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Drug Atlas · B3 Hematopoietic growth factors / 造血因子製剤 · 必修

エルトロンボパグ

eltrombopag

分類
Hematopoietic growth factors / 造血因子製剤
商品名(日本)
レボレード
商品名(EU)
Promacta
科目
Pharmacology
トピック
B3: Agents used in anemias
承認適応
免疫性血小板減少症(ITP)再生不良性貧血
副作用
血栓塞栓症視力低下
監視検査値
血小板数ビリルビン
相互作用
ロスバスタチン水酸化鉄ポリマルトース

🧠 全体像と並ぶ(TPO-RA)だが、両者の違いは「経路」に尽きるは注射用で、内因性TPOと同じに結合するのに対し、経口の低分子で、内因性TPOとは異なる受容体のに結合してにシグナルを活性化する。この「経路の違い」が、通院頻度・・肝毒性という固有の副作用プロファイルの違いを生む。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 剤形・結合部位 特徴
経口・低分子。TPO受容体のに結合 週1回通院が不要。肝毒性(とのが固有の注意点
皮下注(内因性TPOと同じ部位)に結合 週1回皮下注射。のリスクが報告される

ASH 2019ガイドラインでは、持続性・慢性ITPの第二選択治療としてTPO-RA(いずれも)をリツキシマブより優先して検討する。1 どちらを選ぶかは、を希望するか、との服用タイミング調整を許容できるか、肝機能などの個別事情で決める。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='eltrombopag'>エルトロンボパグ</span>が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='oral'>経口投与</span>される"] --> B["TPO受容体(c-Mpl)の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='transmembrane domain, TMD'>膜貫通ドメイン</span>へ結合"]
    B --> C["内因性TPO(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='extracellular domain'>細胞外ドメイン</span>に結合)とは異なる部位から<span class='jp-term jp-term-diagram' title='allosteric'>アロステリック</span>に受容体を活性化"]
    C --> D["JAK-STAT・MAPK経路を介するシグナル伝達"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='megakaryocyte'>巨核球</span>の増殖・成熟が促進される"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Thrombopoiesis'>血小板産生</span>が増加"]

💡 内因性TPOと同じ部位を取り合わないため、理論上は内因性TPOとに働きうる。 一方でこの経口小分子という性質が、の過程でを形成するという固有の弱点にもつながる——・カルシウム・と同時に服用すると吸収が約70%低下するため、前後2〜4時間の間隔をあけて服用する必要がある2

適応

領域 使いどころ
血液内科 (ITP)の第二選択(ステロイド・免疫グロブリン・に反応不十分な例)
血液内科 (重症例で標準的な免疫との併用、または難治例への単独投与)
消化器 C型に伴う血小板減少(療法を可能にする目的、現在は抗ウイルス治療の変化によりは低下)

用法・用量

PO、1日1回。空腹時(食後2時間以上あけるか、食前1時間以上あけて)服用し、・カルシウム含有・乳製品などのとは前後2〜4時間あける2東アジア系(日本人を含む)では体重補正後のが約50%高くなるため、初期用量を50%減量する2)がある場合も減量して開始する。実際の用量・増量幅は適応・年齢・肝機能で大きく異なるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • ⚠️ :重篤な肝毒性のリスク。 投与前・中は2週毎、その後は月1回、ALT・AST・ビリルビン(フラクショネート)を測定し、上限の3倍以上(もともと高値ならの3倍)に持続的に上昇する、またはビリルビン上昇・肝不全徴候を伴う場合は中止する2
  • ⚠️ を正常化させることを目標にしない。 過度な血小板上昇は血栓塞栓症のリスクを高めるため、臨床的に必要な範囲(ITPでは概ね5万/μL以上)にとどめる2
  • との同時服用は吸収を約70%低下させるため、・乳製品と2〜4時間あける2
  • 併用時はOATP1B1阻害により曝露が増加するため、50%減量を検討する2
  • の既往・リスクがある患者では投与前後の定期眼科検査を考慮する

副作用

頻度 内容
高頻度 頭痛、悪心、下痢、疲労、ALT/AST上昇
注意 の発生・悪化(ITP患者の7〜11%)2血栓塞栓症など、で特にリスク上昇)
重篤・まれ 重篤な肝毒性()、消化管出血

まとめ

  • と同じTPO-RAだが、経口・結合という点で剤形・結合部位が異なる。
  • ASH 2019ガイドラインでは、持続性・慢性ITPの第二選択としてTPO-RAをリツキシマブ・より優先する1
  • 適応はITPに加え、(免疫併用)にも広がる。
  • の肝毒性のため定期的な肝機能モニタリングが必須。とのにより服用タイミングの調整も必要。
  • を正常化させることを目標にせず、血栓塞栓症リスクを避けるため臨床的に必要な範囲にとどめる。

出典

  1. 1.PROMACTA (eltrombopag) Tablets and for Oral Suspension: Prescribing Information(U.S. National Library of Medicine DailyMed(Novartis添付文書)・2025)機序(TPO受容体の膜貫通ドメインへの結合)、肝毒性に関する枠組み警告とモニタリングスケジュール(投与前・調整中は2週毎・その後月1回のALT/AST/ビリルビン測定、フラクショネートビリルビン測定の理由)、多価陽イオン(鉄・カルシウム・アルミニウム・マグネシウム・セレン・亜鉛)とのキレート形成による吸収低下(約70%減)と2〜4時間の投与間隔、ロスバスタチンとの相互作用(OATP1B1阻害による曝露増加、50%減量推奨)、東アジア系での初期用量50%減量、白内障(ITP患者7〜11%)・血栓塞栓症(門脈血栓など)のリスクを確認した閲覧 2026-08-10
  2. 2.American Society of Hematology 2019 guidelines for immune thrombocytopenia(American Society of Hematology・2019)持続性・慢性ITPの第二選択治療において、TPO受容体作動薬(エルトロンボパグ・ロミプロスチム)をリツキシマブ・脾摘より優先して検討する序列を推奨していることを確認した閲覧 2026-08-03