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Microbe Atlas · 細菌

Rickettsia typhi

発疹熱リケッチア

分類
偏性細胞内寄生 / Obligate intracellularRickettsia
性状
Gram陰性 (G−)偏性細胞内 Obligate intracellular
科目
Medical Microbiology
トピック
2/35: Rickettsia, Orientia, Coxiella5/9: Causative agents of arthropod-borne bacterial infections (list)
自然耐性薬
ペニシリンGアモキシシリンセフトリアキソンメロペネムバンコマイシン
作用する薬剤
クロラムフェニコールドキシサイクリン

🧠 全体像:はの「軽症な別バージョン」ではなく、ネズミ-ノミという別の生活環に支えられた近縁種として読む。臨床像はよく似るが、(げっ歯類)を持つ点・都市部のである点・概して軽症である点がと異なる。

微生物学的な特徴

Rickettsia属共通の性質(宿主依存性が高い、通常のグラム染色では観察できない、に感染して増殖する機序)はR. rickettsiiのノートを参照。本菌固有の特徴は動物宿主としてネズミ(特に)を持つこと——R. prowazekiiのが主にヒト(米国ではアメリカモモンガも)であるのとは対照的で1、ネズミ-ノミ-ネズミのサイクルにヒトが偶発的に入り込む人獣共通感染症である。

病原性の仕組み

への感染・血管炎というはR. rickettsiiと共通する。媒介様式はR. prowazekiiと同型で、ノミの刺咬そのものではなくノミの糞便が感染源になる——した皮膚の傷口や、まれに吸入・からの侵入で成立する。

感染経路と疫学

  • (Xenopsylla cheopisなど)が媒介し、はなどのげっ歯類
  • 都市部・港湾地帯などネズミの生息密度が高い温暖な沿岸地域に多く(米国の症例の大半はハワイ・カリフォルニア・テキサスから報告される1)、(地域的)に発生する——過密・不衛生な集団生活と結びつく(R. prowazekii、媒介)とは疫学像が異なる

起こす疾患

(・endemicチフス):発熱・頭痛・筋肉痛で発症し、(R. prowazekii)に似た体幹中心のを呈するが、発疹の出現率はやや低く、全身状態も概して軽症である。血管炎による重症合併症はまれで、(R. rickettsii)・に比べ致死率ははるかに低い。

診断

血清学・が中心。臨床像だけではとの区別が難しく、都市部でのネズミ・ノミ曝露歴が鑑別の手がかりになる。は歴史的検査で、現在は用いられない。

治療と予防

まとめ

  • はネズミをとし、が媒介する——主にヒトをとするとは疫学が異なる。
  • 感染経路はノミの糞便をした創からで、都市部のネズミ生息密度が高い地域にに発生する。
  • 臨床像はに似るが概して軽症で、致死率も低い。
  • 治療はドキシサイクリンが第一選択で、他のと同様にが原則となる。

出典

  1. 1.Rickettsial Diseases(Centers for Disease Control and Prevention(CDC Yellow Book 2026)・2025)2025年4月23日付の2026年版の章(cdc.govは直接取得で403のため、ウェブアーカイブで本文を取得)で、発疹熱(ノミ媒介性チフス)はR. typhiによりノミが媒介し動物宿主が齧歯類であること、ノミ媒介性リケッチア感染症は世界に分布しとくに齧歯類の多い港湾都市・沿岸地域に多く、米国の症例の大半はハワイ・カリフォルニア・テキサスから報告され、近年カリフォルニアとテキサスで報告が増えていること、患者の約半数に主に体幹の斑丘疹が出ること、R. prowazekiiの動物宿主はヒトとモモンガで、米国では在来のアメリカモモンガが人獣共通の病原巣であること、ドキシサイクリンがすべてのリケッチア感染症の第一選択であることを確認した閲覧 2026-09-27