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Drug Atlas · C3 Antiparasitics / 抗寄生虫薬 · 必修

マラチオン

malathion

分類
Antiparasitics / 抗寄生虫薬
商品名(EU)
Derbac-M
科目
PharmacologyDermatology
トピック
C3: Antiprotozoal and antihelminthic drugs2-15: Pediculosis
承認適応
シラミ症
副作用
灼熱痛化学眼外傷
原因となる疾患
有機リン中毒

🧠 全体像系の殺虫薬で、の処方薬のなかでは数少ない確実なを持つ薬剤である。標的はというNa⁺チャネルとはの酵素であり、への耐性とは独立に効果を発揮できる。一方でローション基剤がアルコールを含み可燃性であることが実地の最大の注意点で、8〜12時間という長い接触時間中は火気・電熱器具を避けなければならない。

薬効群の中での位置づけ

外部寄生虫症の外用薬は標的分子で系統が分かれ、系統が違えばを回避できる。

薬剤 標的 特徴
不完全 第一選択、地域耐性が課題
確実 処方薬。可燃性のため取り扱い注意
高い 処方薬。単回塗布で足りることが多い

「確実なを持つ数少ない薬剤」という一点が、を難治例の選択肢に押し上げる。 は成虫は殺せても卵の一部は生き残りやすく反復塗布が前提になるのに対し、は1回の塗布で卵ごと仕留めやすい。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='malathion'>マラチオン</span>が節足動物の<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='acetylcholinesterase (AChE)'>アセチルコリンエステラーゼ</span>に結合"] --> B["酵素活性を不可逆的に阻害"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='synaptic cleft'>シナプス間隙</span>でアセチルコリンが分解されず蓄積"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neuromuscular junction (NMJ)'>神経筋接合部</span>の過剰刺激<br>持続的な脱分極"]
    D --> E["振戦・麻痺→虫体の死滅"]
    F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='malathion'>マラチオン</span>自体は比較的低毒性の<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='prodrugs'>プロドラッグ</span>的<span class='jp-term jp-term-diagram' title='organophosphates'>有機リン</span>化合物"] --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mammal'>哺乳類</span>でも代謝分解される"]

💡 同じ「アセチルコリン系を乱す」薬でも、ヒトへのは化合物ごとに大きく異なる。 はヒトのエステラーゼによって比較的速やかに解毒される部類の化合物であり、局所使用量では全身性の中毒を来しにくい。ただし新生児・乳児では皮膚透過性が高く吸収が増すため、このの前提が崩れる。

適応

領域 使いどころ
への地域耐性・例の代替。確実なを要する場面1

用法・用量

  • 0.5%ローションを乾いた頭髪・頭皮に十分量塗布して行き渡らせる2
  • 電熱器具を使わず自然乾燥させ、8〜12時間後にシャンプーで洗い流す2
  • 洗浄後、目の細かい用ので死虫・卵殻を除去する
  • 7〜9日後も生きた虫体を確認した場合はする2

禁忌・注意

  • ⚠️ 本剤・ローション基剤は可燃性である。 塗布中および毛髪が湿っている間は、裸火・ヘアドライヤー・カールアイロンなど電熱器具に近づけない。塗布中の喫煙も避ける2
  • 新生児・乳児では禁忌:頭皮の透過性が高く、の増加によるのリスクが上がる2
  • 眼に入った場合は炎を来しうるため、直ちに洗眼する
  • 誤って大量に経口摂取・全身に多量塗布した場合は、中毒(、発汗、徐脈、増加)を来しうるため注意する

副作用

頻度 内容
高頻度 塗布部位の・刺激感、頭皮の発赤
注意 誤って目に入った場合の軽度炎、まれに様の皮膚反応
重篤・まれ (誤用時)、大量曝露時の中毒

まとめ

  • 系殺虫薬で、を阻害してを過剰興奮させ、虫体を麻痺・死滅させる。
  • とは異なる標的のため地域耐性の影響を受けにくく、かつ確実なを持つ数少ない頭ジラミ治療薬である。
  • 乾いた頭髪へ塗布し自然乾燥後8〜12時間置いてから洗い流すという長い接触時間が必要で、この間はローションの可燃性ゆえ火気・電熱器具を避けなければならない。
  • 頭皮透過性が高い新生児・乳児では禁忌であり、大量曝露時は中毒に注意する。
  • への地域耐性・例で選ばれる代替薬という位置づけが、と並ぶ実地の使いどころになる。

出典

  1. 1.Head Lice(American Academy of Pediatrics・2022)マラチオンがピレスロイド耐性・治療失敗例で検討される頭ジラミ症治療薬の一つであり、殺卵効果を持つことを確認した閲覧 2026-08-10
  2. 2.OVIDE- malathion lotion(U.S. Food and Drug Administration (DailyMed)・2011)0.5%ローションを乾いた頭髪・頭皮に十分量塗布し電熱器具を使わず自然乾燥させ8〜12時間後にシャンプーすること、可燃性のため裸火・電熱器具を避けること、新生児・乳児では皮膚透過性が高く吸収が増すため禁忌であること、7〜9日後も虫体がいれば再治療することを確認した閲覧 2026-08-10