炎と消化管穿孔

Peritonitis and hollow viscus perforation

前提:病態
虫垂・腹膜の病理腹部感染(腹膜炎・胆嚢炎・胆管炎)を起こす細菌
疾患
腹膜炎・消化管穿孔
画像所見
腹腔内遊離ガス

🧠 全体像は「腹腔内汚染と」を知らせる赤信号である。蘇生・抗菌薬と並行して造影CTで原因を探し、穿孔・壊死・制御不能な感染源には時間を置かずを行う。

腹膜炎の分類

機序 代表例
一次性 明らかな消化管穿孔なしに感染 肝硬変・腹水に伴う
二次性 消化管・胆道・膵などの穿孔、壊死、感染 穿孔性潰瘍、穿孔性虫垂炎、、虚血性腸壊死
適切な治療後も感染が遷延・再発 重症・免疫抑制患者の持続性

化学性腹膜炎は胃酸、胆汁、膵液、尿などの漏出でも起こり、とともに細菌感染が加わる。

症候と診察

  • 持続性で動作・咳嗽により増悪する腹痛、
  • による腸雑音低下・腹部膨満。
  • 発熱、頻脈、低血圧、乏尿、意識変容は敗血症・ショックを示す。
  • 横隔膜下刺激では肩へのを生じる。

高齢者、免疫抑制患者、妊婦では所見が乏しくても重症化し得る。投与を診断確定まで不必要に遅らせない。

消化管穿孔

の全層破綻により、ガス・消化液・腸内容が腹腔へ漏れる。原因には消化性潰瘍、虫垂炎、、癌、IBD、腸閉塞・虚血、外傷、内視鏡などの医原性損傷がある。

診断

  1. 血算、電解質、腎肝機能、凝固、乳酸、血液ガス、血液培養、を採取する。
  2. 安定例では静注造影CTが穿孔部位、遊離ガス・液体、膿瘍、原因病変、を最もよく評価する。
  3. の横隔膜下遊離ガスは有用だが、陰性でも穿孔を除外できない。
  4. 不安定でCT移動が危険なら、で遊離液などを確認しつつ蘇生と手術判断を進める。

初期対応とソースコントロール

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acute abdomen'>急性腹症</span>と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='peritoneal signs'>腹膜刺激徴候</span>"] --> B["ABC・太い<span class='jp-term jp-term-diagram' title='IV access'>静脈路</span>・採血・乳酸"]
    B --> C["晶質液を反応性に投与・酸素・尿量監視"]
    C --> D["腸内グラム陰性菌と嫌気性菌を覆う抗菌薬"]
    D --> E["安定例:静注造影CT"]
    E --> F["穿孔・壊死・汚染源を同定"]
    F --> G["内視鏡・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='percutaneous drainage'>経皮ドレナージ</span>・手術から最短の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='source control'>ソースコントロール</span>"]
    G --> H["洗浄、穿孔閉鎖、壊死腸管切除、必要時<span class='jp-term jp-term-diagram' title='stoma'>ストーマ</span>"]
  • 絶飲食とし、嘔吐・上部閉塞・著明な膨満では胃管減圧を行う。全例へのな胃管留置は不要である。
  • 抗菌薬は市中・院内発症、直近の抗菌薬、耐性菌リスク、腎機能、感染源に合わせる。培養後に化する。
  • 明らかな、自由穿孔、壊死腸管、制御不能な敗血症では緊急手術を遅らせない。
  • 限局膿瘍で生理学的に安定していれば、と抗菌薬が選択肢となる。

手術の考え方

原因 代表的な
穿孔性潰瘍 単純閉鎖と被覆を中心に、原因・欠損径で個別化
穿孔性虫垂炎 と必要な膿瘍処置
洗浄、±保護などを生理状態・汚染・併存症で選択
虚血性腸壊死 可能性を評価し、非生存腸管を切除。疑わしい腸管は再評価

⚠️ 穿孔性を一律にとするのは古い整理である。循環が保たれた選択例ではも検討し、ショック・高度汚染・脆弱性が強ければ安全な段階手術を選ぶ。

まとめ

  • 腹膜炎は一次・二次・に分類し、二次性ではが治療の中心である。
  • CT陰性前提の単純X線ではなく、安定例では静注造影CTで穿孔・虚血・膿瘍を評価する。
  • 蘇生、抗菌薬、ではなく並行して進める。
  • 術式は原因だけでなくショック、汚染、腸管生存性、患者の脆弱性に合わせる。