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Drug Atlas · B3 Hematopoietic growth factors / 造血因子製剤

ヘトロンボパグ

hetrombopag

分類
Hematopoietic growth factors / 造血因子製剤
商品名(EU)
Hengqu
科目
Pharmacology
トピック
B3: Agents used in anemias
承認適応
免疫性血小板減少症(ITP)再生不良性貧血
副作用
血尿
監視検査値
血小板数

🧠 全体像:ヘトロンボパグは中国・江蘇恒瑞医薬が開発した、世界初の低分子・の経口受容体作動薬(中国生まれ)である。と同じ「経口・非ペプチド」というクラスに属するが、2021年6月時点で承認されているのは中国のみ——米国・・日本の添付文書には登場しない。開発の動機自体が「既存の-RA(の、の肝毒性、アバトロンボパグの血栓)はいずれも使いにくい面を持つ」という位置づけから出発している点が、この薬を理解する軸になる。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 承認国(確認できた範囲) 剤形 固有の注意点
米・・日など多数 経口・低分子 :肝毒性
アバトロンボパグ 米・・日 経口・低分子 血栓症(正常でも起こりうる)
米・・日など多数 皮下注 骨髄増生
ヘトロンボパグ 中国(NMPA)のみ1 経口・低分子 承認国が限られるため入手可能性が地域で大きく異なる

⭐ ASH 2026 は、ヘトロンボパグをアバトロンボパグ・・・遺伝子組換えヒトと並ぶ「刺激薬」として互換に扱っている(副腎皮質ステロイド後になお追加治療を要する成人への推奨2a。強い推奨・確実性は中)2。⚠️ ただしこの推奨は「承認されている刺激薬であれば」という前提付きであり、ヘトロンボパグが未承認の地域では実際の選択肢にならない。

機序

flowchart TD
    A["ヘトロンボパグが<span class='jp-term jp-term-diagram' title='oral'>経口投与</span>される"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='thyroid peroxidase'>TPO</span>受容体(c-Mpl)を活性化する<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='non-peptide'>非ペプチド性</span>の低分子作動薬"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='megakaryocyte progenitor cell'>巨核球前駆細胞</span>の増殖・分化が促進される"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Thrombopoiesis'>血小板産生</span>が増加"]

💡 (マウスモデル)では、より高いが報告されている。 ヒト受容体を導入したマウスを用いた検証で、ヘトロンボパグはよりin vivoで強い効果を示した3。⚠️ これはデータであり、ヒトでの臨床的な優劣を示すものではない。 ヒトは主にとの比較で行われており、既存の-RAとの頭打ち比較試験ではない。

適応

⚠️ 2021年6月16日、中国(NMPA)で成人の以下2適応に対するとして初めて承認された1。米国・・日本での承認は確認できていない。

領域 使いどころ
血液内科 前治療に反応不十分または再発した成人の一次性()(中国での)1
血液内科 成人の重症(中国での)1

💡 承認当時、中国では化学療法誘発性へのを目的とした第III相開発が進行していた1。

用法・用量

(NCT03222843)では、前治療に反応不十分・再発した成人患者に対し、1日1回2.5mgまたは5mgの初期投与量から開始し、10週間の期の後、期でも継続投与された3。⚠️ 実際に承認された用法・用量の詳細(食事条件・増減量幅を含む)は、中国語の正式な添付文書までは確認できていない。 ここに記載した用量はのプロトコルであり、承認後の推奨用量として断定しない。

禁忌・注意

⚠️ 禁忌・に関する一次資料(添付文書)は未確認。 の緒言は、既存-RAの弱点(の骨髄形成、の重篤な肝毒性、アバトロンボパグの血栓)を開発の動機として挙げているが3、これはヘトロンボパグにこれらのリスクが無いことを意味しない。安全性プロファイルの詳細(肝機能モニタリングの要否、血栓症リスクの有無)は、承認国の添付文書で確認する必要がある。

副作用

の24週間投与データによる3。

頻度 内容
高頻度 (42.2%)、尿路感染(17.1%)、増悪(17.1%)、血尿(15%)
注意 の期では概ね良好だったが、できないAEによる投与中止例もあった

