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Drug Atlas · B30 Other / その他

組換え帯状疱疹ワクチン

recombinant zoster vaccine

分類
Vaccines / ワクチン
商品名(日本)
シングリックス
商品名(EU)
Shingrix
科目
PharmacologyPediatricsMedical Genetics and Immunology (Immunology)
トピック
Core36: Advanced therapy medicinal products. Vaccines20: Prevention of infectious diseases. Vaccination11.3: Immunization and vaccination I
承認適応
水痘・帯状疱疹
標的微生物
Varicella zoster virus
副作用
発熱頭痛

🧠 全体像:を理解する軸は「非生ワクチンだから免疫不全者にも打てる」という一点である。水痘ウイルスそのものを使わず、のE(gE)というたった1つの抗原とAS01Bの組み合わせで、由来の生ワクチンより高い予防効果(50歳以上で97.2%)を達成する。⭐ この「非生」という性質こそが最大の利点であり、生ワクチンが使えない免疫不全者にも接種できる唯一の帯状疱疹予防手段になる1。

薬効群の中での位置づけ

分類 代表例 対象 特徴
組換え非生ワクチン (RZV) 帯状疱疹の再活性化予防 gE抗原+AS01B。免疫不全者にも接種可能
水痘の予防 Oka株の弱毒生ウイルス。妊娠中・者には禁忌
(VariZIG) 曝露後の発症予防 ワクチンではなく受動免疫。曝露後10日以内に投与

⭐ 同じに由来するワクチンでも、とは目的ももまったく異なる。 前者は(水痘)を防ぐための弱毒生ウイルス製剤、後者は再活性化(帯状疱疹)を防ぐための非生・成分ワクチンである2。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='recombinant zoster vaccine'>組換え帯状疱疹ワクチン</span>を2回<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intramuscular'>筋肉内</span>接種"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='varicella-zoster virus'>VZV</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='glycoprotein'>糖タンパク質</span>E(gE)抗原を提示"]
    B --> C["AS01B<span class='jp-term jp-term-diagram' title='adjuvant'>アジュバント</span>が自然免疫を強く活性化"]
    C --> D["gE特異的なCD4陽性T細胞・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='humoral immunity'>液性免疫</span>が誘導される"]
    D --> E["帯状疱疹(再活性化)に対する強い長期免疫が成立"]
    A -.->|"ウイルスそのものを含まない非生ワクチン"| F["免疫不全者にも接種できる"]

💡 (AS01B)が効果の鍵を握る。 gE抗原1つだけでは免疫応答が弱いが、AS01Bという強力なを組み合わせることで、生ワクチンに匹敵する(むしろ上回る)長期的な細胞性・を誘導できる。この設計により、ウイルスをして生かす必要がなくなり、免疫不全者への安全性が確保される。

適応

領域 使いどころ
米国() 50歳以上の免疫正常者、19歳以上の免疫不全者への帯状疱疹予防(2〜6か月間隔で2回)21
日本(、2025年度〜) その年度に65歳となる者、60〜64歳でによる障害があり日常生活がほとんど不可能な者(経過措置対象を含む)。2か月以上の間隔で2回接種3

用法・用量

通常0か月・2〜6か月の間隔で2回、各0.5mLを接種する2。免疫不全者で迅速な免疫が必要な場合は1〜2か月間隔まで短縮できる1。使用直前に、gE抗原のバイアルをAS01Bで再構成する2。日本のでは2か月以上の間隔をあけて2回に接種する3。

禁忌・注意

  • 禁忌:本剤の成分に対する重篤な過敏症(アナフィラキシー等)の既往2
  • ⚠️ 免疫抑制療法中はワクチンの有効性が低下しうる。 ただし非生ワクチンであるため、免疫不全そのものは禁忌ではなく、むしろが選ばれる対象になる21
  • ⚠️ 接種後42日以内ののリスク増加が観察されている。 頻度はまれだが、添付文書に明記された重要な安全性シグナルである2
  • 「帯状疱疹予防は組換えワクチンだけ」と一般化しない。日本では生ワクチンと組換えワクチンのいずれもで使える3

副作用

頻度 内容
高頻度 接種部位疼痛(78.0%)、筋肉痛(44.7%)、疲労(44.5%)、頭痛(37.7%)
注意 悪寒(26.8%)、発熱(20.5%)、消化器症状(17.3%)
重篤・まれ 接種後42日以内ののリスク増加2

まとめ

  • E(gE)抗原とAS01Bを組み合わせた非生(組換え)ワクチンで、水痘ウイルスそのものを含まない。
  • 帯状疱疹予防効果は50歳以上で97.2%、70歳以上で89.8%と、生ワクチンを上回る効果をの力で達成する。
  • ⭐ 非生ワクチンであるため免疫不全者にも接種でき、米国では19歳以上の免疫不全者にもされている。
  • 通常2〜6か月間隔で2回接種。副反応は接種部位疼痛・筋肉痛・疲労・頭痛が高頻度で、まれにのリスク増加が報告されている。
  • 日本では2025年度からの対象となり、生ワクチンと組換えワクチンのいずれも選択できる。「組換えワクチンが唯一の選択肢」は米国の状況であり、日本には当てはまらない。

出典

  1. 1.Use of Recombinant Zoster Vaccine in Immunocompromised Adults Aged ≥19 Years: Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices — United States, 2022(CDC ACIP・2022)組換え帯状疱疹ワクチンが19歳以上の免疫不全者にも適応拡大され、通常2〜6か月間隔(迅速な免疫が必要な場合は1〜2か月間隔まで短縮可)で2回接種することを確認した。閲覧 2026-08-02
  2. 2.SHINGRIX (Zoster Vaccine Recombinant, Adjuvanted) — Highlights of Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed、製造販売元 GlaxoSmithKline Biologicals)・2021)添付文書(Revised 3/2021)の適応が50歳以上の成人における帯状疱疹予防であること、遺伝子組換えVZV糖タンパク質E(gE)抗原成分の凍結乾燥バイアルをAS01Bアジュバント懸濁液成分で再構成して用いること、通常0・2〜6か月の間隔で2回(各0.5mL)筋肉内接種すること、禁忌が本剤の成分に対する重篤な過敏症(アナフィラキシー等)の既往であること、免疫抑制療法がワクチンの有効性を低下させうると記載されていること、ZOE-50試験で50歳以上の帯状疱疹予防効果が97.2%(95%CI 93.7-99.0)、ZOE-70試験で70歳以上が89.8%(95%CI 84.3-93.7)であったこと、50歳以上での高頻度副反応が接種部位疼痛78.0%・筋肉痛44.7%・疲労44.5%・頭痛37.7%・悪寒26.8%・発熱20.5%・消化器症状17.3%であったこと、接種後42日以内のGuillain-Barré症候群のリスク増加が観察されたと記載されていることを確認した。閲覧 2026-09-05
  3. 3.帯状疱疹ワクチン(厚生労働省・2025)2025年度から65歳の者などへの帯状疱疹ワクチンが予防接種法に基づく定期接種の対象になったこと、対象がその年度に65歳となる者と60〜64歳でHIVによる免疫の機能に障害があり日常生活がほとんど不可能な者であること、2025年度から2029年度までの5年間の経過措置としてその年度内に70・75・80・85・90・95・100歳となる者も対象で100歳以上は2025年度に限り全員が対象であること、生ワクチン(皮下に1回)と組換えワクチン(2か月以上の間隔をあけて2回筋肉内)のいずれも使えることを確認した。閲覧 2026-09-05