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Drug Atlas · B22 Other / その他 · 必修

ピルフェニドン

pirfenidone

分類
Other / その他
商品名(日本)
ピレスパ
商品名(EU)
Esbriet
科目
Pharmacology
トピック
B22: Antiinflammatory agents inhibiting bronchial inflammatory processes. Antitussive agents and expectorants
承認適応
特発性肺線維症
副作用
悪心下痢発疹光線過敏
影響検査値
アミノトランスフェラーゼ
対象疾患
間質性肺疾患

🧠 全体像と並ぶ)の2大の一角で、TGF-β関連の線維化・コラーゲン産生を抑えるという、のチロシンキナーゼ阻害とは全く異なる機序でFVC低下を遅らせる。副作用プロファイルも対照的で、消化器症状(悪心・食欲低下)と・発疹というが主体になる点がの「下痢中心」とは異なる。14日間かけて用量を漸増するという独特の導入方法も、この薬を覚えるうえでの特徴になる。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 機序 主な有害事象 特徴
TGF-β関連の線維化・コラーゲン産生を抑制 消化器症状(悪心・食欲低下)、発疹・ 14日間かけて用量を漸増。食後投与が必須
VEGFR/FGFR/PDGFR阻害(トリプルキナーゼ阻害) 下痢が主体 と分子標的抗がん薬の二面性を持つ

2剤は、いずれもFVC低下を遅らせるが既存の線維化を元に戻す薬ではない。 両者を併用する明確なは確立しておらず、副作用プロファイルの違い(消化器・状 vs 下痢)と患者背景で選択する1

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pirfenidone'>ピルフェニドン</span>を<span class='jp-term jp-term-diagram' title='oral'>経口投与</span>"] --> B["TGF-βシグナルを介した<br>線維芽細胞の活性化を抑制"]
    A --> C["TNF-αなど<span class='jp-term jp-term-diagram' title='inflammatory cytokine'>炎症性サイトカイン</span>の<br>産生を抑制"]
    B --> D["コラーゲンなど<span class='jp-term jp-term-diagram' title='extracellular matrix'>細胞外基質</span>の<br>産生・沈着が減少"]
    C --> D
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pulmonary fibrosis'>肺線維化</span>の進行を遅らせる"]
    F["正確な分子標的は完全には解明されていない"] -.->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='antifibrotic'>抗線維化</span>・抗炎症・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='antioxidant'>抗酸化</span><br>作用が複合的に働くと考えられる"| D

💡 が「特定の受容体キナーゼを狙い撃つ」薬であるのに対し、は「TGF-β経路を中心に複数の線維化関連経路を広く抑える」薬という理解の対比が有効。 明確な単一標的を持たないぶんは説明しにくいが、臨床的な効果(FVC低下抑制)はと同程度とされる1

薬物動態

項目 値・特徴
代謝 主にCYP1A2で代謝される(一部CYP2C9・2C19・2D6・3A4も関与)
相互作用 強力なCYP1A2阻害薬(など)との併用で血中濃度が著しく上昇する2
喫煙の影響 喫煙はCYP1A2を誘導し血中濃度を低下させうる(有効性低下のおそれ)
服用 食後投与が必須(空腹時投与では悪心などの消化器症状が悪化しやすい)

適応

領域 使いどころ
呼吸器 。FVC低下速度を遅らせる目的で、と並ぶ第一選択のとして用いる1

用法・用量

14日間かけて漸増する:1〜7日目は801mg/日(267mgを1日3回)、8〜14日目は1602mg/日(534mgを1日3回)、15日目以降は2403mg/日(801mgを1日3回)を目安とし、いずれも食後に服用する2。強力なCYP1A2阻害薬併用時や消化器症状が強い場合は減量を検討する。実際の用量・漸増スケジュールは施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 添付文書上のの記載は限定的だが、重度肝・腎障害では慎重投与または回避を検討する
  • ⚠️ 強力なCYP1A2阻害薬(など)との併用は避ける。 血中濃度が著しく上昇し有害事象リスクが増すため、併用が避けられない場合は減量が必要になる2
  • ⚠️ を起こしうるため、日光暴露を避け日焼け止め・防護衣の使用を指導する
  • 喫煙は血中濃度を下げうるため、禁煙を勧める
  • がみられることがあり、定期的な肝機能モニタリングを行う

副作用

頻度 内容
高頻度 悪心(約36%)、発疹(約29〜30%)、下痢(約25%)、食欲低下、3
注意 (約9%)、(ALT/AST 3倍以上上昇が約3%)23
重篤・まれ 重症肝障害(死亡例の後報告あり)

まとめ

  • と並ぶの2大の一角で、TGF-β関連の線維化・コラーゲン産生抑制という異なる機序でFVC低下を遅らせる。
  • 副作用は消化器症状(悪心・下痢・食欲低下)と・発疹が主体で、の「下痢中心」とは対照的なプロファイルを持つ。
  • 用法は14日間かけての漸増(801→1602→2403mg/日)と食後投与が特徴的。
  • 強力なCYP1A2阻害薬(など)との併用喫煙が血中濃度を逆方向に動かす点に注意する。
  • 既存の線維化を元に戻す薬ではなく、進行を遅らせる薬という位置づけはと共通する。

出典

  1. 1.Pirfenidone, nintedanib and N-acetylcysteine for the treatment of idiopathic pulmonary fibrosis: A systematic review and meta-analysis(Pulmonary Pharmacology & Therapeutics・2016)ピルフェニドンとニンテダニブがIPFのFVC低下を抑制すること閲覧 2026-08-09
  2. 2.Pirfenidone for idiopathic pulmonary fibrosis: analysis of pooled data from three multinational phase 3 trials(European Respiratory Journal(CAPACITY 1・2、ASCENDの統合解析)・2016)ピルフェニドン2403mg/日群はプラセボと比べ52週時点のFVC平均変化量が-216mL対-363mLで40.7%抑制されたこと、ピルフェニドン群の悪心35.5%・発疹29.2%・下痢24.6%・消化不良17.8%がプラセボ群より高頻度だったこと、ALT/AST 3倍以上上昇がピルフェニドン群3.2%・プラセボ群0.6%だったことを確認した閲覧 2026-08-10
  3. 3.ESBRIET (pirfenidone) tablets — Prescribing Information(Genentech / DailyMed (U.S. FDA)・2014)2014年の米国初回承認、14日間の漸増投与スケジュール(1〜7日目801mg/日→8〜14日目1602mg/日→15日目以降2403mg/日、いずれも食後に3分割)、強力なCYP1A2阻害薬フルボキサミンとの併用で血中濃度が著しく上昇するため併用を避けるかフルボキサミン中止が必要なこと、喫煙により血中濃度が低下しうることを確認した閲覧 2026-08-10