まとめ

  • 中国・江蘇恒瑞医薬が開発した、世界初の低分子・の経口受容体作動薬。
  • ⚠️ 2021年6月に中国(NMPA)で成人のとして承認されたのが確認できた唯一の承認国——米国・・日本での承認は確認していない。地域によって入手可能性が大きく異なる薬剤である。
  • 適応は成人の一次性(前治療に反応不十分・再発)と。
  • では5万/μL以上の達成率が5.9%に対し58.9〜64.3%と有意に優れ、反応は24週間持続した。
  • でより高いが示されているが、これはマウスモデルの結果でありヒトでの優劣を意味しない。
  • ⭐ ASH 2026 は刺激薬(アバトロンボパグ・・・遺伝子組換えヒトと並ぶ)としてヘトロンボパグを互換に扱うが、これは承認地域に限った話である。
  • 禁忌・肝毒性モニタリングの要否など、承認国の正式な添付文書に基づく詳細は未確認のため、実地では現地の添付文書を確認する。

出典

  1. 1.Hetrombopag: First Approval(Drugs(Adis, Springer Nature)・2021)Europe PMCで取得した抄録を確認した(出版社サイトは購読が必要で全文は未確認、抄録の記載のみに限定して引用する)。ヘトロンボパグ(商品名Hengqu)は江蘇恒瑞医薬(Jiangsu Hengrui Pharmaceutical)が開発した経口の非ペプチド性トロンボポエチン受容体作動薬で、2021年6月16日に中国で、成人の一次性免疫性血小板減少症(ITP)および重症再生不良性貧血(SAA)に対する二次治療薬として初めて承認されたこと。抄録の時点で中国における化学療法誘発性血小板減少症への適応拡大を目的とした第III相開発が進行中であったこと閲覧 2026-09-22
  2. 2.American Society of Hematology 2026 Guidelines for Immune Thrombocytopenia (ITP)—Initial and Second-Line Therapy in Adults with Primary ITP(American Society of Hematology・2026)全57頁の本文PDFを取得して確認した。推奨2aは、副腎皮質ステロイド(±IVIG)による初回治療の後になお追加治療を要する成人の原発性ITPに血小板産生刺激薬を推奨し(強い推奨・エビデンスの確実性は中)、またはリツキシマブを提案する(条件付き推奨・確実性は低)。Explanations and other considerationsの段は、パネルがアバトロンボパグ・エルトロンボパグ・ヘトロンボパグ・ロミプロスチム・遺伝子組換えヒトトロンボポエチンのすべてを互換として扱ったと明記する。⚠️ 出版社サイトは今回も403で、読んだのはInternet Archiveに保存された出版社のFirst Edition版PDF(組版前の採択原稿、Tracking no ADV-2026-021269R1)であり、誌上版との異同は確認していない閲覧 2026-09-17
  3. 3.A multicenter, randomized phase III trial of hetrombopag: a novel thrombopoietin receptor agonist for the treatment of immune thrombocytopenia(Journal of Hematology & Oncology・2021)全文(オープンアクセス、CC BY)を取得して確認した。ヘトロンボパグオラミン(ヘトロンボパグ)は中国で開発された**世界初の低分子・非ペプチド性の経口TPO受容体作動薬**であり、前治療に反応不十分または再発した成人ITP患者を対象に、1日1回2.5mg(HETROM-2.5群)または5mg(HETROM-5群)の初期投与量とプラセボを比較する無作為化二重盲検第III相試験(10週間の二重盲検期後、14週間の非盲検期)であったこと。主要評価項目(投与8週時点で血小板数5万/μL以上を達成した患者の割合)はHETROM-2.5群58.9%・HETROM-5群64.3%に対しプラセボ群5.9%と有意に優れ(オッズ比はそれぞれ25.97・32.81)、血小板反応は24週間持続したこと。24週間投与での主な有害事象が上気道感染(42.2%)・尿路感染(17.1%)・ITP増悪(17.1%)・[[symptoms/hematuria|血尿]](15%)であったこと。緒言で、ロミプロスチム(皮下注・骨髄網状線維形成のリスク)、エルトロンボパグ(重篤で生命を脅かしうる肝毒性のリスク)、アバトロンボパグ(血栓のリスク)がいずれもITP成人にとって使いにくい面を持つと位置づけたうえで、ヘトロンボパグを非ペプチド性経口TPO-RAとして開発した経緯を述べていること。前臨床試験でヒトTPO受容体導入マウス32D細胞(32D-MPL)を用いた中空糸法で、in vivoでエルトロンボパグより高い効力を示したこと。⚠️ この記述は前臨床(マウスモデル)の効力比較であり、ヒトでの臨床的優劣を示すものではない閲覧 2026-09-22