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Drug Atlas · A19 Antidepressants / 抗うつ薬

ミルナシプラン

milnacipran

分類
Antidepressants / 抗うつ薬
商品名(日本)
トレドミン
科目
Pharmacology
トピック
A19: Monoamine reuptake inhibitors
禁忌疾患
前立腺肥大症
副作用
悪心めまい
相互作用
モクロベミド
対象疾患
気分障害(うつ病・双極性障害)線維筋痛症

🧠 全体像:はの中でにほとんど頼らないという上の異色さを持つ薬で、大部分が未変化体のままされる。この「肝臓を通らない」性質が、を介した薬物相互作用の少なさにつながる。もう一つの見どころは国によってが違うこと──日本では抗うつ薬として承認された最初のだが、米国では抗うつ薬として承認されず薬(Savella)として使われている。

薬効群の中での位置づけ

はSERT・NET阻害のバランスと代謝経路で使い分ける。

薬剤 代謝経路 相互作用 特徴
ほぼを受けず未変化体で 少ない 日本初の(抗うつ薬として承認)
・ 中程度 痛み系適応が広い
少ない の二段階作用

⭐ 同じ薬でも国によって「主戦場」が違う。 日本ではうつ病治療薬(トレドミン)として承認された最初のだが、米国ではうつ病適応は承認されず、としてのみ使われる。はそのものではなく、各国での・審査の結果で決まることを示す好例。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='milnacipran'>ミルナシプラン</span>がSERT・NETを阻害"] --> B["シナプス5-HT・NE濃度上昇"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dorsal horn'>脊髄後角</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='descending pain inhibitory system'>下行性疼痛抑制系</span>の増強"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fibromyalgia'>線維筋痛症</span>の痛み・疲労感の軽減"]
    B --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Prefrontal cortex'>前頭前野</span>・辺縁系の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='monoamine'>モノアミン</span>伝達増加"]
    E --> F["抗うつ効果"]

薬物動態

項目 値・特徴
約85〜90%と高い
代謝 をほとんど受けない(が主)。阻害・誘導への関与が少ない
排泄 大部分が未変化体のまま(約55%)
半減期 約6〜8時間(1日2回投与が必要)

⭐ 腎機能低下例では特に注意が必要な薬。 未変化体のが主経路のため、腎機能低下患者では血中濃度が大きく上昇しうる。他のと異なり肝機能低下の影響は受けにくい。

適応

領域 使いどころ
精神科 うつ病(日本での主な)
疼痛 (痛み・疲労が主体の症例に適する)

用法・用量

1回25 mgを1日2回から開始し、を見ながら1日100 mgまで漸増する(1日2回に)。腎機能低下例では減量を検討する。実際の用量は適応・腎機能で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:などによる尿閉(NEによる・の緊張増強で症状悪化のおそれ)
  • 禁忌:など阻害薬との併用・前後14日以内()
  • ⚠️ 腎機能低下例では未変化体の蓄積により副作用が増強しうるため、腎機能に応じた減量を検討する
  • ⚠️ 25歳未満では・のリスクが増加しうる(抗うつ薬に共通するの)

副作用

頻度 内容
高頻度 悪心、頭痛、発汗
注意 めまい、、
重篤・まれ 、

まとめ

  • 。SERT・NETを阻害するが、他のと異なりをほとんど受けず未変化体でされる。
  • 日本ではうつ病治療薬として承認された最初の(トレドミン)。米国ではとしてのみ承認されており、国によって主な適応が異なる。
  • が少ないためを介した相互作用が少ない一方、腎機能低下例では未変化体の蓄積に注意する。
  • などによる尿閉では禁忌。阻害薬併用も禁忌。
  • 半減期が短く1日2回投与が必要。