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Drug Atlas · A2 Cholinergics / コリン作動薬

フィゾスチグミン

physostigmin

分類
Cholinergics / コリン作動薬
商品名(EU)
Anticholium
科目
Pharmacology
トピック
A2: Cholinomimetics
禁忌疾患
イレウス・腸閉塞
副作用
痙攣
対象疾患
抗コリン薬中毒
原因となる疾患
コリン作動性クリーゼ
対象薬
アトロピンスコポラミン

🧠 全体像構造ゆえに血液脳関門を通過できる、数少ないAChE阻害薬の一つ。のような化合物が末梢にしか働かないのとは対照的で、この一点だけで中毒という独自の立ち位置が決まる。

薬効群の中での位置づけ

分類 代表 BBB通過 使いどころ
末梢性AChE阻害薬(四級) 通らない 重症筋無力症の慢性管理・
中枢性AChE阻害薬( 通る の長期治療
中枢性AChE阻害薬(急性解毒) 通る 中毒の急性期解毒

同じ「BBBを通る」でもは慢性の対症療法、への単回〜という使い方の違いがある。 天然)である点は共通の理由。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Anticholinergics'>抗コリン薬</span>(抗ヒスタミン薬・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tricyclic antidepressant'>三環系抗うつ薬</span>など)が<br>中枢・末梢の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='muscarinic receptor'>ムスカリン受容体</span>を遮断"] --> B["せん妄・頻脈・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mydriasis'>散瞳</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cutaneous flushing'>皮膚紅潮</span>などの<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='anticholinergic toxicity'>抗コリン中毒</span>症状が出現"]
    C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='physostigmin'>フィゾスチグミン</span>を投与"] --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tertiary amine'>三級アミン</span>構造のため<br>血液脳関門を通過"]
    D --> E["中枢・末梢のAChEを可逆的に阻害"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='synaptic cleft'>シナプス間隙</span>のACh濃度が上昇し<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='receptor blockade'>受容体遮断</span>と拮抗する"]
    F --> G["中枢性<span class='jp-term jp-term-diagram' title='anticholinergic symptoms'>抗コリン症状</span>(せん妄・興奮)が改善"]

💡 が「」たりうるのはBBBを通るがあるからで、では末梢の頻脈は改善しても中枢のせん妄には無効。

薬物動態

項目 値・特徴
静注(緩徐投与)・筋注
作用発現 静注で数分と速い
作用持続 約30〜60分と短く、が必要になることが多い
代謝 による速やかな加水分解
半減期 約15〜40分と短い

適応

状況 位置づけ
中毒(抗ヒスタミン薬、など)の急性期 重度のせん妄・興奮、難治性のや痙攣を伴う場合の
緑内障 歴史的適応。現在はより安全な薬剤に置き換わっている

用法・用量

静注で少量ずつ緩徐に投与し、症状の改善を確認しながら反復する。心電図モニタリング下で行い、に備えてをベッドサイドに準備する。実際の用量・は中毒の重症度で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:消化管・尿路のイレウス・腸閉塞
  • ⚠️ 中毒でなどを伴う場合は、が痙攣・心停止のリスクを高めるとして歴史的に禁忌とされてきた。 純粋なを伴わない)に対しては、現行のの知見ではモニタリング下での使用がより広く支持されている。の有無を必ず確認してから投与を判断する
  • 喘息、心血管疾患では・徐脈のリスクに注意

副作用

頻度 内容
高頻度 、悪心
注意 徐脈、
重篤・まれ 痙攣、心停止(特にを伴う中毒への誤投与)

まとめ

  • 構造で血液脳関門を通過できる数少ないAChE阻害薬。
  • 中枢・末梢双方のACh濃度を上げることで、中毒の中枢症状(せん妄)まで改善できる唯一無二の
  • 作用持続は約30〜60分と短く、を要することが多い。
  • 中毒で)を伴う場合は投与を避ける。
  • との違いはBBB通過性のみで、これが適応の違いを生んでいる。