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Disease Atlas · 眼科 · 先天性疾患

錐体杆体ジストロフィー

Cone-rod dystrophy

別名
CORD
臓器系
眼科
科目
Medical PhysiologyMedical Genetics and Immunology (Genetics)
トピック
生理学 8.4:視覚の生理学遺伝学 4.4:常染色体優性遺伝(AD I)
鑑別疾患
Bardet-Biedl症候群網膜色素変性
症状
羞明夜盲
検査値
網膜電図
原因となる疾患
Alström症候群

🧠 全体像:(CORD)は、名前のとおり錐体系が杆体系より先に障害されるである。⭐ (=)とは進行順序が正反対——はが先行し視野の周辺から中心へ狭窄が進むのに対し、CORDは・・低下が先行し、・はあとから加わる。「杆体錐体」と「錐体杆体」は語順が意味そのものを表す——どちらが先に落ちるかを、名前がそのまま告げている1。

定義

CORDは「錐体の一次性変性を特徴とする遺伝性で、その後杆体が関与する可能性がある」と定義される1。錐体機能が優先的に障害される点で、(COD、杆体機能は比較的保たれる)とも連続的なスペクトラムをなす。

症状の進行パターン

flowchart TD
    A["錐体<span class='jp-term jp-term-diagram' title='photoreceptor'>光受容体</span>の一次性変性"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='central visual acuity'>中心視力</span>の進行性低下"]
    A --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='color vision deficiency'>色覚異常</span>"]
    A --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='photophobia'>羞明</span>"]
    B --> E["杆体<span class='jp-term jp-term-diagram' title='photoreceptor'>光受容体</span>の二次的関与"]
    C --> E
    D --> E
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='night blindness'>夜盲</span>"]
    E --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='visual field constriction'>視野狭窄</span>"]

⭐ 初発症状は低下・・で、・はあとから加わる——とは逆の順序である1。💡 CORDとCODは連続的なスペクトラムで、CORDの方が進行が速い。 30Hz点滅(ERG)では延長が最も早期の所見としてみられ、その後振幅低下が続くが、CORD患者はCOD患者と比較して錐体機能低下の速度が有意に速い1。

遺伝形式と原因遺伝子

⭐ 遺伝形式ごとに優位なが異なる1。

遺伝形式 代表的 頻度
ABCA4 全AR-CORD患者の62.2%を占め圧倒的に優位
常染色体優性 GUCY2D・PRPH2 GUCY2D変異が34.6%
X連鎖 RPGR X連鎖CORDの73.0%

⚠️ ABCA4は本症のほか、より若年発症型のスタルガルト病のとしても知られる——同じ遺伝子の変異が表現型のスペクトラムを生む例である。

診断

⚠️ として教科書的に語られる「古典的には様、より高頻度には両側性・対称性のRPE萎縮」という記載は、原著ではCOD()についての記述である。 CORDではABCA4関連例が様様の外観を呈することがあるが、CORD全体としての典型像はむしろ病期進行に伴うの両側性・対称性の障害と萎縮である1。では、錐体反応(30Hz点滅ERG)がより強く低下する、または両者が同程度に低下するパターンを示す——これはでが先に低下し錐体反応が保たれるパターンと対照的である12。

予後

⚠️ に至る年齢の目安にも差がある。 CORDでは23歳までに半数以上がに至るのに対し、CODでは48歳が目安とされる(は大きい)1。

鑑別:Bardet-Biedl症候群の「杆体錐体ジストロフィー」との違い

⭐ 進行順序が逆であるという1点を押さえれば、のを鑑別できる。 やでみられるは(杆体が先に障害されが初発症状)であり、本症()とは語順のとおり進行順序が逆である。のでも主徴は「(、約90%)」と表現され3、が小児期の最初の症状であることが多い4。

(本症) (・BBSなど)
先に障害される系統 錐体 杆体
初発症状 ・・低下
遅れて加わる症状 ・ (求心性)
ERGパターン 錐体反応がより強く低下、または同程度 が先に低下し錐体反応は保たれる

