組織病理学

組織病理学 · H2-058A

急速進行性糸球体腎炎

RPGN

描出疾患
ネフリティック症候群
疾患
腎肺症候群
検査値
腎生検

🧠 全体像:は、数週〜数か月で腎機能が急速に悪化するで、組織学的にはを示す。乏尿、血尿、蛋白尿、と腎機能低下を認めたら原因検索と治療を急ぐ。

半月体形成

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glomerular capillary'>糸球体毛細血管</span>壁の重度傷害"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Bowman capsule'>ボウマン嚢</span>腔へフィブリン・炎症因子が漏出"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='parietal epithelial cell'>壁側上皮細胞</span>が増殖"]
    B --> D["単球・マクロファージが流入"]
    C --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cellular crescent'>細胞性半月体</span>"]
    D --> E
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fibrocellular crescent'>線維細胞性半月体</span>"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fibrous crescent'>線維性半月体</span>・不可逆的硬化"]

「そのもの」が増殖するのではなく、と炎症細胞がを満たす。

免疫病型

型 代表疾患 免疫所見
抗体型 IgGが線状
、IgA腎症、感染関連腎炎など
少数免疫型 関連血管炎 沈着が乏しい

💡 I型・II型・III型という呼び方。 蛍光抗体所見による3分類は、をI型、免疫複合体のをII型、沈着に乏しいものをIII型とも呼ぶ。中国の単施設106例では I型16.0%、II型40.6%、III型43.4% で、陽性率はI型5.9%、II型25.6%、III型63.0%だった。は少数免疫型に強く偏るが、でも陽性になりうるので、陽性を少数免疫型の同義語として扱わない1。

標本所見

所見 意味
活動性が高く、治療反応性を残しうる
活動性と慢性化が混在
によるの圧迫
壊死・フィブリン 強い傷害

💡 の割合がを左右する。 関連血管炎は世界的にみての最多の原因で、腎生検が診断の基準である。国際腎病理ワーキンググループの組織分類は、正常糸球体・・のどれが優勢かでfocal、crescentic、mixed、scleroticの4類型に分け、100生検の検証で1年・5年のを予測できることが示された2。

治療安全性

腎生検、、、補体、感染・自己免疫検査を迅速に行う。感染関連では感染源治療を優先し、病型では重症度と原因に応じ副腎皮質ステロイド、リツキシマブまたはなどを選ぶ3。は全へ一律に行わず、や選択された重症例で検討する43。

まとめ

  • は、は組織パターンである。
  • を細胞性、性、線維性に分ける。
  • 免疫病型を確定してを急ぐ。

出典

  1. 1.The immunopathological spectrum of crescentic glomerulonephritis: a survey of 106 patients in a single Chinese center(Nephron Clinical Practice・2010)生検で確認された半月体形成性糸球体腎炎106例を蛍光抗体所見でI型(基底膜に沿う線状沈着)16.0%、II型(免疫複合体の顆粒状沈着)40.6%、III型(沈着に乏しい)43.4%に分類した。ANCA陽性率はI型5.9%、II型25.6%、III型63.0%(p<0.001)、抗GBM抗体陽性率はI型82.4%、II型4.7%、III型6.5%であった。II型のうちANCA陽性例は高齢で多臓器病変とフィブリノイド壊死が多かった閲覧 2026-08-24
  2. 2.Histopathologic classification of ANCA-associated glomerulonephritis(Journal of the American Society of Nephrology・2010)ANCA関連血管炎は世界的にみて急速進行性糸球体腎炎の最多の原因であり、腎生検が診断のgold standardである。国際腎病理ワーキンググループはANCA関連糸球体腎炎の病理をfocal・crescentic・mixed・scleroticの4類型に分ける分類を提案し、100生検の検証研究で1年・5年の腎予後を予測する価値があることを示した閲覧 2026-08-24
  3. 3.EULAR recommendations for the management of ANCA-associated vasculitis: 2022 update(European Alliance of Associations for Rheumatology・2024)ANCA関連血管炎の寛解導入は重症度で層別し、臓器・生命を脅かす病態ではグルココルチコイドにリツキシマブまたはシクロホスファミドを併用する。血漿交換は全例には行わず、腎機能高度低下例などに限って考慮する位置づけである閲覧 2026-08-24
  4. 4.Plasma Exchange and Glucocorticoids in Severe ANCA-Associated Vasculitis(New England Journal of Medicine・2020)eGFR 50未満またはびまん性肺胞出血を伴う重症ANCA関連血管炎704例のPEXIVAS試験で、血漿交換(14日以内に7回)は全死亡または末期腎不全の複合エンドポイントを減らさなかった(28.4%対31.0%、ハザード比0.86、95%CI 0.65〜1.13、P=0.27)。経口ステロイドの減量レジメンは標準量に非劣性で(27.9%対25.5%)、1年時の重症感染症は減量群で少なかった(発生率比0.69、95%CI 0.52〜0.93)閲覧 2026-08-24