Immunology

Immunology · 6.2

免疫不全

Immunodeficiencies

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W9Lecture / 講義
応用トピック
原発性・続発性免疫不全免疫不全症原発性・続発性免疫不全の症候
疾患
原発性免疫不全症候群(重症複合免疫不全症・ディジョージ症候群・X連鎖無ガンマグロブリン血症・慢性肉芽腫症・選択的IgA欠損症)
検査値
リンパ球減少免疫グロブリン定量

🧠 免疫不全は「感染症・腫瘍へのの増大」と定義され、原発性(primary、約10%、先天性)と続発性(secondary、約90%、後天性)に大別される、と読む。 原発性は遺伝子変異により免疫系のどこか特定の部品(V(D)J組換え酵素、胸腺発生、B、貪食機能など)が欠けることで生じ、欠損部位ごとに驚くほど特徴的な臨床像を示す。続発性は腫瘍・・加齢・(HIV等)など、既存の免疫系を「外side から」損なう要因による。

原発性免疫不全を疑う徴候

抗菌薬を頻用する、乳児の、1歳以降も続く難治性のでしか治癒しない感染症、の家族歴——これらがを疑う典型的な手がかりになる。

⚠️ ボーイ」デビッド・ヴェッター(David Vetter, 1971–1984, テキサス)はSCIDの象徴的症例。 生涯のほぼすべてをで過ごし、12歳で死去した。SCID(、severe combined immunodeficiency disease)を象徴する歴史的症例として知られる。

代表的な原発性免疫不全

疾患 遺伝形式 機序 臨床像 治療
SCID (AR) RAG1・RAG2遺伝子の→V(D)J組換えがほぼ不能→機能的B/T細胞が存在しない(という亜型あり) 、リンパ節・脾臓・肝臓の腫大 化学療法+、遺伝子治療
常染色体優性(AD) 先天性胸腺低形成(第3・4咽頭弓症候群)、22q11.2欠失(30〜40遺伝子)、頻度約1:4000 反復性感染、心・顔面・口蓋の奇形、学習障害——T細胞欠損症候群

| X連鎖無血症(XLA、Bruton型) | X連鎖 | の分化障害→血中にB細胞・IgGが存在しない | 反復性細菌感染。ワクチン接種で抗体応答が誘導されない | プールされた注射 | | | X連鎖劣性(時にAR) | T細胞のCD40Lが欠損→B細胞のCD40と結合できない→不能 | IgMは正常〜高値だがIgG・IgA・IgEを産生できない。反復性化膿性感染 | — | | | — | 血清IgA <50 mg/L、B細胞の欠損 | 呼吸器・消化管・尿生殖路の85〜90%は無症候性、最も頻度の高い) | 母乳栄養、自然に産生能を回復することもある | | | — | 好中球のファゴサイトオキシダーゼ欠損→殺菌能低下 | 全身性の化膿性感染・膿瘍 | — |

とXLAは「同じT/B細胞欠損でも欠ける段階が違う」好対照。 DGSは胸腺そのものの形成不全でT細胞系列全体が育たないのに対し、XLAはからの分化過程というより下流の1点が障害される。同じ「感染しやすい」という結果でも、DGSは細胞性免疫全体の欠落、XLAはB細胞・だけの欠落という違いが、それぞれの臨床像(DGSでは等の随伴奇形、XLAではワクチン不応答という体特有の所見)を説明する。

⚠️ XLA患者へのワクチン接種は禁忌に近い——生ワクチンによる合併症の実例。 生後22か月のXLA患児が)接種部位にを発症した症例が知られる。抗体産生ができない患者に生ワクチンを接種することの危険性を示す教訓的事例。

続発性(後天性)免疫不全の原因

分類
腫瘍 白血病リンパ腫
、DMARDs()、化学療法、放射線照射
加齢
例:(AIDS)

HIV/AIDS

HIV(、human immunodeficiency virus)ウイルスで、そのエンベロープは宿主細胞の細胞膜に由来し、gp160・gp120・gp41という3つの糖タンパクをもつ。CD4・CCR5・CXCR4を介してT細胞・単球に侵入する。

AIDSの進行はCD4+細胞数の推移そのものでモニタリングされる。 病期が進むにつれCD4+細胞数は減少し続け、免疫全体が変化する。合併症としてはと腫瘍(例:、Kaposi sarcoma)が代表的。

まとめ

  • 免疫不全は感染・腫瘍へので定義され、原発性(約10%、遺伝性)と続発性(約90%、後天性)に大別される。
  • SCID(RAG1/2変異、V(D)J組換え不能)・(胸腺低形成、22q11.2欠失)・XLA(分化障害)・(CD40L欠損、不能)・選択的IgA欠損(最多の、多くは無症候性)・オキシダーゼ欠損)が代表的な
  • 続発性免疫不全は腫瘍・・加齢・(HIV等)により、既存の免疫系が外部から損なわれることで生じる。
  • HIVはCD4・CCR5・CXCR4を介してT細胞・単球に侵入するウイルスで、CD4+細胞数の減少とともに感染・腫瘍()を合併する。