まとめ

  • (CORD)は錐体が一次性に変性する遺伝性で、()とは進行順序が逆——・・低下が先行し、・はあとから加わる。
  • は遺伝形式ごとに異なり、ではABCA4(62.2%)、常染色体優性ではGUCY2D(34.6%)、X連鎖ではRPGR(73.0%)が優位。
  • ERGでは錐体反応がより強く低下する、または同程度に低下するパターンを示し、とは対照的である。
  • 眼底ではABCA4関連例で様様の外観を呈することがあるが、CORD全体としては病期進行に伴うの両側性・対称性の萎縮がより高頻度である。
  • 予後はCODより不良で、CORDは23歳までに半数以上がに至る(COD は48歳が目安)。
  • でみられるは「」であり、本症とは名称の語順どおり進行順序が逆のである。

出典

  1. 1.Progressive cone and cone-rod dystrophies: clinical features, molecular genetics and prospects for therapy(The British Journal of Ophthalmology(Gill JS, et al.)・2019)Europe PMCのfullTextXML(PMC6709772)で確認した。錐体杆体ジストロフィー(CORD)が「錐体光受容体の一次性変性を特徴とする遺伝性網膜疾患で、その後杆体光受容体が関与する可能性がある」と定義されること、[[diseases/retinitis-pigmentosa|網膜色素変性]](杆体錐体ジストロフィー)とは異なり錐体系が優先的に障害されること、初期症状として中心視力の進行性喪失・色覚異常・羞明が現れその後夜盲・視野狭窄が続く傾向を示すこと(錐体ジストロフィー〈COD〉では羞明と色覚異常が先行するがCORDでは早期に夜盲が生じる点で区別されること)を確認した。遺伝形式・原因遺伝子は、常染色体劣性型ではABCA4遺伝子が全AR-CORD患者の62.2%を占め圧倒的に優位であること、常染色体優性型ではGUCY2D変異が34.6%・PRPH2も大きな割合を占めること、X連鎖型ではRPGR遺伝子が73.0%を占めることを確認した。網膜電図所見は30Hz点滅ERGの潜時延長が最も早期の所見でその後振幅低下が続くこと、CORD患者はCOD患者と比較して錐体機能低下の速度が有意に高速であることを確認した。眼底所見について、原著は「COD(錐体ジストロフィー)では古典的には牛眼様黄斑症がみられるが、より頻繁には網膜色素上皮の両側性かつ対称的な障害・萎縮が病期進行に伴い認められる」と述べており、CORD自体については`ABCA4`関連例が牛眼様黄斑症様の外観を呈しうると別途記載していることを確認した。予後はCORDでは23歳までに半数以上が法的失明に至るがCODでは48歳が目安であること(著しい個人差がある)を確認した。閲覧 2026-09-07
  2. 2.Retinitis Pigmentosa(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2024)既存id・claimを再利用(diseases/retinitis-pigmentosa.mdの出典と同一)。網膜色素変性(杆体錐体ジストロフィー)の最初の症状が通常は夜盲であり続いて視野の狭窄が生じること(Introduction節)、網膜電図で早期には杆体反応の振幅低下・潜時延長がみられ錐体反応は正常にとどまるが進行すると振幅がさらに低下し最終的に検出不能となること(Evaluation節)、Bardet-Biedl症候群が代表的な症候群性RP(杆体錐体ジストロフィー)の型の一つであること(Differential Diagnosis節)を確認した。閲覧 2026-09-07
  3. 3.Bardet-Biedl syndrome: a rare cause of end-stage kidney disease. Case report(Annals of Medicine & Surgery・2025)既存id・claimを再利用(diseases/bardet-biedl-syndrome.mdの出典と同一)。Bardet-Biedl症候群の診断基準における主徴の一つ「杆体錐体ジストロフィー(網膜変性)」の頻度が約90%であることを確認した。閲覧 2026-09-07
  4. 4.Bardet-Biedl syndrome improved diagnosis criteria and management: Inter European Reference Networks consensus statement and recommendations(European Journal of Human Genetics・2024)既存id・claimを再利用(diseases/bardet-biedl-syndrome.mdの出典と同一)。夜盲が小児期の最初の自覚症状であることが多いことを確認した。閲覧 2026-09-07