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Disease Atlas · 皮膚 · 疾患

中心遠心性瘢痕性脱毛症

Central centrifugal cicatricial alopecia

別名
Hot comb alopeciaFollicular degeneration syndrome
臓器系
皮膚
科目
Dermatology
トピック
皮膚科 3-26:脱毛症の臨床型と治療
上位概念
脱毛症
鑑別疾患
前頭部線維化性脱毛症毛包炎性脱毛症
治療薬
ドキシサイクリントリアムシノロンヒドロキシクロロキン
症状
瘙痒

🧠 全体像は、頭を起点として性に拡大するで、アフリカ系の女性に最も多い。かつて「ホットコーム」「毛包変性症候群」と呼ばれ、強い牽引や化学的縮毛矯正が原因と考えられていたが、それらを使わない女性にも生じることから単一原因説は否定され、現在は複数の要因が絡む炎症性疾患と理解されている。確立した標準治療は無く、炎症をどれだけ早く鎮められるかが、脱毛が頭にとどまるか周囲へ広がるかを分ける。

病態

アフリカ系女性におけるは2〜7%とされ、中年女性で最も一般的な症である。平均発症年齢は36歳で、男性や小児での発症はまれである1

病因については複数の仮説がある。化学的縮毛矯正・ホットコーム・強い牽引ヘアスタイルとの関連が示唆されてきたが、これらを使用しない女性でも発症することから単一の原因としては否定的にみられている。現在有力なのは、が早期に脱落して外的刺激が毛包内に侵入し炎症カスケードを起こすという説と、低レベルの慢性炎症が毛包周囲の線維化を促すという説で、病因はと推定されている1

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='inner root sheath'>内毛根鞘</span>の早期脱落<br>または慢性の低レベル炎症"] --> B["毛包周囲のリンパ球性炎症"]
    B --> C["頭<span class='jp-term jp-term-diagram' title='apex'>頂部</span>の毛包から炎症が始まる"]
    C --> D["炎症が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='centrifugation'>遠心</span>性に周囲へ拡大"]
    D --> E["毛包上皮の破壊と線維化"]
    E --> F["炎症が続く限り<span class='jp-term jp-term-diagram' title='centrifugation'>遠心</span>性に脱毛域が拡大する"]

臨床像

  • 中心に始まり、境界不明瞭なまま性(求心性ではなく外向き)に拡大する脱毛斑を形成する。
  • 病変部の皮膚は平滑でやや光沢を帯び、毛包周囲に軽度の色素沈着を伴うことがある。
  • 灼熱感、圧痛、などの症状を伴うことがあるが、無症状で進行することも多い。
  • では、毛孔周囲を白色の暈が取り囲む「白色毛周囲ハロー」が特異的な所見とされる1

診断

臨床像が典型的であれば臨床診断が可能だが、確定診断には生検を要することが多い。ではより早く脱落しているのが特徴的な組織所見で、炎症が軽微または目立たない毛包でもこの所見があればCCCAを支持する。進行した病変では毛包上皮の破壊と線維化が主体となる1

⚠️ まで診断・治療が遅れた症例は予後不良になりやすく、した組織では毛髪移植を行っても率が低下しうる1。早期の生検・治療開始が転帰を左右する。

治療

CCCAには確立した標準治療がなく、対症的な抗炎症治療で炎症を鎮め進行を止めることが目標になる12

治療 位置づけ
色素沈着のリスクを抑えるため低用量から開始する
局所注射 活動性の高い辺縁に用いる
ドキシサイクリン 抗炎症作用を期待して用い、改善まで最低2〜6か月継続する
難治例で検討する全身免疫調節薬

⭐ 標準治療が定まっていないことを受け、毛髪・頭皮疾患を専門とする医27名が2023年に3ラウンドの修正デルファイ法を実施し、70項目中20項目(28.6%)で強いコンセンサスに達した2。エビデンスが乏しい領域であることを患者にも共有したうえでを選択する。

鑑別

鑑別 区別の要点
膿疱・痂皮・束状発を伴うの炎症が主体で、CCCAのリンパ球優位の炎症と異なる
病変の主座が前頭・側頭生え際で、毛脱落を伴う点がCCCAと異なる
男性型・女性型 毛包は保たれるで、頭性拡大というCCCAに特徴的な分布を欠く

まとめ

  • CCCAはアフリカ系女性に多い症で、頭から性に拡大する。
  • かつてヘアケア習慣が原因とされたが単一原因説は否定され、現在はの炎症性疾患と理解されている。
  • の組織学的特徴はの早期脱落で、の白色毛周囲ハローが手掛かりになる。
  • 確立した標準治療はなく、外用・ステロイドとドキシサイクリンを中心とした抗炎症治療で進行を止めることを目指す。
  • 診断・治療の遅れは予後不良と関連し、早期の生検と治療開始が頭にとどまるか周囲へ広がるかを分ける。

出典

  1. 1.Central Centrifugal Cicatricial Alopecia(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2024)アフリカ系女性における有病率は2〜7%で平均発症年齢は36歳であること、化学的縮毛矯正やホットコームなどのヘアケア習慣説はそれらを用いない女性にも生じることから否定的にみられていること、早期病変の組織学的特徴は内毛根鞘の早期脱落であること、ダーモスコピーでの白色毛周囲ハローが特異的マーカーであること、抗炎症治療(外用・局注副腎皮質ステロイド、ドキシサイクリン)が第一選択であること、早期介入が疾患進行の可能性を低下させること閲覧 2026-08-11
  2. 2.Treatment for central centrifugal cicatricial alopecia—Delphi consensus recommendations(Journal of the American Academy of Dermatology・2024)CCCAには確立した標準治療がないため、毛髪・頭皮疾患を専門とする皮膚科医27名が2023年1〜3月に3ラウンドの修正デルファイ法を実施し、70項目中20項目(28.6%)で強いコンセンサス、2項目で中程度のコンセンサスに達したこと閲覧 2026-08-11