泌尿器科学

泌尿器科学 · U-13

膀胱・前立腺・男性生殖器の画像診断

Imaging techniques for examination of the bladder, the prostate and the male genitalia

前提:正常
骨盤・会陰:骨盤内臓
疾患
陰嚢水腫精索静脈瘤

🧠 全体像:(膀胱・前立腺・・精巣)の画像診断は、臓器ごとにUSのアプローチ(恥骨上・経直腸)と目的を対応づけて覚えると整理しやすい。前立腺USは体積評価と生検ガイド、マルチは癌の局在・局所病期評価を担う。12

膀胱

超音波

  • 膀胱内に尿がある程度貯留していれば評価可能。
  • 最も頻用される用途はの測定。
  • 評価可能な病変:腫瘍(小さいものは見逃されやすい)、、異物、先天性疾患。

膀胱造影

  • を介して膀胱を造影剤で満たす検査。
  • 適応:骨盤外傷、術後などで膀胱穿孔・破裂が疑われる場合。十分な逆行性充満によるまたはを用い、通常の静注造影CTのだけで代用しない。3
  • 活動性尿路感染症や妊娠の可能性があれば、侵襲・放射線と検査の緊急性を踏まえて実施時期と方法を個別に判断する。

尿道造影

  • 尿道を造影剤で満たし、を検出する。

膀胱鏡検査

前立腺

超音波

  • またはで施行できる。
  • でも体積測定と膀胱内突出を評価できるが、体積は年齢・測定法で変動するため単一の「正常値」で固定しない。
  • は詳細な体積・形態評価と生検ガイドに用いる。TRUS単独は癌の検出・局在診断法としてが限られる。41

MRI

  • マルチは疑わしい病変の局在、生検標的、被膜外進展・浸潤などの局所病期評価に用いる。2

核医学検査

  • 、、/などを、リスク、骨症状、利用可能性に応じて選択する。低リスクを含むすべての前立腺癌症例へを一律には行わない。1

精嚢

  • 経直腸USに加え、・でも描出できる。は解剖、、炎症、前立腺癌などからの浸潤評価に有用である。5
  • 前立腺癌の浸潤はで局所病期の一部として評価し、単なる「閉塞所見」だけで判断しない。2

精巣

超音波

評価可能な病態:小さな腫瘍、、、梗塞、嚢胞、、、血腫、陰嚢内ヘルニア。

臓器別の画像診断まとめ

臓器 第一選択 目的別の主な使い分け
膀胱 US はUS/腫瘍・結石はUS・・を目的別に選択/穿孔疑いは逆行性充満による
前立腺 US・ USは体積評価と生検ガイド/癌の局在・局所進展評価はマルチ/遠隔病期画像はリスク別に選択
経直腸US・ 形態は経直腸US、解剖・・はでも評価可能
精巣 US 腫瘍、炎症、捻転、嚢胞性病変など幅広く評価可能

⚠️ が疑われる場合は緊急疾患であり、US評価に時間を要して治療が遅れないよう、臨床的に強く疑う場合は画像診断を待たずに緊急手術適応を検討する必要がある。

まとめ

  • 膀胱・前立腺・精巣いずれもUSが第一選択の画像診断であり、目的に応じてなど特殊なアプローチを使い分ける。
  • 前立腺USは体積評価と生検ガイド、マルチは癌の局在・局所病期評価に用いる。
  • は経直腸USに加えて・でも評価でき、特には解剖との評価に有用である。
  • 前立腺癌の遠隔病期画像はリスクと症状に応じて選び、を全例へ一律には行わない。

出典

  1. 1.EAU-EANM-ESTRO-ESUR-ISUP-SIOG Guidelines on Prostate Cancer-2024 Update. Part I: Screening, Diagnosis, and Local Treatment with Curative Intent(2024)前立腺癌ではMRIを診断・局所病期評価へ用い、遠隔病期画像をリスクと症状に応じて選択する現行方針を確認した。本出典は2024年版で、2026年版(Part I)が2026年7月に公開されている(https://doi.org/10.1016/j.eururo.2026.04.013 )。2026年版の抄録は病期画像についてPSMA PETが転移検出で最も高感度であると述べるが、骨シンチグラフィの適応は抄録に無く、この主張は2026年版の本文では照合していない。閲覧 2026-08-13
  2. 2.Multiparametric MRI - local staging of prostate cancer and beyond(2019)マルチパラメトリックMRIが前立腺癌の局在と被膜外・精嚢浸潤を含む局所病期評価の中心となることを確認した。閲覧 2026-08-13
  3. 3.Urotrauma Guideline 2020: AUA Guideline(2021)膀胱損傷が疑われる患者では十分な逆行性充満による従来型またはCT膀胱造影を行う原則を確認した。閲覧 2026-08-13
  4. 4.The European Academy of Andrology (EAA) ultrasound study on healthy, fertile men: Prostate-vesicular transrectal ultrasound reference ranges and associations with clinical, seminal and biochemical characteristics(2022)TRUSが前立腺・精嚢の形態と体積を評価できる一方、測定値は年齢など患者背景の影響を受けることを確認した。閲覧 2026-08-13
  5. 5.Imaging of the seminal vesicle and vas deferens(2009)精嚢・精管はTRUSだけでなくCT・MRIでも描出でき、MRIが解剖、先天異常、炎症、腫瘍浸潤の評価に有用であることを確認した。閲覧 2026-08-13