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Drug Atlas · B10 Diuretics / 利尿薬 · 必修

インダパミド

indapamide

分類
Diuretics / 利尿薬
商品名(日本)
ナトリックステナキシル
商品名(EU)
Rawel
科目
Pharmacology
トピック
B10: Potassium excreting (wasting) diuretics
承認適応
本態性高血圧症
禁忌疾患
無尿・急性腎不全重度肝機能障害(肝性脳症)
監視検査値
カリウム
影響検査値
高血糖尿酸
原因となる疾患
痛風

🧠 全体像のNa-Clを阻害するという中核機序をと共有する「利尿薬」である。ベンゾチアジン骨格を持たないという化学構造の違いが、に頼らない独自のを生み、低用量では利尿薬というよりとして働く点がHCTZとの実質的な違いになる。

ヒドロクロロチアジドとの違い

項目
化学構造 ベンゾチアジン系(狭義の ・非
中核機序 のNa-Cl阻害 同一
追加の作用 なし 💡弱いCaを併せ持つ(低用量では利尿よりが主体)
Ca代謝への影響 Ca再吸収↑(高Ca血症・結石予防に応用) HCTZほど明確ではない(弱いとされる)
半減期 約6〜15時間 約14〜18時間(1日1回投与向き、製剤もある)
代表的な使われ方 高血圧の第一選択、Ca結石予防 高血圧(特に高齢者のエビデンスが厚い)

は「の効果を、より少ないで」というポジション。 高齢者高血圧を対象としたHYVET試験(製剤1.5mg±、目標血圧150/80mmHg未満)では、一次エンドポイントの脳卒中(致死的+非致死的)自体は有意差に届かなかった(HR 0.70、P=0.06)が、(HR 0.79、P=0.02)と心不全(HR 0.36、P<0.001)は有意に減少しており1、高齢者の治療で好んで使われる根拠になっている。「脳卒中を有意に防ぐ」薬という理解は言い過ぎで、正確には・心不全ので支持されている。

適応・用法

適応はEU SmPC・日本の添付文書ともにのみで、HCTZのような浮腫の適応は承認されていない23。通常1日1回2.5mg(または製剤1.5mg)から開始する。実際の用量は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意・副作用

  • 禁忌重度(肝性脳症)、難治性の低K血症23
  • (肝性脳症)の禁忌はEU SmPCに明記されているが、日本の添付文書には同項目がなく、と電解質異常・過敏症・併用が中心である。フィールドはEUに従って重度を含めたが、地域差として理解する3
  • 電解質異常のパターン自体はHCTZと同様(低K血症・低Na血症・高血糖)だが、EU SmPCは糖・への臨床的に有意な影響はないとしており2、HCTZより軽度とする理解が実務的である
  • QT延長のリスクがHCTZよりわずかに高いとする報告があり、低K血症を合併する状況では特に注意する

まとめ

  • HCTZと同じNa-Cl阻害を核とする「利尿薬」。電解質異常のパターンはHCTZに準じるが、糖・への影響はより軽度とされる。
  • 違いは化学構造()に由来する弱いと、より長い半減期。
  • 適応はのみ(HCTZと異なり浮腫の適応はない)。
  • 低用量では利尿薬というよりとして働き、HYVET試験の・心不全が高齢者高血圧での使用を支持している(脳卒中の一次エンドポイント自体は非有意)。
  • 禁忌は、重度(肝性脳症、EU基準)、、難治性低K血症。
  • 機序・電解質異常の詳細はのノートを参照。

出典

  1. 1.Natrilix SR 1.5 mg Prolonged-release Tablets — Summary of Product Characteristics (SmPC)(Servier (electronic Medicines Compendium)・2021)適応は本態性高血圧のみ(浮腫・心不全の適応はない)。禁忌は本剤・他のスルホンアミド系薬剤への過敏症、重度腎不全、肝性脳症または重度肝機能障害、低カリウム血症。機序は末梢血管抵抗の低下・動脈コンプライアンスの改善による血管拡張作用で、脂質代謝(トリグリセリド・LDL・HDL)にも糖代謝にも臨床的に有意な影響を与えないとされる閲覧 2026-08-03
  2. 2.ナトリックス錠1/ナトリックス錠2 添付文書(独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2026)効能・効果は本態性高血圧症のみ。禁忌は無尿患者、急性腎不全患者、電解質(ナトリウム・カリウム)が明らかに減少している患者、チアジド系薬剤・スルフォンアミド誘導体への過敏症の既往、デスモプレシン酢酸塩水和物投与中の患者。薬効薬理は末梢血管平滑筋の収縮抑制による降圧作用。EU SmPCと異なり肝機能障害は禁忌に明記されていない閲覧 2026-08-03
  3. 3.The Hypertension in the Very Elderly Trial – latest data(British Journal of Clinical Pharmacology・2012)HYVET試験(インダパミド徐放1.5mg±ペリンドプリル、目標血圧150/80mmHg未満)は、一次エンドポイントの脳卒中(致死的+非致死的)はHR 0.70(95%CI 0.49-1.01、P=0.06)で有意差に達しなかったが、全死亡はHR 0.79(95%CI 0.65-0.95、P=0.02)、心不全はHR 0.36(95%CI 0.22-0.58、P<0.001)で有意に減少した閲覧 2026-08-03